過失割合

子どもの飛び出し事故

1.過失相殺の根拠

民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と定めており、これが過失相殺の根拠規定です。そして、その趣旨は、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意を斟酌することにあります。

そして、過失相殺における「過失」とは、「被害者の社会生活上の落ち度ないし不注意を含む被害者側の諸事情」を言います。

そこで、判例は、被害者に不注意があったというためには、事理弁識能力、つまり、物事の良し悪しを判断できる能力が必要であると判断しており、一般的には、7歳くらいになれば、この事理弁識能力を備えていると考えられています。

2.事理弁識能力がない子どもの過失相殺

では、たとえば6歳未満の幼児が被害者になった場合は、過失相殺の余地は全くないのでしょうか。

結論は、そうではありません。被害者である幼児自身に過失がない場合でも、「被害者と身分上ないし生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失」がある場合には、当該過失は、「被害者側の過失」として、過失相殺の対象になります。

これには、監督義務者である父母や、配偶者・内縁配偶者、雇用関係にある被用者の過失などがこれにあたりますが、保母や子守を頼まれた近所の主婦などの過失は、含まれません。

たとえば、道の向こう側にいた父母の合図で、3歳の幼児が道路を横断したところ、道路を直進した自動車と衝突したという交通事故の場合、3歳の幼児自身には事理弁識能力がありませんが、その父母には、道路の状況を適切に確認せずに合図を出したという過失があるので、当該過失を過失相殺の対象にするという考えです。

よって、事理弁識能力がない子供が事故に遭った場合、当該事故に遭った子供自身以外にも、その子供のそばにいて面倒を見ていた家族などの行動が過失相殺の場面で問題になることがあります。

3.事理弁識能力がある子どもの過失相殺

被害者側に過失(不注意または落ち度)があった場合に、過失相殺をするかどうか、するとしてどの程度相殺するかは、最終的には個々の裁判官の自由な裁量により定められますが、交通損害賠償訴訟に携わる弁護士、裁判官などは、評価の目安として、1970年前後に過失相殺率の認定基準を公表し、順次改定を行っています。

現在でも、弁護士、裁判官などは、基本的に上記過失相殺率の認定基準(別冊判例タイムズ38号。以下、「判タ38号」といいます。)に基づき、過失割合について協議・判断をしています。

そして、判タ38号は、様々な類型の交通事故の過失割合を定めていますが、歩行者と四輪車・単車との間の事故の場合、歩行者が児童であるときは5~10%、幼児であるときは10~20%、歩行者の過失が減少すると定めています。

つまり、歩行者が児童または幼児である場合、その分自動車の過失が増加するのです。

これは、車両を運転する者において、幼児、児童、高齢者などの社会的に保護すべき者が車の接近に気づかず横断を開始したりすることがあり得ることを認識・予見して運転するべきとの考え方に基づきます。

4.まとめ

  •  過失相殺の根拠は、損害の公平な分担
  • そのため、過失相殺の対象になるには、被害者である子供に事理弁識能力が必要。
  •  子供自身に事理弁識能力がなくとも、「被害者側」に過失があった場合、当該過失が過失相殺の対象になる
  •  子供に事理弁識能力がある場合でも、大人と比べて、過失割合は小さくなる。

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