慰謝料・賠償金 [公開日]2018年1月23日[更新日]2020年5月22日

追突事故で慰謝料はいくら|計算方法と相場

交通事故において、被害者と加害者の双方に過失があった場合、「損害の公平な分担」という理念から、それぞれ過失を考慮して損害額(慰謝料など)を計算します。

これを「過失割合」の問題と言いますが、過失割合の算定には、歩行者・二輪車(自転車・バイク)・四輪車という車の種類や、交通事故が起きた場所、事故当時の天候や時間帯など、様々な考慮が必要になります。

以下では、交通事故でよく起こる四輪車同士での追突事故について、慰謝料の決まり方をご説明し、その慰謝料(賠償金)の最終的な決定で考慮される代表的な過失割合の類型・修正要素をご紹介します。

1.追突事故の慰謝料の相場

追突事故は、交通事故の3~4割程度を占める割合で発生している事故様態です。
停車、もしくは低速で走行している前方の車両(被害車両)に、後方から他の車両(加害車両)が追突するというものです。

追突事故に限らず、交通事故(人身事故)の被害者となった場合、加害者に慰謝料を請求することができます。
(怪我なしの物損事故の場合、慰謝料は請求できません。)

慰謝料とは、被害者が被った精神的苦痛に対する賠償です。損害賠償金の中の一種で、治療費や通院交通費、休業損害、車の修理費などとは別に請求することができます。

交通事故で加害者に請求できる慰謝料には「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」があります。これも追突事故でも変わりません。

いずれにおいても、交通事故の慰謝料の決め方には3つの基準があります。

自賠責保険会社が定めた最低限の補償をするための基準である「自賠責基準」、各任意保険会社が独自に定めた基準である「任意保険会社基準」、弁護士との交渉や裁判となった際に採用される「弁護士基準(裁判基準)」です。

慰謝料の金額としては、通常、自賠責基準<任意保険会社基準<弁護士基準(裁判基準)の順で高額となります。

任意保険会社は低額な基準で計算した慰謝料を提示してくる一方、弁護士が交渉する場合は弁護士基準(裁判基準)を採用しますので、「交通事故の示談を弁護士に依頼するともらえる慰謝料が増額する可能性がある」ということになるのです。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

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なお、入通院慰謝料は怪我の内容や入通院の期間・日数、後遺障害慰謝料は損害保険料率算出機構に認定された「等級」(後遺障害の重さ)、死亡慰謝料は死亡者の属性により算定されます

(1) 入通院慰謝料の例

自賠責基準では、4300円×入通院期間の全日数」「4300円×入通院実日数×2」のいずれか少ない方の金額が慰謝料額になります。
一方、弁護士基準では、「赤い本」(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)の表に基づいて慰謝料額が算出されます。

以下の表では、通院日数を月10日として、「4300円×入通院実日数×2」を自賠責基準額としています。

打撲で3ヶ月通院 自賠責基準 25万8千円程度
弁護士基準 53万円程度
骨折で3ヶ月通院 自賠責基準 25万8千円程度
弁護士基準 73万円程度
むち打ち(自覚症状のみ)で6ヶ月(半年)通院 自賠責基準 51万6千円程度
弁護士基準 89万円程度
むち打ち(画像所見あり)で6ヶ月(半年)通院 自賠責基準 51万6千円程度
弁護士基準 116万円程度

※整形外科などの病院以外(整骨院や接骨院など)における通院治療は、入通院慰謝料の計算時に認められない可能性がありますので、ご注意ください。
※自賠責基準については、2020年4月1日以降の事故を想定した金額になっています。

(2) 後遺障害慰謝料の例

むち打ち症で12級認定を受けた 自賠責基準 93万円程度
弁護士基準 290万円程度
むち打ち症で14級認定を受けた 自賠責基準 32万円程度
弁護士基準 110万円程度

(3) 死亡慰謝料の例

自賠責保険の死亡慰謝料

自賠責保険での死亡慰謝料は、慰謝料請求権者の人数や被扶養者の有無で慰謝料額が大きく変わります。

本人分 400万円
遺族分 請求権者1名 +550万円
請求権者2名 +650万円
請求権者3名以上 +750万円

被害者に被扶養者がいる場合、上記金額に200万円が加算されます。

なお、自賠責基準については、2020年4月1日以降の事故を想定した金額になっています。

 弁護士基準の死亡慰謝料

弁護士基準では、本人の慰謝料・遺族の慰謝料などと言った区分はなく、全て包括して考えられます。

一家の大黒柱の死亡 2800万円程度
母親(主婦)や配偶者の死亡 2500万円程度
独身者の死亡 2000万円~2500万円程度
高齢者の死亡 2000万円~2500万円程度

上記の相場はあくまで一例です。
あなたのケースに合った具体的な慰謝料金額(弁護士基準)をシミュレートするには、以下のツールを是非ご利用ください。

交通事故の慰謝料相場計算機

2.追突事故の過失割合

追突事故の過失割合は、原則として【追突した側:追突された側】=【100:0】とされます。

つまり、追突された被害車両には何の落ち度もなく、賠償金についても相殺されることなく受け取れるのです。
交通ルールを守って走行・停車していた車両は、一方的に加害車両にぶつけられたと解されます。

しかし、降雨や濃霧などの天候要因による視認不良など追突した側に発見が容易でなかった事情がある場合や、被害車両がハザードを点けていない故障車両であった場合、理由のない急ブレーキをした車両が追突された場合などは、被害車両にも事故の責任が認められるでしょう。

【四輪車同士の追突事故の過失修正】

  • 視認不良による修正【追突車:被追突車=90:10】
  • 駐停車禁止場所における駐停車による修正【追突車:被追突車=90:10】
  • 理由のない急ブレーキがある場合の過失割合【追突車:被追突車=70:30】

[参考記事]

追突事故の被害者になってしまった場合に気をつけるべきこと

被害者に過失が認められるとどうなるのか、というと、その過失分だけ受け取れる損害賠償金額が少なくなってしまいます。

例えば、被害者に生じた、損害賠償(慰謝料、治療費、通院交通費、休業損害など)の総額が1000万円である場合、加害者:被害者の過失割合が9対1ならば、被害者が加害者から受け取れる賠償額は1000万円×90%=900万円となります。
もし、被害者に過失がない場合(過失割合が被害者:加害者=10対0の事例の場合)には、満額の1000万円を受け取れることになります。

交通事故における過失相殺について|損害賠償に大きな影響

[参考記事]

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過失割合は、警察が決めるものではありません。多くの場合、加害者側の保険会社が示談交渉の際にその数値を提示してくることと思います。

過失割合は、(折り合いがつかずに訴訟となる場合を除き)双方の合意の上で決定することになります。

納得いかない過失割合を提示されたら合意せず、一度弁護士に「適切なのかどうか」相談してみることをお勧めします。

[参考記事]

交通事故の過失割合|もめる・ごねる相手に納得いかない場合の対処法

3.高速道路における追突事故

高速道路における追突事故は、過失割合の考え方が通常とは少々違ってくるため、最後に説明をします。

高速道路では、高速で走行することが前提となっているため、最低速度を維持する義務があり、駐停車は原則として禁止されています。

そのため、高速道路においては、やむを得ない事情がないかぎり、駐停車していた先行車両の運転者も過失があることになります。

過失のある駐停車とは、たとえば、ガス欠やエンジントラブルによる駐停車、被追突車が過失により別の事故を起こしてしまっていた場合の駐停車のことです。
こういった場合、運転者は、追突を避けるために、速やかに本線車道など以外の場所に車両を移動し、停止表示器材を設置することが義務付けられています(道路交通法75条の11)。

他方、高速道路が渋滞しており、やむを得ず停車していた場合などは、駐停車に過失はありません。

【高速道路における四輪車同士の追突事故の過失割合】

  • 過失により本線車道などに駐停車した自動車に対する追突事故【追突車:被追突車=60:40】
  • 過失なく本線車道などに駐停車した自動車に対する追突事故
    ア.追突された車両に退避または停止表示器材設置を怠った過失がある場合の過失割合【追突車:被追突車=80:20】
    イ.追突された車両に退避や停止表示器材設置を怠った過失がない場合【追突車:被追突車=100:0】
  • 追突された車両に理由のない急ブレーキがある場合【追突車:被追突車=50:50
  • 路肩などに駐停車中の自動車に対する追突事故【追突車:被追突車=100:0】
    ※ただ、路肩などに駐停車するにもやむを得ない理由が必要ですので、これがない場合には10~20%の修正がなされる可能性があります。

4.追突事故の慰謝料・過失割合の相談は弁護士へ

このコラムでご紹介したものは基本的なものにすぎません。
保険会社の担当者との間で、過失割合について折り合いがつかずに困っているといったお悩みがある場合、弁護士が代理人となることで、スムーズに解決できる可能性があります。

泉総合法律事務所では、交通事故案件を多数手掛けており、解決実績も豊富にあります。
交通事故被害でお困りの方や、「慰謝料が低く感じる」「過失割合に納得できない」という交通事故被害者の方は、まずは当事務所にご連絡ください。

交通事故案件に精通した弁護士が、ご相談内容に応じた適切な解決策やアドバイスをさせていただきます。

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