むち打ち [公開日]2020年5月21日

むち打ちで後遺障害が認定されないケースと対処方法

交通事故でむち打ちになり、完治しなかった場合、「後遺障害等級認定」を受けて、後遺障害部分の損害賠償(後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料)を請求することになります。

しかし、むち打ちは自覚症状が中心で他覚症状がないことが多く、後遺障害等級認定を受けることが難しい傷病としても知られています。

ここでは、むち打ちで後遺障害等級認定されないケースと、等級認定で非該当とされてしまった場合の対処方法について解説します。

1.むち打ちで認定される後遺障害等級

最初に、むち打ちで認定される後遺障害等級と、その等級に認定されるために必要なことについて説明します。

(1) むち打ちで認定されるのは12級・14級

むち打ちで認定され得る後遺障害等級は、12級14級の2つがあります。

後遺障害等級 後遺障害の内容 運用上の基準
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 医学的に神経症状が発生していることを証明できる(他覚所見がある)
14級9号 局部に神経症状を残すもの 医学的に神経症状が発生していることを説明できる

12級では、MRIなどの画像所見でむち打ちの原因を医学的に証明できなければなりませんが、14級では、自覚症状と神経学的所見が一致すれば認定される可能性があります。

[参考記事]

むち打ちの後遺障害認定|12級・14級の違い

(2) むち打ちで後遺障害認定されないケース

むち打ちで後遺障害等級に認定されない、いわゆる非該当となるケースには、以下の理由があります。

  • 事故態様が軽微
  • 通院実績が乏しい
  • 症状に一貫性・連続性が欠ける
  • 症状の重篤性・常時性がない

2.むち打ちで認定されるためにすべきこと

むち打ちで後遺障害等級認定を受けるためにすべきことには、次のことが挙げられます、

(1) 頻度を保った通院をし、適切な検査を受ける

事故とむち打ちの因果関係を明らかにすべく、できるだけ早期(事故当日か遅くても事故翌日)に病院で受診し、MRIなどの画像診断や神経学的所見の検査を受けましょう。

そして、受傷後しばらくは、週2回程度以上の間隔で整形外科等の病院への通院を継続しましょう。

この時に、整骨院や鍼灸院に通っても構いませんが、病院での受診は継続し、主治医に整骨院や鍼灸院に通うことについて同意をもらってください。

こうしないと、保険会社に整骨院や鍼灸院の治療費も請求することが難しくなります。

(2) 連続性・一貫性を保った症状の訴え

病院では、主治医に対して、連続して一貫した症状を訴えることが肝心です。

例えば、事故当初は頸部の痛みを訴えていたのに、1ヶ月したら手が痺れると主張し始めれば、症状の一貫性について疑問符がついてしまいます。

では、なぜ症状に連続性・一貫性が必要なのでしょうか?

それは、医学的に説明可能と言えるかどうかにかかわってきます。

事故による傷害は、発症した時点が最も重い症状で、治療の進展により症状は徐々に軽くなるはずです。これが医学的に説明可能な症状の経過であり、これに反して症状に連続性・一貫性がなければ、医学的に説明可能な症状ではないと判断されるわけです。

症状が徐々に軽くなってきたのに、どこかのタイミングで悪化した場合には「悪化した原因は何か、事故以外の原因があるのではないか」と判断されるわけです。

また、後遺障害等級認定では、それなりに重篤な症状が要求され、かつその症状が常時残存していることが必要とされます。

主治医には、診断書に、重篤な症状が常時認められることを明記してもらう必要があります。

3.後遺障害認定されなかった場合の3つの対処法

では、ここまでしてもむち打ちが後遺障害等級認定されなかったら、どうすればいいのでしょうか?

非該当の通知書には、結論と理由が記載されています。まずは、そこから非該当となった理由を分析しなければなりません。

主な理由としては、次のようなことが挙げられるでしょう。

  • 後遺障害診断書の記載が不十分
  • 交通事故とむち打ちの因果関係が弱い
  • 症状を裏付ける検査が不足している

後遺障害等級認定に納得がいかない場合にとれる対処方法には、次の3つがあります。

いずれにしても、ここからは、弁護士など専門家のアドバイスを受けながら行っていくことをお勧めします。

(1) 紛争処理機構への調停申立て

後遺障害等級認定に納得がいかない場合は、紛争処理機構への調停の申立てができます。

公正中立な立場で専門知識を持つ弁護士・医師・学識経験者といった者が構成する紛争処理委員が審査を行い、自賠責保険会社はこの調停結果に従う旨定められているため、有効な手続きと言えるでしょう。

ただこの申立ては、1回の事故につき、被害者1回限り行うことができるとされていますので、最終手段として位置付けるべきです。

(2) 異議申立てを行う

紛争処理機構への申立てとは異なり、異議申し立ては、何度でも行うことができます。

後遺障害等級認定で非該当となった場合に、異議申し立てを行うことが最も一般的ですが、書類審査のみで行われるため、新たな資料を提出できない限り、認定結果が覆る確率は少ないと言えます。

しかし、泉総合法律事務所では、異議申立てについても多くの経験・実績を有しており、むち打ちの被害者の方が、異議申立てによって、非該当から14級になった事例を数多く経験しています。

例えば、申請時には、非該当とされていた、30代女性のむち打ちが、異議申立てを行うことで、14級に認定され、結果、休業損害などを除き、240万円を超える賠償金を得ることができた事例などがあります。

240万円というのは後遺障害が認定されたことによって後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料が請求可能になったためです。後遺障害が認定されるか否かによって得られる賠償金がこれほど違うということがわかると思います。

[解決事例]

後遺障害非該当から、異議申立てを行い、14級獲得 賠償金は240万円超

(3) 民事訴訟を起こす

後遺障害等級認定の判断や異議申立ての結果について不服がある場合には、民事訴訟の提起をすることができます。

民事訴訟でも自賠責の非該当という判断は裁判所が後遺障害等級認定の判断をする場合にも重視されます。一度自賠責から出された非該当という結果を覆すことは容易ではないでしょう。

しかし、裁判では、様々な個別の事情を斟酌してもらえるため、有力な証拠を揃えて主張を展開すれば、仮に裁判所でも後遺障害等級が認定されなかったとしても賠償額が増額されることもあり得ます。

ただし、裁判が一度確定してしまうと、それ以上不服申し立てをすることはできなくなってしまいます。

4.まとめ

むち打ちで非該当となってしまっても、3つの対処方法があることがお分かりいただけたと思います。

前述した通り、泉総合法律事務所では、交通事故でむち打ちになってしまった被害者の方から多様なご相談を受けており、様々な経験・実績があります。

もし、むち打ちで非該当となってしまっても、落胆する必要はありません。是非、一度、当事務所の弁護士にご相談ください。

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