後遺障害 [公開日]2018年6月21日[更新日]2020年11月6日

医師が後遺障害診断書を書いてくれない場合の対応策

交通事故による怪我の後遺症が残った場合、後遺障害慰謝料や逸失利益などの損害賠償を請求するには、後遺障害の存在を証明するための「後遺障害診断書」が必要です。
この後遺障害診断書は、治療を担当した医師が作成するものです。

しかし、ケースによっては医師が診断書の作成を拒否する・書いてくれない場合があるようです。

この場合、被害者は後遺障害認定の申請すらできない状況に陥り、途方に暮れてしまうことでしょう。

[参考記事]

後遺障害等級とは?認定機関による認定方法とその流れ

ここでは、医師が診断書を書いてくれないケースを解説し、その対応策についてもご説明します。

1.後遺障害診断書を書いてくれない理由

医師が後遺障害診断書の作成を拒否する場合、何かしらの理由があるはずです。

医師法19条は、医師は診断書の作成を求められた場合には原則として拒否できないと定めているからです。

では、それにも関わらず後遺障害診断書を書いてくれない理由には、どのようなものがあるのでしょうか?

(1) 症状固定の時期ではない

医師から「症状固定の時期ではないから後遺障害診断書は書けない」と言われた場合、それは通常正当な理由です。
医師が後遺障害診断書を書くことができるタイミングは、症状固定となった後だからです。

症状固定」とは、これ以上怪我の治療を継続しても、もう現状以上の回復が見込めない状態のことを指します。

つまり、医師がまだ症状固定の時期ではないと判断している間は、事故による怪我は治療によって回復する可能性があるということですから、通院を続け治療を継続すべきでしょう。

医師の判断に基づき症状固定をした後に、医師に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。

(2) 治療経過を診ていない

後遺障害診断書を作成してもらう医師は、交通事故による怪我を検査・診察し治療を施した医師でなければなりません。

たとえば、事故直後に一度だけ診察を受けその後は通院していない病院の医師や、一度も受診していない医師に後遺障害診断書を書いてほしいと依頼しても、ほぼ間違いなく断られます。治療経過を知らない患者の診断書は書けないからです。

後遺障害診断書には、後遺障害に該当する症状の有無や検査結果、自覚症状の有無、症状固定日などを記載する必要があります。

ですから、診断書の作成を依頼する医師には、一定期間通院して経過を診てもらわなければなりません。

特に気を付けたいのが、整骨院・接骨院など病院以外の施術院に通院するだけでは診断書が入手できないことです。

診断書は病院の「医師」しか作成できませんから、後遺障害診断書を医師に書いてもらうには、ある程度の期間、病院での治療を続けることが不可欠です。

なお、治療途中で転院するような場合にも、転院前の病院のカルテや検査結果、診断の情報などを転院先に引き継いでもらうようにすることも忘れないでください。

通院先の病院選びや転院について、詳しくは以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

交通事故の怪我は何科へ行くべき?人身事故の病院の選び方

(3) 後遺障害の存在が認められない

一定期間通院し治療を続けた結果として、医師が「後遺障害とは認められない」と診断する場合があります。

後遺障害と診断されるには、身体および精神的症状の改善が見込めないことによって労働能力を喪失する状態でなければなりません。

身体や精神に何らかの症状が残ってしまったような場合でも、「後遺症」は残っていても「後遺障害」には該当しない、という場合が有り得るのです。

後遺症と後遺障害の違いとは?|弁護士が分かりやすく解説

[参考記事]

後遺症と後遺障害の違いとは?|弁護士が分かりやすく解説

しかし、必ずしも医師の判断だけで後遺障害に認定されないと諦めてしまう必要はありません。

後遺障害等級に該当するか否かの認定を行うのは、あくまで第三者機関である損害保険料率算出機構に属する自賠責調査事務所というところです。

また、医師によっては、後遺障害診断書を書いた経験がなかったり、少なかったりする場合もあります。
後遺障害診断書の書き方がよく分からない場合や、分からないことをはっきり言えず別の理由でごまかすようなこともあり得ます。

担当医師が診断書を書かない理由に後遺障害に該当しないことを主張する場合には、自賠責における後遺障害への判断基準を医師が正しく理解しているのかを確認する必要があります。

その際の説明には専門的な要素が多くなりますので、診断結果の妥当性も含め、交通事故に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

【後遺障害が残ったことを認めたくない医師がいる?】
医師によっては、患者に後遺障害が残ったことを診断書に書きたくないと考える場合があるようです。後遺診断書を請求されたことで、担当患者の症状が残ったことへの責任を追及されていると感じたり、自身の医師としての評価が下がると考えたりして、後遺障害診断書の作成を拒むのです。
しかし、このような対応は医師としての正当な理由によるものではありません。後遺障害認定のためには診断書を書いてもらわなければなりませんから、医師を責めているのではないことを丁寧に伝えることが必要です。
また、残存する症状に対応した適正な診断書を書いてもらうことで、事故によって負った怪我への損害賠償請求が可能になることを真摯に説明し、後遺障害認定を受けることへの協力を仰ぎましょう。困った場合は交通事故に詳しい弁護士へご相談ください。

2.後遺障害診断書作成を拒否された場合の対応

先述の通り、医師は診断書の作成を求められた場合には原則として拒否できないと定められています。

通常、レントゲン画像等によって後遺障害の他覚所見を確認できる場合には、診断書の作成を拒否することはできません。

また、たとえ他覚所見がない場合であっても、被害者本人が痛みやしびれなどの自覚症状を通院のたびに継続的に医師に伝えている場合には、医師には後遺障害診断書の作成義務が生じます。

しかし、MRIなどに映らないむち打ちのように、医学的他覚所見がないケースで自覚症状を医師に伝えていない場合には、医師は診断書の作成を拒否できる可能性があります。

これは患者にとっては不利な状況ではありますが、自覚症状がある以上、治療を継続するなどして医師に症状をきちんと伝えましょう。

それでも医師が拒否する場合には、その理由を聞いてきちんと把握し、保険会社に相談したり、転院したりするなどの対応策を講じる必要があります。

それでも解決しない、または専門的な内容がよくわからないといった場合には、交通事故に詳しい弁護士に相談して早めに対応を考えましょう。

3.後遺障害等級認定に関するご相談は弁護士へ

交通事故の被害者となり後遺障害が残った場合には、適正な後遺障害等級を認定してもらわなければなりません。

後遺障害診断書は、後遺障害認定の可否や等級を決定する大切な書類です。
ですから、その診断書を書いてもらう担当の医師には、良好な関係の下で協力してもらう必要があります。

また、後遺障害診断書はただ作成してもらえばよいというものでもなく,どのような内容を記載してもらうかという点も重要です。

後遺障害診断書の作成でお困りの方は、泉総合法律事務所にご相談いただければ、交通事故問題に特化した弁護士が責任をもってサポートさせていただきます。

後遺障害診断書の作成がスムーズに行われるように弁護士が細やかに関与することで、正しい後遺障害等級が認定されることにもつながります。

交通事故、特に後遺障害認定でお困りの方は、ぜひ一度泉総合法律事務所にご連絡ください。

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