交通事故弁護士 [公開日]2018年8月24日[更新日]2020年9月8日

弁護士費用特約とは?|誰が、いつ、どんなことを補償されるか

最近では全国的に交通事故の件数が減少傾向にあるとはいえ、依然として交通事故は私たちの脅威であり続けています。

特に車を日常的に運転している人については、交通事故に遭遇するリスクは高く、いつ突然の事故に巻き込まれてしまってもおかしくありません。

交通事故に巻き込まれてしまうと、相手方と損害賠償などの示談交渉を行うために、弁護士に依頼をする必要性が生じる場合があります。
しかし、弁護士への依頼費用はしばしば高額になるため、依頼者にとっての経済的な負担が大きくなってしまう恐れがあります。

そこで、依頼者の経済的な負担を軽減するために役立つのが「弁護士費用特約」です。

弁護士費用特約を利用すれば、交通事故時の弁護士費用を保険会社から支払ってもらうことができます。

この記事では、弁護士費用特約について、その基本、メリットやデメリット、留意点なども含めて詳しく解説します。

1.自動車保険の弁護士費用特約とは?

自動車保険の弁護士費用特約とは、被保険者が交通事故に遭い、示談交渉や損害賠償請求に関して弁護士に依頼をする必要が生じた場合、弁護士費用を保険会社が支払ってくれるという特約です。

自動車保険に附帯されている弁護士費用特約は、原則として、当事者のどちらか一方が自動車である事故の場合に適用されます。

つまり、弁護士費用特約は、自分が車を運転している時に交通事故に遭ったり、自転車運転中や歩行中に車にはねられたりした場合に備えた「転ばぬ先の杖」としての役割を果たすものなのです。

2.自動車保険に弁護士費用特約を付けるメリット

自動車保険に弁護士費用特約を付けておくと、万が一の交通事故に対する備えができて安心です。

(1) 弁護士費用の経済的負担を軽減できる

弁護士費用特約の効果により、交通事故に関して弁護士に依頼する費用を軽減することができます。

交通事故の弁護士費用は、事故の規模などにもよりますが、時として数十万・数百万円などの高額になる可能性があります。

ただでさえ交通事故に遭って治療費などのさまざまな出費を強いられている中で、弁護士費用としても多額の出費を強いられることになると、経済的に大きな負担がかかってしまいます。

弁護士費用特約を利用したら(200万円〜300万円程度の保障上限額がありますが)たいていの事故については、弁護士費用の全額をカバーすることができるでしょう。

(2) 弁護士に対して依頼する際の心理的なハードルが下がる

弁護士に依頼をする際には、高額な弁護士費用の支払いが心理的なネックになりがちです。

特に交通事故のケースでは、事故に関する証拠を早期に確保する必要があるなどの理由から、早めに弁護士に相談することが重要になります。

弁護士費用特約を付けておけば、弁護士費用を支払うことに躊躇するあまり、弁護士への依頼が遅れるという事態を防ぐことができます。

弁護士に早めに依頼することができれば、結果的に依頼者にとって有利な解決が得られる可能性が高まるでしょう。

(3) 万が一の場合に対する備えとして精神的な安心に繋がる

交通事故のリスクは、私たちの生活に常日頃から付きまとう問題です。
車の運転中だけでなく、自転車の運転中や歩行中など、至るところに交通事故の危険は潜んでいます。

自動車保険に弁護士費用特約を付けておけば、万が一交通事故に巻き込まれてしまった場合について万全の備えをすることができ、精神的な安心にも繋がるでしょう。

3.弁護士費用特約を付けるデメリットはある?

自動車保険の弁護士費用特約は、交通事故に対する万が一の備えとして有効ですが、弁護士費用特約を付けることのデメリットを挙げるとすれば、どのようなものがあるのでしょうか。

(1) 保険料が若干上乗せになる

自動車保険の弁護士費用特約は、本来の保障内容に追加で附帯させるオプションという位置づけになります。
そのため、基本的な保険料に加えて、月々の保険料を上乗せして支払うことが必要です。

ただし、弁護士費用特約のオプションを付けるために上乗せされる保険料は、年間2,000円〜3,000円程度が一般的であるため、それほど大きな負担にはならないでしょう。

(2) 火災保険やクレジットカードの弁護士特約と重複する場合

弁護士費用特約は、自動車保険だけでなく、火災保険やクレジットカードにも附帯させることができることがあります。

火災保険やクレジットカードの弁護士費用特約も、交通事故の際に弁護士に依頼するケースを保障範囲に含んでいる場合があります。
その場合には、追加で自動車保険の弁護士費用特約を付けたとしても、ほとんどの場合保障範囲が重複することになってしまいます。

保障限度額をどうしても引き上げたいなどの特別な事情がない限りは、弁護士費用特約を重複して附帯させる必要性はないでしょう。

そのため、自動車保険の弁護士費用特約を付けようとする際には、火災保険やクレジットカードなどで、すでに利用可能な弁護士費用特約がないかどうかをよく確認することをおすすめいたします。

[参考記事]

交通事故で火災保険やクレジットカードの弁護士特約は使えるか?

このように、弁護士費用特約に加入しておくデメリットは少ないので「どうせ使わない・いらないだろう」とは思わず、一度保険の契約内容を見直してみることをお勧めします。

4.弁護士費用特約に関する疑問点・留意点

弁護士費用特約は、実際に交通事故に遭ったことがない限り、どのように役立つのか、どのようにして利用すれば良いのかなどについてのイメージが湧きにくいかと思います。

そこで、以下では弁護士費用特約の利用に関してよくある疑問点や留意点をピックアップして解説します。

(1) 交通事故後に加入することは可能?

自動車保険の弁護士費用特約は、あくまでも附帯させた後に発生した交通事故に関してのみ適用されます。

そもそも保険は、幅広い被保険者から薄く保険料を徴収しておいて、被保険者の中のごく一部に発生した事件・事故に対して高額の保険金を支払うという仕組みにより成り立っています。

もし弁護士費用特約が、附帯以前の交通事故に対しても適用できることにしてしまうと、「高額の保険金が支払われることが分かっている状態で、低額の保険料を払い込めば良い」という状態になってしまいます。これでは、上記の保険の仕組みが成り立ちません。

したがって、弁護士費用特約は、交通事故に遭ってから加入しても、その加入前の事故には適用できないのです。

そのため、交通事故に遭うことなど想像できないという場合であっても、もしもの場合の備えとして加入しておくことをおすすめいたします。

(2) 車を複数台持っている場合

自動車保険の被保険者が複数台の車を所有している場合、弁護士費用特約は、それぞれの車ごとに附帯させなければいけないものなのでしょうか。

この点は、結論としては保険契約の内容次第ということになります。

しかし、多くの自動車保険における弁護士費用特約について、被保険者本人や家族が弁護士費用特約を利用する場合には、1台目の車だけでなく、2台目以降を運転中の交通事故についても保障の範囲に含めているケースが多いようです。

ご自身が加入している自動車保険の弁護士費用特約について、2台目以降の車についても保障の範囲内に含まれているかどうかを把握するには、保険契約の内容を丁寧に確認する必要があります。

もし保険契約の読み方がわからないなどの事情があれば、弁護士までお気軽にご相談ください。

[参考記事]

弁護士費用特約は家族でも使えるのか|利用の範囲とは?

(3) 特約を使うと保険の等級に影響はある?

弁護士費用特約を利用すると、自動車保険の等級が上がり、これに対応して翌年から保険料が上がってしまうのではないかと心配になる方もいらっしゃるでしょう。

この点について、弁護士費用特約は、自動車保険のメインとなる保障そのものとは切り離して考えられています。

たとえば交通事故の加害者になったケースで、弁護士費用特約を利用するのと同時に、自動車保険から被害者に対する保険金の支払いが行われた場合には、自動車保険の等級に影響が生じます。

これに対して、交通事故の被害者になったケースで、被害者側に過失がない場合には、被害者の加入している自動車保険から加害者側への保険金支払いは行われません。

この場合、仮に被害者が弁護士費用特約だけを利用したとしても、自動車保険の等級に影響が生じることはないのです。

つまり、自動車保険の等級はあくまでも、相手方に対する保険金の支払いが行われたかどうかによって決定されるということになります。

したがって、弁護士費用特約を利用するかどうかは、自動車保険の等級に影響を与えることはありませんのでご安心ください。

5.弁護士費用特約について不安があれば弁護士へ

弁護士費用特約がどういうものかわからない、自分が加入している自動車保険に弁護士費用特約が付いているのかどうかわからないという場合には、まずご自身の保険会社に今回の事故の件で利用できるか確認してみて、その上で弁護士に相談することをおすすめいたします。

特に実際に交通事故に遭ってしまったケースでは、できるだけ早めに弁護士に依頼することが大切なことが多いです。

弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼できるのであればそれに越したことはありませんし、そうでない場合でも、事件処理の見通しなどについて早めに弁護士からのアドバイスを受けておくことが重要になります。

交通事故に遭ってしまい、弁護士費用特約が使えるかどうかわからず悩んでいるという方は、お早めにご自身の保険会社にご確認の上で、弁護士にご相談ください。

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