後遺障害

交通事故で骨折。後遺障害の等級は?慰謝料の相場はどのくらいか

骨折

【この記事を読んでわかる事】

  • 骨折には様々な種類があり、後遺障害等級もそれぞれ異なる
  • 事故後はできるだけ早く病院で検査を受けることが大切
  • 適切な後遺障害慰謝料を得るためには弁護士基準で計算すること

交通事故の被害で多い怪我といえば、骨折です。

骨折と一言でいっても、骨にひびが入ったという軽度なものから、後遺症まで残してしまう重い骨折までさまざまです。

怪我の程度だけでなく、どのような骨折の種類であるのかということは、慰謝料の額にも反映されます。

そこで、今回は、交通事故と骨折について解説します。また、骨折による後遺障害等級の目安や慰謝料増額のポイントもお伝えします。

1.骨折の種類と治療法

まずは、骨折の種類と治療法、そして交通事故で起きやすい骨折の部位についてご説明します。

(1) 骨折の種類と治療法

骨折とは、強い力により骨が部分的・完全に折れてしまう状態のことをいいますが、5つの状態があります。

具体的には、単純骨折、複雑骨折、剥離骨折、圧迫骨折、粉砕骨折です。

以下、それぞれ説明します。

①単純骨折

体内で骨折してしまっている状態を指し、閉鎖性骨折と呼ばれることもあります。

治療としては、ギブスによる固定が多く行われています。

②複雑骨折

単純骨折と同様に骨が折れてしまうのですが、折れた骨が体内から体外へ露出した状態を指します。

病院では、開放性骨折と診断されることもあります。

治療としては、止血と傷に対する処置、ギブスや石膏、手術にて骨を固定する処置等が行われます。

③剥離骨折

強い力で腱・筋肉が引っ張られることにより、骨の接合部が離れてしまう状態のことを指します。

自分で骨折部位を動かすこともできるため、そのまま放置してしまう方もいます。

治療方法としては、ギブスによる固定や薬物による治療があります。

④圧迫骨折

外からの力が加えられたことだけでなく、椎骨が弱ってしまったために脊椎を押しつぶしてしまった状態を指します。

軽く転んだだけで折れてしまったというケースもあります。

病院では、脊椎椎体骨折と呼ばれることもあり、治療方法としては、コルセット等による固定が行われることが多いようです。

⑤粉砕骨折

強い衝撃により、骨に多くの亀裂が発生してしまい、粉々に骨折してしまった状態を指します。

骨折の種類の中でも、もっとも重い症状です。

治療では、複数回の手術、ギブス、副木が行われ、鍼灸治療等によるリハビリも行われます。

(2) 骨折しやすい部位

では、交通事故において骨折しやすい部位はどこなのでしょうか。

特に多いのが、鎖骨、腕、肘、大腿骨、足の関節といわれています。

鎖骨は、衝撃に弱い骨であり、肩周りの骨折の多くは鎖骨です。

腕や肘は、歩行中に交通事故に遭った場合に多く、車との接触で転倒することにより骨折することが多いといわれています。

大腿骨も同様に強い衝撃が加えられたことにより骨折してしまいやすい場所です。足の関節も転倒してしまうときにズレが生じてしまうことや、同時に靭帯を損傷することもあります。

病院では、鎖骨骨折、上腕骨近位端骨折・上腕骨骨幹部骨折、肘頭骨折、大腿骨幹部骨折、足関節骨折というような診断をうけることが多いでしょう。

2.骨折後の後遺症

次に、骨折後の後遺症について解説いたします。症状ごとの障害別等級についてもご説明したいと思います。

(1) 後遺障害等級とは

「交通事故による骨折後に後遺症が残ってしまった」という場合は、後遺障害等級の認定を受ける必要があります。

後遺障害認定とは、自賠責が定める後遺障害にあたる場合に、等級に基づく認定を受けることを指します。

怪我の慰謝料とは別に後遺障害による慰謝料を請求するために必要なものです。

一般的に言われている後遺症は、怪我などにより治療後もなんらかの症状が残ってしまった状態を指します。

他方、後遺障害は、このうち医学的証明、労働能力の喪失があり、自賠責の等級に該当するものを指します。

後遺障害認定における等級は、1級から14級まであり、要介護に関する規定と合わせると全部で16段階の等級があります。

後遺障害認定をうけるためには、自賠責に対し認定申請をしなければいけません。

このように、後遺障害認定とは、自賠責における認定のことを指します。一般的にいわれている後遺症とは異なりますので、この点を理解しておきましょう。

(2) 骨折の障害別等級

次に、交通事故の骨折における障害別等級をご説明します。

後遺障害認定において後遺障害は、5つの障害にわけることができます。これは骨折においても同じです。

5つの障害では、それぞれ等級がいくつか定められており、障害の重さによって等級が変化していきます。

以下で、この5つの障害についてみていきましょう。

①機能障害

まずは、機能障害からです。骨折における機能障害とは、上肢あるいは下肢の関節が用廃している状態、可動域に制限が出ている状態を指します。

簡単にいうと、身体のどこかの骨が骨折してしまい、治療後も運動機能に障害が出ているような状態、関節をしっかり曲げられなくなった状態です。

この骨折による機能障害については、症状の重さに応じて主に1級、5級、6級、8級、10級、12級の等級認定を受けることができます。

②神経障害

神経障害は、骨折後に骨折した場所に痛みが生じたり、感覚障害が残ってしまった状態を指します。

治療後も、骨折部分が頻繁に痛む、動かすたびに痛い、触れた感覚が弱いなどの状態です。

神経障害では、主に12級、14級の級認定をうけることができます。

関節そのものに異常はないものの、外形上の損傷が画像で確認できる場合は12級、外形上損傷していることが画像で確認できない場合は14級となります。

③欠損障害

欠損障害は、骨折後に上肢や下肢の一部、あるいは全部を失った状態を指します。

骨折後に、足や腕を切断しなければいけなくなった場合などが具体例となります。

欠損障害では、主に1級、2級、4級、5級、7級の等級認定を受けることができます。

等級については、どこの部位をどれくらいなくしてしまったかによって、変わります。

例えば、両足の膝関節異常で失ってしまった場合には、1級の等級認定ですが、両手の手指を全部失った場合は、3級の認定となります。

④短縮障害

短縮障害とは、骨折後に足の長さが短くなってしまった状態を指します。

骨盤の下部から足首の長さを測り、骨折していない足と比較することで短縮があるかを判断します。

短縮障害では、8級、10級、13級などが認定されますが、8級では5cm以上の短縮、10級では3cm以上の短縮、13級では1cm以上の短縮が認定されなければいけません。

⑤変形障害

最後に、変形障害についてです。変形障害とは、骨折後に身体の関節などに変形を残してしまった状態を指します。

偽関節や長管骨に癒合不全がある状態です。交通事故の衝撃により、頸椎や腰椎などが骨折し変形が残ってしまうことが代表例です。

変形障害については、主に7級、8級、12級の等級認定があります。

例えば、7級では脚の変形障害で硬性器具が常に必要になってしまった状態を指します。12級では、長管骨に変形を残す場合です。

このように、交通事故で骨折していまい、後遺障害が残ってしまった場合は、5つの障害に分類されます。この分類からそれぞれの症状・障害の重さ等から等級認定が行われることになるのです。

3.慰謝料の相場

次に、交通事故で骨折してしまった場合の慰謝料について解説します。

慰謝料といっても、実は1つの項目ではありません。通院慰謝料と後遺障害慰謝料にわけることができ、両方を加害者に請求することができます。

以下では、それぞれを分けてご説明いたします。

(1) 入通院慰謝料

では、入通院慰謝料とはどのようなものなのでしょうか。

入通院慰謝料とは、怪我をしたことでかかった治療費とは別に怪我をして入通院をしなければならなくなった精神的苦痛に対する償い金のことです。

入通院慰謝料については、相場があり、計算方法としては自賠責基準、任意保険会社基準、裁判基準(弁護士基準)の3つあります。

このうちでも1つの基準となるのが自賠責基準ですので、自賠責の計算方法についてご紹介したいと思います。

自賠責における入通院慰謝料の計算方法は、「4200円×治療期間」あるいは「4200円×実通院日数×2」のどちらかになります。

治療期間については、自己発生日から症状固定か完治した日までの日数を指します。

また、実通院日数とは、入院した日数と通院した日数を合わせた日数となります。

治療期間と実通院日数×2のどちらか少ない日数と4200円を掛け合わせて出た数字が、自賠責における入通院慰謝料の額となります。

このように、入通院慰謝料については自分で計算すれば簡単に知ることができます。

もっとも、これは自賠責基準における計算方法ですので、違う基準を用いた場合には、額も変わります。

自賠責基準が一番慰謝料額の少ない基準であると認識しておいてください。

(2) 後遺障害慰謝料

次に、後遺障害慰謝料についてご説明します。

後遺障害慰謝料とは、後遺障害認定を受けたことにより支払われる慰謝料のことを指します。

先ほどご説明した通り、後遺障害認定は自分で申請しなければいけません。

症状固定後に申請することで等級認定を受け、その等級に応じた慰謝料額が支払われることになります。

交通事故で後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害認定をうけることで、慰謝料額を増額させることができます。

後遺障害認定では、等級によって慰謝料の金額が定められています。

後遺障害は、5つの症状・障害にわけることができるとお伝えしましたが、機能障害、神経障害、欠損障害、短縮障害、変形障害、それぞれ等級によって額が異なります。

例えば、機能障害の場合、1級なら1300万円、12級なら100万円です。

神経障害の場合は、12級なら100 万円となりますが、14級の場合は40万円と規定されています。

欠損障害の場合は、1級で1300万円、7級で500万円です。短縮障害の場合、8級400万円、13級で60万円となります。

変形障害では、7級で500万円、12級で100万円です。

また、後遺障害等級認定を受けた場合は逸失利益を請求することも可能です。

逸失利益とは事故がなければ得られたであろう収入を請求するものです。

事故の影響で働くことができなくなった、働ける職種に制限が出た場合は、将来の収入が減ってしまいます。

このような損害に対しても、加害者に請求することができるのです。

逸失利益の計算方法は、「基礎収入×後遺障害による労働能力の喪失率×ライプニッツ係数」によって算出するのが一般的です。

労働能力の喪失率には労働能力喪失率表を、ラプニッツ係数については中間利息の利率を用います。

このように、後遺障害認定を受けることで、入通院慰謝料のほかにも慰謝料を請求することが可能です。

逸失利益も請求できるため、後遺症が残ってしまったと思う場合は、きちんと認定を受けることが大切です。

【参考】後遺障害・死亡事故で請求できる逸失利益の具体例と計算方法を解説

4.骨折で慰謝料を多くもらうためのポイントとは?

交通事故によって骨折してしまった場合、慰謝料を多く獲得するためにいくつかポイントを押さえておきましょう。

まず、事故直後にCTやMRI検査を受けましょう。

レントゲンだけで済ませるケースが多いですが、最初に骨折の状態をしっかり確認することで、のちに後遺症である痛みや感覚障害などの原因が明らかになります。事故後すぐにCTやMRI検査を受けるようにしてください。

また、必要に応じて、神経伝達速度検査・筋電図検査も受けてください。

次に、医師に診断書を作成してもらってください。

後遺症になりえる事情についてもきちんと記載してもらうことがポイントです。

事故による怪我の状態だけでなく、初期段階から考えられる後遺症についても記述をしてもらうことで、のちに後遺症が出た場合に事故との因果関係を証明しやすくなります。

そして、できるだけ早い段階で弁護士に相談することです。

先に、慰謝料を計算する方法に用いられる基準には3つあるとご説明しました。このうち弁護士基準がもっとも高額な基準となっています。

そのため、慰謝料を大幅にアップさせるためには弁護士に相談することが不可欠なのです。慰謝料額では、数十万単位でアップすることもあります。

また、後遺障害認定の等級についても不満があるケースがあるでしょう。等級が下がってしまうと、慰謝料額に大きく影響するため、正確な法律・医学知識に基づき、申請資料を揃える必要があります。

専門的知識を使って、希望の後遺障害認定等級を得るためにも、弁護士に相談・依頼することにはメリットがあると思います。

【参考】慰謝料が2倍、3倍、1000万円差!?弁護士基準と任意保険基準は大違い

5.交通事故で骨折被害は弁護士にご相談を

交通事故の被害に遭った場合、治療費がかかるだけでなく、肉体的にも精神的にも大きな負担を背負うことになります。

そして、この負担をきちんと加害者に請求することで、少し負担を減らすことができるはずです

骨折の場合は、完治しないこともあり、症状固定となって後遺症が残ってしまうことも多くあります。

後遺症が出てしまった場合には、しっかりと後遺障害認定をうけることで正当な慰謝料を受け取りましょう。

弁護士にご相談いただければ、弁護士基準で慰謝料額の見積もりを行いますので、慰謝料の大幅アップも期待できます。

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