人身事故

治療費打ち切りを保険会社が告げてきた時の対処法

治療費打ち切りを保険会社が告げてきた時の対処法

交通事故の被害者が治療を受けていても、相手側の保険会社から治療費打ち切りを言われてしまうことがあります。

そんな時はどうすればいいのでしょうか?

1.そもそも治療費打ち切りとは?

まず、保険会社の言う「治療費の打ち切り」とは、入通院先の病院に対して保険会社が行っている治療費の直接払いを中止することを指します。

単に直接払いをしなくなるというだけで、治療行為自体を左右する行為ではありません。

2.なぜ治療費打ち切りをするのか

(1) 保険金を安く抑えたい

一番の理由は、保険金を安く抑えたいという点です。
保険会社も営利企業ですから利益をあげなくてはなりません。会社から出て行く保険金を出来る限り低い金額とすることも仕事の一つです。

主に、①治療費、②入通院慰謝料、③遅延損害金を抑える意味があります。

① 治療費

治療が長引けばそれだけ支払う治療費は増えます。
交通事故で相手方の保険会社が病院に直接に治療費を支払う場合は、健康保険ではなく自由診療でとても高額ですから、できるだけ早く打ち切りたいということになります。

② 入通院慰謝料

被害者に支払う入通院慰謝料は、入院期間と通院期間の長さによってその金額が決まり、期間が長ければそれだけ慰謝料も高くなります。

たとえば自覚症状だけのむち打ち症の場合、通院期間が3か月であれば入通院慰謝料は53万円ですが、4か月では67万円、5か月では79万円と増加します(※)

※「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」日弁連交通事故相談センター東京支部によるいわゆる弁護士基準です。

③ 遅延損害金

損害賠償金には交通事故の日から年5%の利息(遅延損害金)を付加して支払う義務があります。治療や示談が長引けば、それだけ遅延損害金も大きくなるため、治療を早く終わらせて示談交渉に移りたいという思惑もあります。

(2) 過剰診療や当たり屋を疑っている

一方で、被害者が不必要な治療を続けているのではないかと疑っている場合があります。

一つは、病院による過剰診療を疑っている場合です。
過剰診療とは、患者が症状を訴え続けるのを良いことに、医療機関側が利益を得るために、本来必要のない治療、続けても効果が期待できない治療を継続する場合をいいます。

もう一つが、被害者が当たり屋ではないかと疑っている場合です。
当たり屋とは保険金を目当てとして、わざと自動車にぶつかるなどして交通事故の被害者となり金銭を騙し取るもので、保険金詐欺に該当します。

(3) 結論:治療を止める必要はない

保険会社の治療費打ち切りは、結局のところこのような理由ですので、治療を止める必要はありません。

ただ保険会社もプロですから、被害者が自ら治療の必要性を訴えても、あれこれ言いくるめられて有効な対応とはなりにくいです。

そこで、具体的な対策を解説します。

3.治療費打ち切り通告に対する対処法

(1)  主治医の診断書を提出する

まず、治療の継続について、主治医と相談しましょう。そのうえで、主治医が「まだ治療を続ければ症状が改善する可能性がある」という意見であれば、その旨を記載した診断書を作成してもらいましょう。

主治医の診断書という客観的資料があれば、保険会社側も主治医の意見を尊重して治療費の継続を認めてくれるケースも珍しくはありません。

(2) 自費で治療を続け、後に請求する

それでも治療費を打ち切られた場合は、ここから先は自費で治療を行うことになります。自分で支払っておいて、示談や訴訟で最終的な損害賠償額が決まった段階で保険会社に請求します。

自費での治療に切り替える場合、下記2点に注意しましょう。

① 自由診療から保険診療へ切り替える

自費での治療を続ける場合は、健康保険を使うかどうかを被害者本人が選択することができます。

かつては「交通事故では健康保険は使えない」という噂がありましたが、全くの嘘です。
交通事故でも健康保険を使うことは可能ですので、希望される場合は、病院側と相談してください(※)。

なお手続きとして、交通事故に健康保険を使うときは、「第三者行為による傷病届」を保険者(市町村、健康保険組合など)に提出してください。これは保険者が加害者側に求償をするためです。

※ただし、通勤中の交通事故のように労災保険の適用対象になる場合は、労災保険が優先しますので健康保険は使えません。
また、無免許運転、酒酔い運転といった故意の犯罪行為で交通事故が生じたときも健康保険を使うことはできません。

② 自賠責保険の仮渡金制度を利用する

自賠責保険には仮渡金制度があります。
自賠責保険から支払われる金額が確定する以前でも、被害者の請求によって、一定額の仮払いを受けることができます。傷害の場合は、その内容に応じて、5万円から40万円までの金額です。
これを治療費にあてることも検討して下さい。

(3) 弁護士に相談する

治療費の打ち切りを打診されたということは、保険会社としては損害賠償義務を負うのは、その時点までであって、それ以後について責任は負わないという意向を表明したことになります。

したがって、それ以後の治療を継続したとしても、その治療費、入通院期間に見合う入通院慰謝料、そして最終的な後遺障害等級などについて、後の示談交渉で保険会社と争いになる可能性が高いです。
この段階で弁護士に相談、依頼をして、今後の見通しを立てながら治療を続けることをお勧めします。

泉総合法律事務所では、治療費打ち切りを打診されたとして来所された事例で、治療延長の交渉をしつつ健康保険に切り替えながら治療を継続し、示談交渉を経て最終的に十分な治療費を獲得した事例が多数ございます。

【解決事例26】相手保険会社からの治療費支払い打ち切りを延長することに成功

弁護士に頼むと聞くと「高い費用が発生するのでは?」と心配される方がいますが、交通事故被害者の場合、自動車保険に付帯された「弁護士費用特約」で、弁護士費用を保険会社に払ってもらえます。

自己負担なしで弁護士に依頼できるので、積極的に活用してほしいところです。

弁護士費用特約とは?交通事故被害に遭った際に利用すべき補償

4.まとめ

どこまで治療を続けるかは、治療を受けている方と主治医が決めることです。途中でやめて後悔が残らないように、最後までしっかり治療を続けてください。

とはいえ、保険会社から治療費打ち切りの打診が来てしまったら、実際被害者の方としては治療の継続をしづらいでしょうし、保険会社とのやりとりも負担感のあるものだと思います。そんなときは、交通事故対応に詳しい弁護士に相談しましょう。

泉総合法律事務所では、交通事故問題に詳しい専門の弁護士が、交通事故被害者の様々なトラブルに全力でサポートしています。保険会社とのやりとりや示談交渉は勿論、診断書の書き方などについても丁寧にアドバイス・サポートしています。

交通事故問題でお困りのことがあれば、ぜひ泉総合法律事務所にご相談ください。

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