人身事故 [公開日]2018年3月2日[更新日]2020年12月22日

人身事故証明書入手不能理由書とは?人身事故への切り替えは早急に!

交通事故に遭ったときよく話題になるのが、当該事故が「人身事故」か「物損事故」か、そして「人身事故で届け出たか」いう問題です。

軽微な交通事故だった場合、特に外傷はないからと物損事故で届け出たものの、後からむち打ちなどの症状が現れてくることがあります。
このような場合、「後からでも人身事故にしなければならないの?」といった疑問が湧くこともあるでしょう。

実際、人身事故への切り替えは可能ですが、手続きが遅れてしまった場合は警察に切り替えを拒否されてしまうことがあります。
この場合、適切な損害賠償金を請求するために必要になるのが。「人身事故証明書入手不能理由書」です。

ここでは、交通事故の人身事故について、人身事故証明書入手不能理由書について解説します。

1.「人身事故」とは?

まず、人身事故とは、交通事故で物(車や建物など)だけでなく、人が負傷した事故のことを言います。

人身事故は、支払われる賠償金の範囲が物損事故とは大きく異なります。
すなわち、物損事故で加害者側から支払ってもらえるのは、車の修理費(全損の場合は市場価格)・代車の使用料・積み荷の破損などの物的損害に限定されます。

一方で、人身事故では以下のようなものも賠償金の対象となります。

  • 治療費:怪我をしたときに払われる費用で、診察料や入院費がこれに当たります。
  • 休業損害:事故による怪我で仕事ができなかった場合に、得られるはずだった給料分の損害です。
  • 逸失利益:交通事故により後遺障害が残ったり、死亡してしまったりした場合に、本来得られるはずだった将来の利益です。
  • 慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料):交通事故の怪我によって入院や通院、さらに後遺障害が残ってしまった場合に受ける精神的苦痛に対する賠償です。

また、人身事故の場合、警察が実況見分調書を作成します。

この実況見分調書には、交通事故現場の図に、衝突地点などが書かれています。
被害者側と加害者側の間で、過失割合について争われている場合には、この実況見分調書が強力な証拠となります。

たとえば、ブレーキ痕が残っているかどうか、信号の色が何色だったかなどの事故態様をどう判断するか?という問題が生じた時、実況見分調書が大きな役割を果たします。

【人身事故は刑事事件】
これに加え、人身事故になった場合、当該事故は刑事事件になります。
交通事故の被害者が病院へ診察に行き、診断書を警察に提出した場合には、通常、人身事故として警察に取り扱われ、加害者は刑事事件の被疑者として立件されます。その後、通常、検察庁に事件が送致され、検察官が加害者を起訴するか不起訴にするか決めます。
検察官が起訴したけれども、略式罰金で済んでしまった場合には、通常、加害者が国にお金を払って終わりです。検察官が起訴して公判請求された場合には、裁判所で裁判が開かれます。

以上の説明から、治療費や入通院慰謝料を受け取り、正当な過失割合を主張するために、人身事故にする必要があることがお分かりいただけると思います。

2.人身事故証明書入手不能理由書とは?

(1) 人身事故証明書入手不能理由書が必要なケース

交通事故を人身事故として届け出ると、人身事故と書かれた交通事故証明書が発行されます。
これにより、賠償金の請求などの様々な手続きを行うことができるのです。

しかし、事故直後は身体が興奮していて怪我に気づけず「検査をすぐしなかったけれども、事故の翌日に痛みが出て、病院に行って検査をしたら異常が発見された」ということもあります。

この場合、当初は物損事故として届け出てしまっていることもあるでしょう。

後から痛みが出てきた場合でも、事故から数日で整形外科に行き、書いてもらった診断書を警察に提出すれば、人身事故へ切り替えてもらうことができます。

しかし、事故からあまりに時間が経過していると、事故と怪我の因果関係を疑われたり、加害者側の協力が得られない等の理由で切り替えをしてもらえないことがあります

[参考記事]

物損事故から人身事故への切り替え注意点!手続方法・期限など

このように、物損事故から人身事故への切り替えができなかった時が「人身事故証明書入手不能理由書」の出番です。

(2) 人身事故証明書入手不能理由書の役割

物損事故から人身事故への切り替えができなかった場合、人身事故証明書入手不能理由書を相手方の任意保険会社に提出することで、人身事故への切り替えを行わなくても治療費や入通院慰謝料の支払いを受けることができます。
用紙は保険会社ごとに決まっており、保険会社に頼めば送付してくれます。

しかし、人身事故証明書入手不能理由書は、人身事故が発生したことを証明する書類ではありません。
あくまで、人身事故にならなかった理由を被害者が自己申告した書面にすぎません。

交通事故証明書と同様の効力があるわけではありませんし、事故後の実況見分も行われないので、可能なかぎり早めに通院して診断書を受け取り、物損事故から人身事故へ切り替え、人身事故と記載された交通事故証明書を手に入れましょう。

(3) 人身事故証明書入手不能理由書の書き方

人身事故証明書入手不能理由書の書き方・記入例については、一例として、以下をご覧ください。

山梨県甲府市ホームページ:人身事故証明書入手不能理由書

人身事故証明書入手不能理由書は2枚ありますが、ご自分で書くのは1枚目が通常です。

まず、「理由」について、いくつかの選択肢がすでに記載されています。
これらの中から、ご自分が該当するものを選びましょう。

次に、物損事故として警察に届け出ている場合には、その旨を記載します。
最後に、交通事故の関係者の住所、氏名および電話番号と押印が必要です。

3.まとめ

人身事故証明書入手不能理由書では、人身事故が発生したことまでは証明できません。可能なかぎり、物損事故から人身事故へ切り替えてもらいましょう。

そして、この切り替えは、交通事故の発生日から時間がたてばたつほど難しくなります。
事故直後は何ともない様子でも、後から痛みが生じる場合がありますので、事故後は出来るだけ早く病院に行ってみることをお勧めします。

泉総合法律事務所では、人身事故をはじめとする交通事故の被害者側の取扱件数が多数ございます。
交通事故でお怪我をされた場合には、交通事故の被害者側の取扱件数の多い当事務所へ、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。

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