過失割合 [公開日]2020年10月8日

側面衝突交通事故!車同士で横から突っ込まれた場合の過失割合

「車を運転していたところ、別の車が思わぬ挙動をし、いきなり横から突っ込まれてしまう」という不運な交通事故のケースがあります。

交通事故では、両当事者間の「過失割合」がどうなるかが、損害賠償(保険金)の金額を決定するうえで非常に重要です。

上記のような側面衝突のケースでは、交通事故の過失割合はどのように決まるのでしょうか。

実際の過失割合はケースバイケースの判断となりますが、交通事故のパターンによって、過失割合についての実務上の目安が定められています。

この記事では、別の車に横から突っ込まれた場合の過失割合の目安について、交通事故のパターンごとに詳しく解説します。

1.過失割合とは?

交通事故では、赤信号で停止していたら突然後ろから追突されるなど、明らかにどちらか一方に100%責任があるようなケースも存在します。

しかし、必ずしもこのようなケースばかりではなく、ある程度「お互い様」の部分がある交通事故の方が多数です。

特に側面衝突のケースでは、当事者の双方に何らかの注意義務違反があったと認められることが多いという特徴があります。

当事者の両方に一定の責任があるケースでは、交通事故によって発生した損害を、両者の責任の程度によって分配しようという考え方が取られています。
これを「過失相殺」といいます(民法722条2項)。

たとえば、交通事故によって被害者側に1000万円相当の損害が発生したとします。

このとき、加害者と被害者の過失割合が100:0であれば、被害者は加害者に対して1000万円全額の損害賠償を請求できます。

これに対して、たとえば加害者と被害者の過失割合が80:20である場合には、過失相殺の考え方により、被害者は損害の8割である800万円を、加害者に対して請求できるにとどまるのです。

側面衝突の交通事故の場合でも、この過失相殺の考え方が反映されて、最終的な損害賠償の金額が決定されることになります。

交通事故における過失相殺について|損害賠償に大きな影響

[参考記事]

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2.交差点での側面衝突の過失割合

ここからは、側面衝突の交通事故のケースにおける具体的な過失割合を、事故のパターンごとに解説します。

まずは、交差点での側面衝突事故のケースを見ていきましょう。

(1) 交差する道路の直進車同士の事故の場合

自分の車が道路を直進していたところ、交差する車線を直進走行する車が停止せず、そのまま自分の車の側面に突っ込んできたケースです。

この場合、信号機のある・なしによって過失割合の考え方が変化します。

信号機のある交差点の場合

信号機のある交差点の側面衝突事故では、信号無視をした側に100%の過失が認められます。

ただし、信号の変わり目に起きた事故の場合は、具体的な状況を勘案して、被害者側にも一部過失が認められる可能性もあります。

信号機のない交差点の場合

一方、信号機のない交差点での側面衝突事故のケースでは、過失割合はケースバイケースで判断しなければなりません。

さまざまなパターンがありますが、いくつかの具体例を見ていきましょう。

①両道路が同幅員の場合

交差する道路が互いに同じくらいの幅員である場合には、基本的には両道路間に優先・劣後関係はありません。

しかし、道路交通法においては、左方から進行してくる車を優先する原則(左方優先)が定められています(道路交通法36条1項1号)。
そのため、過失割合は若干傾斜配分となり、左方車が40%、右方車が60%とされています。

②どちらかの道路が明らかに広い場合

交差する道路のうち、一方が他方よりも明らかに広い場合には、広い道路を走行する車が優先されます(道路交通法36条2項、3項)。

なお「明らかに広い」とは、車両運転者が交差点入り口においてその判断により道路の幅員が客観的にかなり広いとして一見して見分けられるものをいいます。たとえば一方の道路が他方よりも2倍程度広ければ、該当すると思われます。

ただし、広い道路を走行する側にも安全確認などの義務や、交差点進入時の徐行義務があることを考慮して、過失割合は広い側30%、狭い側70%とされています。

③どちらかの道路が優先道路である場合

交差する道路のうち、どちらか一方が優先道路の場合は、優先道路を走行する車が優先されます。

優先道路を走行中の車には、交差点進入時の徐行義務はありません。

ただし、交差点進入時に他の車両等や歩行者に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行すべき義務が課されています(道路交通法36条4項)。

上記の点を考慮して、過失割合は優先道路走行車10%、相手方90%とされています。

④どちらかの道路に一時停止規制が課されている場合

一時停止規制が敷かれている道路を走行する車は、停止線の直前で一時停止したうえで、交差する道路を走行する車の進行を妨げてはならないことが定められています(道路交通法43条)。

ただし、一時停止規制がかかっていない道路を走行する車にも、交差点進入時の徐行義務が定められています(道路交通法42条1項)。

これらの点を考慮して、過失割合は一時停止側80%、そうでない側20%とされています。

(2) 対向車線の右折車・直進車間の事故の場合

自分の車が交差点を直進で通過しようとしたところ、対向車が同じタイミングで右折をしてきて、側面から衝突されたようなケースです。

この場合、過失割合を決定するためのポイントとなるのが「直進・左折優先」の原則です。

道路交通法37条において、車が右折するときは、直進車・左折車の進行を妨害してはならないことが定められています。

したがって、右折車と直進車の側面衝突事故では、右折車の責任が大きいといえるでしょう。

ただし、直進車の側にも、交差点内をできる限り安全な速度と方法で進行する義務があります(道路交通法36条4項)。

上記の各点を考慮して、過失割合は右折車80%、直進車20%とされています。

(3) 交差する道路の右折車・直進車間の事故の場合

自分の車が右折をしようとしていたところ、交差する道路を直進していた車が横から突っ込んできたようなケースです。

いくつかの具体的なパターンを見ていきましょう。

①どちらかが信号無視をした場合

信号無視をした側に100%の過失が認められます。

②右折車が優先道路に出る際の事故の場合

直進車同士の事故と同様に、過失割合は優先道路走行車10%、相手方90%となります。

③直進車の走行する道路に一時停止規制が敷かれている場合

前述のとおり、一時停止規制が敷かれている道路を走行する車は、停止線の直前で一時停止したうえで、交差する道路を走行する車の進行を妨げてはなりません。

したがって、直進車といえども、一時停止規制が敷かれている車線を走行している側の責任が大きいといえます。

ただし、右折車の側にも、交差点を通行する他の車両等に対する注意義務が課されています。

特に右折の場合には、直進車や左折車の進行に十分注意しなければなりません。

上記の点を考慮して、過失割合は直進車(一時停止規制あり)70%、右折車30%とされています。

3.車線変更時の側面衝突の過失割合

次は、同一の進行方向へ進行する車が、車線変更をしながら自分の車の前に割り込もうとして、その結果として横から突っ込んできたケースの過失割合を解説します。

(1) 原則

道路交通法26条の2第1項では、「車両は、みだりにその進路を変更してはならない」と定められています。

また、後続直進車(車線変更された側)の速度や方向を急に変更させることとなるおそれがある場合には、進路変更は禁止されます(同条2項)。

したがって、車線変更時の側面衝突については、車線変更した側の責任が大きいといえます。

ただし、車線変更の合図などから、車線変更が行われることを予測可能と考えられるため、後続直進車(車線変更された側)にも前方不注意などの注意義務違反が認められます。

上記の点を考慮して、過失割合は車線変更した側70%、後続直進車(車線変更された側)30%とされています。

(2) 後続直進車(自分の車)がゼブラゾーンを走行していた場合

交差点付近から右折車線が分岐する場所では、右折車線の手前部分に縞模様が描かれた道路が存在するケースがあります。
このような縞模様の部分を「ゼブラゾーン」、あるいは「導流帯」といいます。

ゼブラゾーン(導流帯)には、一般的にはみだりに進入すべきでないと考えられています。

そのため、後続直進車がゼブラゾーン(導流帯)を進行している際に、車線変更による側面衝突が起こった場合、後続直進車(車線変更された側)の過失が上乗せされる可能性があります。

この場合、過失割合は車線変更した側60~70%、後続直進車(車線変更された側)40~50%程度となるようです。

4.道路外出入車・直進車間の側面衝突の過失割合

自分の車が、駐車場などの道路外から道路へと復帰しようとした際に、道路を走行中の車が横から突っ込んできたケースです。

道路交通法25条の2第1項は、歩行者または他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外と道路の間を出入りしてはならないことを定めています。

したがって、このケースでは道路外出入車の責任が大きいといえます。

ただし、直進車にも前方不注意などの一定の過失が認められるため、過失割合は道路外出入車80%、直進車20%とされています。

5.側面衝突の交通事故に巻き込まれたら弁護士にご相談ください

別の車が横から突っ込んできてケガをしたり、車が大破したりしてしまった場合には、お早めに弁護士にご相談ください。

交通事故における損害賠償(保険金)の金額を決定するにあたっては、過失割合がどのように認定されるかが非常に重要です。

この記事でも解説したとおり、事故のパターンごとに過失割合の目安が定められています。
しかし、実際の過失割合は、交通事故の具体的状況における要素を総合的に考慮して、ケースバイケースで判断されます。

そのため、弁護士と協力してきちんと事故情報についての証拠を集め、被害者側の責任を否定する方向の事実を積み上げることによって、より多くの損害賠償金を獲得できる可能性が高まります。

交通事故は初動の対応が肝心ですので、一刻も早く弁護士に相談をして、適切な損害賠償(保険金)の請求を行いましょう。

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