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あおり運転の対策・対処法!時には重大事故になる可能性があります

あおり運転の対策・対処法!時には重大事故になる可能性があります

【この記事を読んでわかる事】

  • どのような運転があおり運転とされるか
  • あおり運転はどのような罰則を受ける可能性があるか
  • あおり運転の事前の対策法と、あおり運転に遭ってしまった場合の対処法

最近、あおり運転(煽り運転)を原因とする重大事故についての報道が目立つようになりました。

特に、2017年6月の東名高速での死亡事故は大きく報道され、社会的にも注目を集めました。

この事件は、パーキングエリアで被害者より注意を受けたことに対する嫌がらせとして、高速道路上で被害者の車両を追い回した上で、被害者の車両を追い越し、追い越し車線上に無理矢理停止させ、被害者を恫喝したというものです。

この際に、後方から別のトラックに追突され夫婦2人が死亡する事態となりました。

高速道路であおり運転に遭い怖い思いをしたという方は少なくないと思います。

今回は、あおり運転にあわないための対策や、万が一、あおり運転にあってしまったときの対応法について解説します。

1.あおり運転とは

特に明確な定義があるわけではありませんが、次のような、故意で行われる他車に対する嫌がらせ運転のことを一般的に「あおり運転」と呼んでいます。

  • 先行車に対して、接触するスレスレまで車間距離をつめる
  • 先行車を意識的に追い回す
  • ハイビームやパッシング、クラクションで威嚇する
  • 無理な幅寄せをして並走する
  • ウィンカーを右に出し続ける

(1) あおり運転は道路交通法違反の危険行為

あおり運転は、道路交通法違反を問われる可能性のある危険な行為です。

冒頭で紹介した事件などを契機に、あおり運転の危険性が社会的に注目されていることを受け、警視庁も2018年1月16日に「あおり運転を厳罰化する」との方針を示しています。

あおり運転した際に問われる可能性のある罰則は次のとおりです。

  • 車間距離保持義務違反
  • 過失運転致死傷罪
  • 危険運転致死傷罪

(2) 車間距離保持義務違反

最も典型的なあおり運転は、車間距離を空けずに先行車両にぴったりくっつくことです。高速道路の追い越し車線などで怖い思いをしたという方も多いと思います。

道路交通法では、車両を運転するときには、「直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離」を保って運転しなければならないと定められています(道路交通法26条)。

車間を詰めて運転するあおり運転は、この車間距離保持義務に違反します(違反点数2点・反則金9,000円(高速道路・普通車の場合))。

なお、悪質な車間距離保持義務違反は、一般道では5万円以下の罰金(道路交通法120条1項2号)、高速道路では3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金(道路交通法119条1項1号の4)に処される可能性があります。

(3) あおり運転が原因で死傷事故を起こせば懲役刑になることも

あおり運転が原因で死傷事故となったときには、加害者は「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」を問われ、逮捕される可能性があります。

過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪の量刑は、下記のとおりです。

  • 過失運転致死傷罪:7年以下の懲役または100万円以下の罰金(自動車運転処罰法5条)
  • 危険運転致死傷罪:傷害事故は15年以下の懲役、死亡事故は1年以上の有期懲役(自動車運転処罰法2条)

危険運転致死傷罪については、傷害事故の刑の方が重たいように感じる人もいるかもしれませんが、有期懲役の上限は20年なので、「1年以上の有期懲役」の方が遙かに重い量刑となります。

なお、3年を超える懲役刑となったときには、執行猶予は付かないので必ず実刑となり刑務所に収監されます。

冒頭で紹介した東名高速の事件では、「死亡したのは停止中の事故が原因」という理由で過失運転致死傷罪が問われました。

したがって、あおり運転を原因とする走行中の死亡事故については「危険運転致死傷罪」が適用される可能性は高いです。

また、東名高速の事故に対しても危険運転致死傷罪を適用すべきではないかという声は少なくないようです。

2.あおり運転をされないための対策

  • 極力走行車線を走行する
  • 無理な車線変更をしないなど、走行に注意する
  • 「ドライブレコーダー録画中」「カメラ録画中」などのステッカーを貼る
  • 実際にドライブレコーダーを導入する

あおり運転に対しては「きちんと自衛する」ことが大切です。特に、高速道路でのあおり運転のほとんどは追い越し車線で発生しています。

あおり運転の被害に遭わないためには、必要のあるとき以外は「極力走行車線を走行する」ことも大切かもしれません。

また、他の運転手から反感をかうような走行(無理な車線変更など)をしないようにすることも重要です。

さらに、車両後方に「ドライブレコーダー録画中」、「カメラ録画中」といったステッカーを貼ることで、あおり運転を行う車両の運転手に警告を発することも1つの方法です。

これらのステッカーは、カー用品ショップなどで購入することができます。

万が一のときに備えて、実際にドライブレコーダーを導入することを検討しても良いかもしれません。

あおり運転だけでなく、もらい事故や、当て逃げの被害に遭ったときに備えることもできます。ドライブレコーダーの利便性については「ドライブレコーダーの証拠能力。交通事故でどれほどの効果があるか」をご覧ください。

3.あおり運転をされた場合の対処法

万が一、他車からあおり運転をされたときには、「落ち着いて運転する」ことが何よりも大切です。

後方車ばかりが気になって他への注意が疎かになると非常に危険です。

(1) 相手に進路を譲りやり過ごす

あおり運転された場合の最も基本的な対応は、「相手に進路を譲って先に行かせる」ことです。

特に、高速道路で、車間を詰められたケースや、後方車からパッシングされるケースの多くは、「先を急ぎたい」という相手運転手の心理による場合が多いでしょう。

したがって、進路を譲って相手を先にいかせれば、それ以上問題が悪化することは少ないはずです。

なお、この際にも慌てて隣の車線の状況を確認せずに進路変更することは非常に危険です。

落ち着いて、安全な場所で進路を譲り、そのまま相手をやり過ごしましょう。

(2) 相手がしつこい場合

あおり運転する車に進路を譲ったとしても、しつこく追い回されることもあり得ます。

その際には、「安全なところに車を一時停止させる」、「PAやSAが近いときには立ち寄る」といった方法で相手の車を完全にやり過ごす方法が考えられます。

なお、やむを得ず路肩など車両を停止させるときには、車両の安全確保(ハザードランプを点灯させるなど)に気を配ることも忘れてはいけません。

相手の車がこちらの停止にあわせて停止し、運転手が詰め寄ってくることもあるかもしれません。その際には、車のドア・窓を完全にロックし、絶対に車両の外に出てはいけません

むやみに車外に出ることは危険なだけでなく、傷害事件に巻き込まれるリスクも高くなります。停止した車両に詰め寄ってくる運転手は相当に興奮していることが少なくないからです。

また、興奮した相手運転手があなたの車に傷をつけるなどの行為をすることが考えられます。

そのようなケースでは、相手に対して損害賠償(修理代)を請求することも可能です。加害者特定のために相手車両のナンバープレートを記録するなどの措置も重要です。

ただし、携帯やスマホで相手運転手や相手車両を撮影する行為は、相手運転手をさらに興奮させる可能性があることにも注意すべきでしょう。

(3) 対処困難なときには警察に通報

停止後にもさらに運転手が詰め寄ってくるケースでは、警察に通報することも検討すべきでしょう。

事情を話せば、現場に駆けつけて対処してもらうこともできます。

(4) やってはいけない対応

あおり運転に遭ったとき、撃退しようなどと考えてしまうことがあるかもしれません。

しかし、「相手を刺激する対応」は絶対に控えるべきです。

相手のマナーのない運転にいらだちを覚えることもあると思いますが、「ぐっと我慢する」ことも身の安全を守るためには大切です。

たとえば、次のような対応は絶対に控えるべきです。

  • 相手の車をあおり返す行為
  • クラクションを鳴らす(不必要に多用する)
  • 急ブレーキをかける

これらの対応は、「相手をさらに刺激する」だけでなく、事故を誘発する可能性の高い危険な対応です。また、こちらの「あおり返し」が相手に通報される可能性も否定できません。

この場合「先にやられたからやり返した」という言い訳は通用しません。

急ブレーキによって追突事故となった際には、こちら側にも過失が認められる場合もあります(急ブレーキ、急停止がなければこちらの過失はゼロです)。

4.まとめ

あおり運転をされた場合には、「平常心を保って」、「安全運転に徹する」ことが何よりも大切です。

あおり運転にあった場合には、相手車両に進路を譲ることで多くの場合はやり過ごすことができます。

こちらに非がないときには「怒りを覚える」こともあるかもしれません。しかし、冷静さを欠いたために事故を起こしてしまっては本末転倒です。

身の安全を守ることを第一に考えて行動するようにしましょう。

万が一、あおり運転が原因で事故が生じてしまった際には、相手側との示談交渉がもつれる場合も少なくありません。その際には、泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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