後遺障害 [公開日]2018年1月31日[更新日]2020年7月29日

後遺障害14級の慰謝料相場と逸失利益の計算方法

「後遺障害14級ってどんな後遺症なの?」、「後遺障害14級の慰謝料はいくらくらいなの?」、「逸失利益はどのように計算するの?」といった疑問は、多くの被害者の方がお持ちではないでしょうか。

ここでは、14級の後遺障害にはどのようなものがあるのか、後遺障害14級の慰謝料額はいくらか、逸失利益はどのように計算するのかといった点について解説していきます。

1.後遺障害14級とは

1級から14級まである後遺障害等級のうち、後遺障害14級は一番低い等級であり、認定数が最も多い等級です。
認定される後遺障害等級のうち、6割弱が14級を占めています。

【出典】「2019年度(2018年度統計)自動車保険の概況」損害保険料算出機構

後遺障害14級には、下表の通り1号から9号までが存在します。

 認定基準となる障害の程度
1号 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2号 3歯以上に対歯科補綴を加えたもの
3号 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6号 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7号 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
9号 局部に神経症状を残すもの

「局部に神経症状を残すもの」が認定基準となる後遺障害14級9号は、交通事故の後遺障害として痛みやしびれなどの症状が残存した際に、受傷状況や治療状況、各種検査結果を考慮したたうえで認定されます。

14級9号は、主にむち打ち症や腰椎捻挫などの後遺障害として認定されることが多いですが、骨折した箇所に残る痛みなどに対しても認定されることがあります。

神経症状以外には、5号、6号の「上下肢の露出面に手のひらほどの大きさの醜い痕を残すもの」や、2号の歯を骨折して「3歯以上に歯科補綴(差し歯やブリッジ等の治療)をしたもの」といった後遺障害が比較的多くみられます。

【後遺障害14級の認定を受けるメリット】
詳しくは後述しますが、後遺障害等級に認定されることで、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の請求が可能になります。これにより、被害者が受け取れる賠償金額は大きく上がるでしょう。
また、後遺障害等級認定の申請を事前認定(任意保険会社任せ)で行ったとしても、自賠責保険に被害者が直接請求することで、示談開始前であっても、後遺障害慰謝料や逸失利益の支払いを受けることができます(自賠責保険を上回る部分については、示談交渉で任意保険会社と交渉すればいいのです)。示談交渉が成立するまで示談金を受け取ることができない被害者にとって、メリットは大きいのではないでしょうか。
なお、後遺障害等級の認定を受けることによるデメリットは特にありません。
参考:「後遺障害認定のデメリット」にまつわる噂を検証!ホント?ウソ?

2.後遺障害14級の後遺障害慰謝料額相場

後遺障害慰謝料は、交通事故により生じた後遺障害が残ったことでもたらされた「精神的苦痛」に対する償い金です。

以下に示すのが、3つの基準における後遺障害14級で請求できる後遺障害慰謝料の相場です。

自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
32万円 40~50万円程度 110万円

自賠責基準は、全ドライバーに加入義務がある自賠責保険が支払う金額です。自賠責保険は、交通事故の被害者に対して最低限の補償をするための制度であり、3つの基準のうちでも最低額となります。

任意保険基準は、任意保険会社が被害者に提示する保険会社内部の基準です。自賠責基準と弁護士基準の中間に位置する基準です。

弁護士基準は、裁判例などをもとに弁護士団体が作成した裁判でも使用される唯一法的に妥当な基準です。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

交通事故の被害者は弁護士基準で慰謝料を請求すべきですが、現実はそう甘くはありません。
弁護士基準が採用されるには、被害者が弁護士に交渉を依頼する必要があるのです。

もし、慰謝料の交渉でお困りなら、弁護士に相談してみてください。

3.後遺障害14級の逸失利益の計算方法

後遺障害逸失利益とは、交通事故の後遺障害で労働能力が低減し、得られるはずであった利益が将来にわたって失われたことに対する補償です。

専業主婦のように収入を得ていなくても、家事労働に対する経済的評価について逸失利益を請求することが認められています。

後遺障害逸失利益の計算は、以下の計算式によって算出されます。

①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間=後遺障害逸失利益額

①基礎収入

基本的には事故前年度の収入を基礎収入とします。

②労働能力喪失率

本来であれば実際に仕事で生じた支障の程度をもとに個別に判断すべきもと言えますが、便宜上、各後遺障害等級に応じて割合的に労働能力喪失率が定められています。

後遺障害14級の労働能力喪失率は5%とされています。

③労働能力喪失期間

後遺障害は、一般的に改善されないものと考えられていますが、労働能力が喪失したとされる期間は、寿命や余命までの期間ではなく、原則としては、症状が固定した時から就労可能な年齢の終期とされる67歳までの期間となります。

しかし、むち打ち症などの痛みやしびれといった神経症状としての後遺障害である14級9号に相当する後遺障害の場合は、症状が消退していく可能性があることや、被害者側の就労における慣れなどの事情が考慮されて、労働能力喪失期間が5年を限度に制限されています。

 

たとえば、交渉において,年収500万円のAさんが、むち打ちで後遺障害14級9号に認定された場合の後遺障害逸失利益の最高額は次のように計算されます。

500万円×5%×4.580(労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数)=114万5,000円

[参考記事]

後遺障害・死亡事故の逸失利益の計算例|もらえない原因を解説

4.後遺障害等級の認定を受けるためにすべきこと

後遺障害等級は、自賠責保険に申請後、損害保険料率算出機構によって審査・認定作業が行われます。

では、適切な後遺障害等級の認定を受けるために、被害者ができることにはどんなことがあるのでしょうか?

(1) 通院日数・通院頻度に気を付ける

通院日数や通院頻度が少なければ、客観的に治療がそれほど必要なかったと判断されても仕方ありません。

例えば、むち打ち症で後遺障害等級14級9号の認定を受けたいのであれば、受傷後しばらくは週2から3回の通院をしたほうがいいでしょう。通院日数・頻度は、適正な入通院慰謝料を受け取るためにも重要です。

また、事故との因果関係を明らかにするために、事故後早めにMRIなどの検査を受診し、併せて神経学的検査を受けておくことも効果的です。

(2) 症状の一貫性・連続性を主張する

また、症状も大切な要素です。

14級に限らず、後遺障害等級の認定を受けるには、医学的に説明がつかなければなりません。
治療途中で被害者の症状が悪化したり、新たな症状が出たりした場合、医学的には説明がつかないことになります。

そこで、被害者はできるだけ、連続した一貫性のある症状を訴えるべきなのです。

(3) 交通事故に強い弁護士にサポートを依頼する

後遺障害24級の申請をする場合、後遺障害診断書の記載がとても重要な役割を果たします。後遺障害等級の審査は、醜状障害などの例外を除き,ほぼすべて書類審査だからです。

しかし、医師は後遺障害診断書作成のプロではありません。
そんな時こそ、交通事故に強い弁護士に、後遺障害診断書作成のアドバイスを受けましょう。

[参考記事]

むち打ちで後遺障害が認定されないケースと対処方法

(4) 認定結果に関する異議申し立ても可能

認定結果について不服がある場合には、何回でも自賠責保険に異議申し立てをすることができます。ただし,新たな医学的証拠が必要になります。

異議申し立てによって、後遺障害等級の認定結果が覆る可能性は決して高くはありません。

しかし、泉総合法律事務所では、異議申し立てによって非該当から14級の認定を受けることができた事例が数多く存在します。

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5.まとめ

自賠責基準、任意保険基準、裁判基準では、後遺障害慰謝料額には大きな差があります。
つまり、後遺障害14級に認定された方の多くは弁護士へ依頼をすることで、賠償金(示談金)の金額が増額される可能性がかなり高まると言えます。

泉総合法律事務所では、示談金の無料査定サービスを行っていますので、相手方損害保険会社から賠償金の提示を受けたら、まずは当事務所にご連絡ください。
最も高い基準である裁判基準に基づいた賠償金額をお伝えいたします。

賠償金の査定は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせていただけたらと思います。

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