後遺障害 [公開日]2020年4月14日

マレットフィンガーの後遺障害等級と慰謝料・逸失利益

交通事故では、様々な怪我を負う可能性があります。
骨折はその中でもよくある怪我ですが、最近では自転車事故などによる手指の怪我も増えています。

交通事故の結果、指先の骨折であるマレットフィンガーとなってしまった場合、後遺障害が残れば後遺慰謝料や逸失利益も請求できます。

今回は、マレットフィンガーの後遺障害について解説いたします。
マレットフィンガーの概要、マレットフィンガーで何等級が獲得可能か、どのような保障が受けられるのかまでご説明します。

1.マレットフィンガーとは?

まずは、マレットフィンガーがどのような怪我であるのか、また症状や治療方法についてご説明します。

(1) マレットフィンガーについて

昨今の社会状況の影響で、自転車通勤をしている方も増えているようです。
自転車通勤になると、満員電車から解放されるだけでなく、毎日良い運動にもなるため、健康のために通勤方法を変えたというケースも多いのではないでしょうか。

自転車での通勤は良いことなのですが、通勤途中に道路で転倒してしまったり、自動車との事故に巻き込まれたりする事故が増えています。

このとき、骨折などの怪我が起きやすいのですが、その中でも手指の骨折であるマレットフィンガーになってしまう方がいらっしゃいます。

マレットフィンガーとは、DIP関節を骨折する怪我のことを指します。DIPとは指先に一番近い関節のことであり、ここを骨折すると指が木槌のように曲がってしまいます。自分で自由にまっすぐに関節を伸ばすことが難しくなってしまうのです。

なお、マレットフィンガーは、従来スポーツ(バレーボールやバスケットボールなど)でなりやすいと言われる怪我です。

(2) マレットフィンガーの症状

マレットフィンガーには種類があり、どちらの種類かによって症状も異なります。

1つ目は、腱性マレットフィンガーです。これは、手指の筋肉を動かす腱が断裂するケースです。

この場合、指は曲がったままになってしまうため、骨折した指によっては生活に支障が出ますが、痛みはそれほどないといわれています。

もう1つが、骨性マレットフィンガーです。これは、関節内で剥離骨折が起こっている状態です。

骨性マレットフィンガーの場合は、腱性の場合と同様に、指が曲がらない影響で日常生活に支障が出ることが考えられます。また腱性の場合よりも、痛みが大きいといわれています。

指先は毎日使いますので、何かを捻ったり指で開けたりする際にも痛みや痺れが起きてしまいます。思ったように指が動かず、物を落としてしまったりすることもあるでしょう。

薬指のように、他の指と連動して動く性質のある指の場合は、他の指を動かそうとして痛みが出るなども考えられます。

腱性の場合は、自力で伸ばすことが不可能ですが、骨性の場合は、ある程度まで自分で指を伸ばすことができるようです。

(3) マレットフィンガーの治療法

腱性マレットフィンガーの場合は、道具を使って患部を固定して保存療法をするのが一般的です。場合によっては、指を伸ばして固定したり、腱を縫合したりすることもあります。

骨性マレットフィンガーの場合は手術による治療を行います。

どちらの場合でも、リハビリでは、指先の関節を自分で自由に動かせるようになることを目指します。曲げたり伸ばしたりの指の運動をすることによってリハビリを行うことが多いようです。

完全に治っていない段階で無理をすると、再度治療が必要になることがありますので、医師の指導のもと、リハビリを行うようにしてください。

2.マレットフィンガーの後遺障害認定

交通事故でマレットフィンガーになり、それが治らない場合は後遺障害等級認定を申請すべきです。

(1) 後遺障害認定について

後遺障害認定とは、交通事故の怪我が完治しない場合に当該怪我の症状を「後遺障害」として認定して、被害者に保障を行う制度です。

自賠責保険会社が定める制度であり、1級から14級まで、様々な症状や部位の後遺障害を規定しています。
1級が一番重い症状・怪我であり、等級の数字が下がるほど症状は軽くなります。これに応じて、保障額も少なくなっていきます。

交通事故の場合、怪我を負っても完治しない場合には、医師から症状固定と診断されます。この時期に、後遺障害等級認定の申請を行います。

後遺障害等級認定は、症状固定と診断された後に自動的に申請されるものではなく、任意保険会社が「事前認定」を行わない限り、被害者自身が申請しないことには保障を受け取ることができません。

知っておくべき後遺障害等級認定機関と認定手続

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(2) マレットフィンガーの等級

では、マレットフィンガーで後遺障害が残った場合は、どの等級を付与される可能性があるのでしょうか。

マレットフィンガーを含む手指の機能障害の場合は、10級7号、14級7号、14級9号を獲得できる可能性があります。

10級7号が一番重く、「片方の指の親指、または親指以外の2本を用廃」した場合に認められます。
マレットフィンガーの場合は、関節の可動域や回転可動域が1/2以下になった場合や、完全に感覚が失われた場合を指します。

14級7号の場合は、「片手の親指以外の指のDIP(指先の関節)を屈伸することができなくなった」場合です。親指以外の指先の関節を完全に動かせなくなった場合を指します。

これにも該当しない場合は、14級9号の「局部に神経症状を残すもの」として、痛みの症状につき後遺障害が認められる可能性があります。

後遺障害等級認定は完全なる書類審査のため、検査結果や後遺障害診断書に書かれている内容が非常に重要となります。

後遺障害診断書と後遺障害認定の関係とは?

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3.マレットフィンガーの後遺障害で受け取れる補償

交通事故でマレットフィンガーとなり、後遺障害認定を受けられた場合、後遺障害慰謝料と逸失利益を受け取ることができます。

(1) 後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことによって受けた精神的苦痛を補うために支払われる損害賠償金です。

後遺障害を被ることにより、生活に不便が生じたり、仕事もこれまで通りに従事できなくなってしまったりする可能性があります。
このような状況に陥ってしまったこと自体に精神的苦痛が伴うため、慰謝料として損害賠償請求が認められているのです。

後遺障害慰謝料は、等級ごとに受け取れる金額が定まっているのが特徴です。

例えば、マレットフィンガーの後遺障害の場合は14級と10級が獲得できる可能性があります。

弁護士基準の場合なら、14級で110万円、10級で550万円を受け取ることができますが、自賠責基準で算出すると14級で78万円、10級なら363万円もの減額となってしまいます。

以上から、できるだけ多く保障を受け取りたい場合には、弁護士基準での算定がおすすめです。

ただし、弁護士基準で算出するためには弁護士に依頼する必要があるため、この点は理解しておきましょう。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

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(2) 逸失利益

後遺障害等級認定で等級が獲得できると、後遺障害慰謝料だけでなく逸失利益も請求することができます。

逸失利益とは、後遺障害がなければ得られたであろう収入のことであり、後遺障害の影響で労働能力が低下することを前提に将来の収入を保障するものです。

後遺障害によって生涯収入が減少してしまう可能性が高いため、労働能力喪失率に応じた保障を付与しているのです。

逸失利益の計算方法は「事故前の基礎収入(年収)×労働能力喪失率×就労可能年数に対応するライプニッツ係数」となります。このうち、労働能力喪失率に関しては等級によって定まっているため、何等級を獲得できるかが非常に重要です。

特に、14級7号と14級9号では、等級そのものは同じであり、自賠責からは同じ金額が認定される可能性が高いですが、その後の交渉においては、14級9号の場合、実務上労働能力喪失期間が相当程度制限される傾向があります。

この様に、任意保険会社は労働能力喪失期間や、労働能力喪失率を低く捉えて損害賠償額を抑えようとするケースがあるため、交渉力の高い弁護士に依頼すべきと考えます。

[参考記事]

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4.交通事故による指の機能障害は弁護士にご相談を

交通事故でマレットフィンガーとなり、後遺障害が残ってしまった場合は、後遺障害等級認定を受けましょう。
等級が付与されると、損害賠償額は大幅に上がります。

後遺障害が認定されるか心配、請求方法に悩んでいるという方は、一度弁護士にご相談ください。適正額の保障を受け取れるよう後遺障害等級申請をサポートいたします。

症状固定の時期になったら、後遺障害認定について、一度泉総合法律事務所の弁護士にご連絡いただければと思います。

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