後遺障害 [公開日]2020年4月14日

指が曲がらない後遺障害の等級認定・慰謝料等

交通事故被害に遭い、指が曲がらなくなってしまった場合は後遺障害等級認定を受けるべきです。

等級が付与されると、後遺障害に関する補償を受け取ることができます。
後遺障害に関する補償は入通院慰謝料等傷害部分に関する人身損害に比べて金額的に大きいため、最終的な損害賠償額も大きく膨らむ可能性があります。

今回は、指が曲がらない場合の後遺障害等級認定についてご説明します。

1.交通事故の後遺症と後遺障害認定

(1) 後遺障害認定について

交通事故で後遺症が残ってしまったら、後遺障害等級認定を受けましょう。

人身事故の場合、被害者は怪我の治療を受けなければならず、これには仕事を休業しなければならないなどの不利益も伴うため、入通院自体に精神的苦痛が発生します。

これは入通院慰謝料という形で補償されますが、治療しても完治しない場合には、被害者はその後も苦労をすることになります。
したがって、一定期間の給与の減少や精神的苦痛だけではなく、それが将来の人生にわたり続くことになるのですから、賠償責任としては傷害部分に関する損害とは別の考慮が必要となります。

この被害者への将来にわたる不利益を考慮した制度が後遺障害等級認定という自賠責上の制度です。
これは、交通事故で後遺障害が残った被害者に対し、最低限度の賠償を補償しています。

自賠責保険会社に申請し、損害保険料率算出機構で調査が行われ、後遺障害等級認定の基準に合致すれば1級から14級までのいずれかの等級を獲得できる可能性があります。

この等級を獲得することで、任意保険会社も後遺障害を認めることになるので、被害者は初めて後遺障害に対する補償を受け取ることができるのです。すなわち、等級を獲得できない非該当の場合には、後遺障害に関する補償を受けることはできません。

後遺障害を被ることになったら、将来の生活への影響も考えなければいけません。したがって、医師から症状固定と診断されたら、後遺障害に対する補償を受け取るためにも後遺障害等級認定の申請を行いましょう。

(2) 指が曲がらない場合の後遺障害認定

後遺障害等級認定では、さまざまな交通事故による後遺症を分類し等級に分けて規定します。

手指に関する障害についても規定しているため、後遺障害認定の規定する症状があれば等級を獲得することは可能です。

手指の場合は、欠損障害、機能障害、神経障害の症状が後遺障害として認定される可能性があります。

欠損障害とは、手指の一部または全てを失った状態を指します。
機能障害とは、手指の関節の一部が動かないなど、手指の機能の一部、全部が失われた状態です。運動などで起きがちなマレットフィンガーは、機能障害となります。
神経障害とは、手指を失ったことや骨折したことにより、痛みや痺れなどの症状が残る状態を指します。

[参考記事]

マレットフィンガーの後遺障害等級と慰謝料・逸失利益

【指の骨に関する医学用語】
手指の障害に関しては、専門用語で分類されることも多いため、指の骨に関する医学用語を覚えておきましょう。
まず、掌のことを中手骨といいます。指は指先の関節を末節骨、第一関節と第二関節の間を中節骨、指の根本の骨は基節骨です。
指の関節については、一番指先の関節をDIP関節(遠位指節間関)、その次に掌に近い関節をPIP関節(近位指節間関節)、掌と繋がる関節をMP関節(中手指節関節)と呼びます。親指の関節は指先からIP関節、MP関節となります。

2.指が曲がらない場合の等級は?

では、後遺障害認定において、指が曲がらない場合の等級はどれに当てはまるのでしょうか。
手指の障害の等級と、後遺障害慰謝料の額についてみていきましょう。

(1) 手指の障害の等級

手指の後遺障害に関しては、欠損障害、機能障害、神経障害の3つが補償の対象となるとお伝えしました。
以下、それぞれの障害別にどの等級が付与される可能性があるのかをみていきます。

まず、欠損障害の場合1、2、10級を除く全ての等級認定される可能性があります。
両手の全部の指を失った場合には、一番重い3級5号、親指以外の指骨の一部を失った場合で一番軽い14級6号となるでしょう。

次に、機能障害です。これが「指が曲がらない」ケースに当てはまります。
機能障害は、1、2、3、11級を除く全ての等級が認定される可能性があります。一番重い4級6号の場合は、「両手の手指の全部の用を廃したもの」であることが必要です。

「廃した」とは、指先関節の半分以上を失った場合、MPもしくは、PIP(親指はIP)に著しい機能障害を残す場合を指します。指の長さが半分以下になったり、同部分の感覚が麻痺してしまったりした場合も含みます。

一番軽い症状として14級7号がありますが、この等級では「おや指以外の手指のDIP関節を屈伸することができなくなった」場合に等級が付与されます。

神経障害の場合は、12級13号か14級9号が適用されます。レントゲンなどで原因が医学的に証明できる場合は12級、説明可能だが医学的に証明するまでには至らない場合は14級となります。

(2) 受け取れる後遺慰謝料・逸失利益

後遺障害等級認定で等級が付与されると、後遺障害慰謝料逸失利益が受け取れます。

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことに対する精神的苦痛に対する賠償金のことであり、逸失利益とは後遺障害がなければ将来得られたであろう収入を補償するものです。

どちらの補償も、等級に基づいて金額を定めます。

まず、後遺障害慰謝料の場合は、等級ごとに金額が定められており、以下のような表を参照して具体的な金額を算出します。

自賠責基準は、自賠責保険会社が規定する最低限受け取れると補償される金額であり、弁護士基準は被害者が弁護士に依頼した際に採用できる金額です。

機能障害で一番重い等級である4級の場合は、弁護士基準だと1670万円となっています。14級の場合でも、後遺障害慰謝料としては110万円を請求できます。。

逸失利益は、金額に基づく表があるわけではありませんが、算出するための式に労働能力減少率というものを用います。
これは等級ごとに定まっているため、等級が影響することになるのです。

このように、手指が曲がらない場合の後遺障害の場合は、大きな補償を受け取れる可能性があります。

3.指が曲がらない場合の後遺障害認定で知っておくべきこと

最後に、後遺障害を申請する前に知っておくべきことをご説明します。

(1) 申請内容によって等級が下がることもある

先のご紹介したように、指が曲がらない場合に認定される可能性のある等級はさまざまです。

指のどの部位が動かないのか、どの部位に骨折があるのか、などによって認定される等級は異なりますが、実際上は医学的な客観的資料にもよるといえます。

というのも、後遺障害認定等級の審査は、殆ど全て書類審査となっているためです。
ご自身が自覚している障害があったとしても、それが医学的に証明できない限り、当該等級を獲得することはできません。

したがって、後遺障害の等級を獲得するためには、適切な治療方針と申請準備が必要不可欠です。

「保険会社に任せておけば大丈夫」とお考えかもしれませんが、認定されるか微妙なケースの場合、そのために尽力してくれるわけではありません。任意保険会社も営利企業のため、できる限り損害賠償額は少なくしたいと考えているためです。被害者側に不都合な意見書等が同封されているかもしれません。

後遺障害の事前認定とは?被害者請求との違い、メリットなどを解説

[参考記事]

事前認定(加害者請求)とは?被害者請求との違い、メリットなど

不安な場合は、被害者請求を用いてご自身で資料の収集・申請を行うべきでしょう。

[参考記事]

被害者請求はどのように行うのか?開始の手順と準備するべき書類

(2) 弁護士に依頼すれば後遺慰謝料増額の可能性

弁護士は被害者の味方です。
弁護士に依頼すれば、適正な等級が獲得できるよう、治療方針が適切か、必要な検査を受けているか、提出資料に過不足がないかなどを専門的立場から確認することができます。

後遺障害認定では、後遺障害診断書を医師に書いてもらう必要がありますが、後遺障害の手続きに慣れていない医師の場合は書く内容に不足があるケースも多いです。この場合、弁護士が後遺障害診断書を確認することも可能です。

後遺障害診断書と後遺障害認定の関係とは?

[参考記事]

後遺障害診断書と後遺障害認定の関係とは?

過不足のない資料・書類を申請できることで希望等級獲得の可能性も飛躍的にアップします。

さらに、弁護士に依頼すると弁護士基準で後遺障害慰謝料を計算できるというメリットがあります。

簡単には先述しましたが、弁護士基準とは、裁判でも利用されている、被害者が受け取るべき適正な補償を算出できる慰謝料基準です。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

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4.指が曲がらない後遺障害認定の申請は弁護士にご相談を

交通事故で指が曲がらなくなってしまった場合は、後遺障害等級認定を受けるべきです。等級が認定されれば、適正な保障を受け取ることができます。

しかし、被害者だけで申請準備をすると、等級が下がってしまう、非該当となってしまうなどの不利益が出てしまうこともあります。

弁護士に依頼すれば、希望等級を獲得できる可能性が高くなるだけではなく、弁護士基準で慰謝料も増額できます。
後遺障害等級認定を申請する際は、弁護士にご相談いただくことをご検討ください。

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