後遺障害

後遺障害4級の慰謝料相場と逸失利益の算定

後遺障害4級の慰謝料相場と逸失利益の算定

交通事故によりケガをし、症状の改善する見込のなくなった状態(症状固定)においてもなお残存する症状については、各症状の内容・程度に応じて、後遺障害として認定される可能性があります。

交通事故により後遺障害が残ってしまった場合には、後遺障害による損害の賠償を請求することができます。これは、ケガによる損害の賠償とは別のものです。

今回は、交通事故により後遺障害4級を認定された場合の賠償について、解説します。

1.後遺障害4級の認められるケース

後遺障害4級の認定されるケースは以下のとおりです。

  • 両眼の視力が06以下になったもの
  • 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  • 両耳の聴力を全く失ったもの
  • 一上肢をひじ関節以上で失ったもの
  • 一下肢をひざ関節以上で失ったもの
  • 両手の手指の全部の用を廃したもの
  • 両足をリスフラン関節以上で失ったもの

2.後遺障害4級の慰謝料相場

(1) 傷害慰謝料とは別の後遺障害慰謝料

交通事故によりケガを負ったら、精神的苦痛を慰謝するために傷害慰謝料を請求することができます。

後遺障害が残存した場合、これとは別に「後遺障害慰謝料」も請求することができます。

後遺障害慰謝料は、交通事故により後遺障害の残ったことの精神的苦痛を慰謝するための賠償金で、傷害慰謝料とは異なる内容の賠償金なのです。

(2) 後遺障害4級の慰謝料相場

後遺障害4級の慰謝料相場は、①裁判所基準=1670万円、②任意保険基準=800万円、③自賠責保険基準=712万円です。

後遺障害慰謝料は、原則として、認定された後遺障害の等級に応じて、その金額の相場は決まっています。

また、傷害慰謝料同様、後遺障害慰謝料の算定基準には、①裁判所の基準、②任意保険会社の基準、③自賠責保険会社の基準の3種類あり、その金額は、基本的に、裁判所基準>任意保険基準>自賠責保険基準の順で高額になっています。

裁判所基準で慰謝料を算出する場合には、弁護士に保険会社との交渉を依頼するのが必要不可欠です。

また、被害者にも過失割合の認められる交通事故の場合には、最終的には、慰謝料相場の金額に被害者の過失割合を乗じた金額を控除することになります。

3.後遺障害4級の逸失利益の算定方法

(1) 後遺障害による逸失利益の賠償

交通事故により後遺障害の残った場合、その後遺障害は、被害者の将来の仕事に悪影響を与えることになりますから、その影響を金銭的に評価した上、賠償してもらうことになります。これを後遺障害による逸失利益といいます。

逸失利益は、

①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数

により算定されます。

基礎収入は、原則として、被害者の事故前の収入を基準とします。しかし、学生、休職中の無職者、専業主婦などは、平均賃金を参考にして、基礎収入を認定します。

労働能力喪失率とは、認定された後遺障害により喪失する労働能力の程度です。これは原則として、後遺障害の等級に応じて〇〇%という形で目安が決められています。但し、後遺障害の具体的内容、被害者の職種に応じて、より細かく検討し、目安から増減させることがあります。

労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数とは、認定された後遺障害の労働能力に影響を及ぼす期間に応じた中間利息を控除するための係数のことです。

すなわち、逸失利益は、刻一刻と発生する将来の稼得に関する損害を事前に一括して賠償してもらうものであるため、その都度の賠償を受ける場合と比較して受領した金銭の運用利益分過剰に賠償してもらっているものと考えられるため、その利息分を控除しなければならないのです。

労働能力喪失期間は、原則として、症状固定日の年齢から労働可能年齢の67歳までの期間であるとされます。但し、むちうち症状による後遺障害の場合など、後遺障害の内容により、労働能力喪失期間は制限されることがあります。

(2) 後遺障害4級の逸失利益の算定

たとえば、年収600万円の50歳のサラリーマンの被害者について後遺障害4級の認定された場合の逸失利益の算定は以下のようになります。

600万円×92%(後遺障害4級の労働能力喪失率)×11.2741(労働能力喪失期間=67歳-50歳=17年に対応するライプニッツ係数)=約6223万円

また、事故当時15歳の男の子が交通事故の被害に遭い4級の後遺障害の残った場合の逸失利益は以下のように算定します。

まず、未成年者の逸失利益を算定する際の基礎収入については、将来、自立して得るであろう収入を基準に考えるところ、これは男女別の全年齢の平均賃金を基礎にします。

平成27年度の男女別の全年齢の平均賃金は489万2300円ですから、平成28年に症状固定を迎えた場合の15歳の男の子の逸失利益は、489万2300円×92%×15.695=約7064万円

このように、後遺障害による逸失利益は非常に高額になりやすいです。

4.その他の損害賠償

交通事故により後遺障害4級の認定された場合、後遺障害慰謝料の他にも様々な損害賠償を請求できます、

具体的には、治療費、入院雑費、入通院の付添費、通院交通費、休業補償、傷害慰謝料など、障害による損害の賠償はもちろん、後遺障害により介護が必要になってしまった場合、その介護のために生ずる費用(自宅のリフォーム代など)もあります。

しかし、このような介護費用やリフォーム代の請求できるのは、後遺障害によりその支出を余儀なくされたものに限定されます。

5.まとめ

このように、交通事故により後遺障害4級の認定を受けた場合には、傷害による賠償とは別に4級に応じた後遺障害慰謝料と逸失利益を請求できます。

後遺障害慰謝料の算定基準には、裁判所基準、任意保険基準、自賠責保険基準の3種類ありますが、任意保険会社は、過失割合や慰謝料などの賠償金額について、低額な任意保険基準以下の示談額を提示してきます。

また、被害者に不利な過失割合などを提示してくることもあるでしょう。

保険会社の提示する示談案の内容は、全て正しいとは言い切れません。保険会社の言いなりになったり、安易に示談書面にサインしたりすることは控えましょう。

後遺障害4級の認定された場合の損害賠償について保険会社と示談交渉する際には、正当な賠償金を受け取るためにも、交通事故に精通している弁護士に相談してください。

泉総合法律事務所の弁護士は。交通事故の解決実績が大変豊富です。初回の相談は無料となっておりますので、お近くの支店の弁護士にまずはご相談ください。

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