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交通事故死とは?死亡事故で知っておくべき保険金や慰謝料の請求

交通事故死とは?死亡事故で知っておくべき保険金や慰謝料の請求

警察庁の発表によると、2017年の交通事故死者数は、戦後68年間で最少の3694人ということです。2018年に関しても、このペースで推移すると過去最小をさらに更新できる見込みです。

交通事故発生数自体はそれほど減っていない反面、事故による死者が減少している理由は、自動車の安全性能技術が飛躍的に進歩したところと、警察による交通取締りの厳重化の賜物であるといえます。

交通事故で亡くなるという、ご本人にとっても遺族にとっても最悪の事態について、その件数が減少していることは非常に喜ばしいことです。一方、高齢者の交通事故死者数は相変わらず高止まりしているという問題も残っています。

道路交通法が改正され、認知症対策がなされるなど高齢者ドライバーを守る国策はとられているものの、昨年の交通事故死者のうち、半数は65歳以上の高齢者で前年から5.5%しか減っていません。

この記事では、いま日本社会でおきている交通事故死の現状と、万一身近な方が交通事故死という不幸な目にあってしまった場合に知っておきたい知識について簡単にまとめました。

1.警察庁と厚生労働省の統計の違い

皆様は、交通事故死について、警察庁と厚生労働省の集計の方法に違いがあることをご存知でしょうか。

ニュースを見るときは、この集計方法の違いを前提知識として、どちらの統計方法での数字なのかを意識していただくと、より正確に理解ができます。

(1) 警察庁の集計

以下2つを、別の概念としてわけて集計をしています。

「死亡者」とは、交通事故発生後、24時間以内に死亡した者を指します。「30日以内死亡者」とは、交通事故発生後、30日以内に死亡した者を指します。

また、割合を出す分母は、日本の「総人口」になるため、日本国民のみならず日本に居住されている外国人の方も母数に含まれます。

ニュースなどで、警察庁集計による交通事故死亡者数として言及されている数字は、上記のうち交通事故後、24時間以内になくなった方の数であることが多いので、ご注意ください。

(2) 厚生労働省の集計

厚生労働省は「人口動態統計」で年間の死亡者を死因別に分類して発表します。

この分類のひとつとして、交通事故死が原因で1年以内に死亡した者(後遺症により死亡した者を除く))の数が発表されます。

「人口動態統計」は、日本に居住する日本国民が対象となるため、上述の警察の集計データとは、分母が異なるのです。

(3) 死亡原因に占める割合

平成28年人口動態統計月報年計によると死亡原因のうち、交通事故死は0.4%となっています。

2.死亡事故の場合に知っておくべきこと

交通事故がおきてご家族が巻き込まれてしまい、不幸にして命が助からなかった場合、ご遺族の方は深い悲しみに暮れられると思います。

心の傷は癒えませんが、せめて金銭的賠償をしっかりと受け取るために、以下損害賠償請求や補償対象についてご説明したいと思います。

交通事故死のご遺族の方が請求できる金銭的補償については、3つの基準があります。

①自賠責基準、②任意保険基準、③弁護士(裁判)基準となり、番号があがるにつれて高い金額での補償が受けられるということになります。

自賠責基準は、あくまで被害者の最低限の補償を行うという趣旨で自賠責法に基づき算定される基準となります。

任意保険基準は、加害者が加盟している任意保険の基準となり、自賠責基準よりは高い基準となりますが、加害者保険会社が算定するという性質上、弁護士(裁判)基準には届かない金額になってしまいます。

弁護士(裁判)基準とは、損害の性質、過失の程度、既往症、被害者の年収など諸事情に基づき、裁判例が示してきた慰謝料の基準となります。

弁護士(裁判)基準は、東京地方裁判所の交通部がまとめた通称「赤い本」に一覧として掲載されており、裁判官も弁護士もこの赤い本を参照して、妥当な賠償額を算出します。

日本では、判例は法律条文の次に参照される重要なファクターになるので、よほどの事情がない限りは、赤い本から大きく外れた賠償額が認定されることはないといわれています。

この弁護士(裁判)基準で算出される金額が3つの基準の中でもっとも高額となります。

ご遺族の方は、弁護士(裁判)基準での慰謝料請求をぜひご検討されるとよいかと思います。以下、補償対象となるものをあげます。

・葬儀費用

合理的な葬儀費用は、補填の対象となります。

とはいえ、葬儀にかける金銭の額は、規模、宗教、価値観によって人それぞれ。あまりに一般的でないほど壮麗な葬儀にしてしまうと満額は補償されないので、常識的な範囲であることは必要です。

葬儀会社からもらった領収書などは保管しておきましょう。

・被害者の死亡慰謝料

亡くなられた被害者の死亡慰謝料は、ご遺族がそれを受け取る地位を被害者の死亡により相続され、ご遺族に支払われることになります。

交通事故の事情によって金額は変わってきますが、おおまかにいうと、家族の大黒柱の場合は2800万円から3600万円、配偶者などの場合は2800万円から3200万円となり、高齢者は1800万円から2400万円、お子様は1800万円から2600万円程度が弁護士(裁判)基準での算定となります。

自賠責基準だとどれも350万円となりますので、いかに大きな開きがあるかをイメージしていただけるかと思います。

【参考】弁護士基準と任意保険基準は大違い!慰謝料が2倍、3倍、1000万円差!?

・逸失利益

逸失利益とは、「得べかりし利益」という意味になり、もし被害者の方が交通事故で亡くならなければ就労により得られたであろう収入を、ご遺族の方に補填するというものです。

「1年当たりの基礎収入× (1-生活費控除率)× 稼働可能期間に対応するライプニッツ係数(またはホフマン係数)」という計算方法で算出され、被害者の方の属性によるなどによって金額が異なってきます。

・家族の慰謝料

被害者の死亡慰謝料とは別に、ご遺族の方が受けられた精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

民法711条により、被害者の父母、配偶者、子供など、被害者と非常に近しい関係にある方が、大切な方を失うことにより受けた精神的苦痛は、上述の財産的ダメージとは別に補償されるべきこととなっています。

3.弁護士に依頼するメリット・デメリット

上述のように、ご遺族が請求できる慰謝料の権利や金額は複雑であり、また請求にあたっては弁護士(裁判)基準がもっともご遺族に有利であることを考えると、慰謝料請求の手続きを、交通事故案件に強い弁護士に委任することは、合理的な選択肢といえます。

以下、弁護士に依頼するか迷われている方のために、メリットとデメリットをご説明します。

(1) 弁護士に依頼するメリット

①遺産分割へのアドバイスが受けられる

被害者が亡くなられると、その父母、兄弟、配偶者、子は、家族構成に応じて被害者の法定相続人となります。

被害者は突然亡くなられたので遺言を残されていないことが多いと思いますが、用意周到な方であれば生前から万一の場合の遺言を残されていることもあり、その場合は遺言にしたがった分割(法定相続人の遺留分は別の取り扱いとなりますが、詳細は別の記事に譲ります。)がなされることになります。

遺産は、現金などの流動性資産のみならず、不動産など非流動性資産を含むことがほとんどですので、上記の分割割合に応じて具体的にどう財産をわけるか、弁護士や税理士などプロのアドバイスを受けることが得策です。

②慰謝料への弁護士基準適用

上述のように、慰謝料の算定基準には、3種類あるうち弁護士(裁判)基準を使用してもらうことが、ご遺族にとってベストです。

弁護士基準については、その名のとおり弁護士が熟知しているので、妥当な金額を知りそれを相手方と交渉してもらえるというメリットがあります。

③加害者の刑事事件裁判への被害者参加に対する委任

交通事故の加害者が悪質であった場合、被害者遺族に対する損害賠償といった民事上の責任のほか、刑事罰が課されることがあります。

飲酒運転や居眠り運転など、道路交通法に明らかに違反していたり、ひき逃げの場合などが考えられます。

刑事手続きは、国対加害者という対立構造で行われるのですが、被害者参加といって、一定の手続きにご遺族が参加できる制度があります。

感情としてどうしても加害者が許しがたいという気持ちが強く参加されたいという場合には、訴訟手続きとなりますので、弁護士に依頼できることは大きなメリットでしょう。

(2) デメリット

①弁護士費用がかかる

弁護士に委任すると、着手金と成功報酬という対価が発生します。

だいたい300万円程度が相場ですが、事務所によっても変わります。ただし、被害者がご自身の任意自動車保険で、弁護士特約に加入されていた場合、この弁護士報酬も保険の対象として補填されます。

弁護士特約はつけていることを知らずにあまり利用されていないので、知らずに加入していないか、ぜひ付保内容を一度チェックされてみてください。

4.交通事故の解決は泉総合法律事務所へ

冒頭に述べたように、交通事故死亡者数が減少しているという喜ばしい事態の裏でも、いまだ残念ながら被害者になられる方や、悲しまれるご遺族の方がいらっしゃることに変わりはありません。

泉総合法律事務所にご相談いただければ、その悲しみに寄り添いながらサポートさせていただきます。

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