慰謝料・賠償金

交通事故の死亡事故における慰謝料・損害賠償金額の相場と計算方法

交通事故の死亡事故における慰謝料・損害賠償金額の相場と計算方法

【この記事を読んでわかる事】

  • 交通事故の被害者が死亡した場合、損害賠償や慰謝料は誰が請求するのか
  • 死亡事故における慰謝料、損害賠償金額の相場
  • 死亡事故において過失割合が争点となりやすい理由

交通事故は、こちらが交通ルールを守っていても巻き込まれてしまう場合があります。

不幸にも、家族が交通事故で死亡してしまったときには、それによって生じた損害を加害者に賠償してもらうことになります。

損害賠償を受けても亡くなった家族が戻ってくるわけではありませんが、今後の生活のためにも、適正で十分な補償を確保することは非常に重要なことです。

今回は、交通事故で親族が亡くなってしまった場合の慰謝料について説明します。

1.本人死亡の場合、誰が請求するのか

死亡事故では、交通事故に遭った被害者は当然すでに亡くなっています。

死亡事故の場合に、損害賠償や慰謝料を請求することができるのは、「被害者の相続人」です。

相続人は、配偶者や子の有無によって違いが生じます。

配偶者がいる場合 配偶者+子
配偶者がいて子がいない場合 配偶者+被相続人(被害者)の親
配偶者のほかに、子も親もいない場合 配偶者+被相続人の兄弟姉妹
配偶者がいない場合
配偶者も子もいない場合
配偶者・子・親がいない場合 被相続人の兄弟姉妹

なお、配偶者の母胎に胎児がいる場合には、胎児も損害賠償の請求権者となることができます(民法721条)。

この場合には、母親が胎児の法定代理人として請求します。

2.請求できる損害賠償の種類と相場

それでは、死亡事故に遭った際に、加害者に請求できる損害賠償にはどのようなものがあるのでしょうか。

(1) 請求できる損害賠償の項目

交通事故の被害に遭ったときには、積極損害・消極損害・慰謝料を請求することができます。それぞれを簡単に説明すれば、次の通りです。

  • 積極損害:交通事故によって負担が生じた損害(治療費、入院費、葬儀代など)
  • 消極損害:交通事故によって将来得ることができなくなった利益(逸失利益)
  • 慰謝料:交通事故によって被った精神的苦痛に対する賠償

死亡事故であっても、死亡までに治療・入院などが生じた際には、その分の損害を請求することが可能です。

(2) 損害賠償額の相場

上の項目について実際に請求できる金額には、相場があります。交通事故の損害賠償額を算定するときには、実務上、次の3つの算出基準があります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 裁判基準(弁護士基準)

このうち、自賠責基準は、損害賠償を自賠責保険から支払う際の基準で、最低限度の最も低い金額となります。

任意保険基準は、自動車保険会社が独自に用いる算出基準です。

裁判基準は、弁護士が示談する際や裁判で加害者に請求する際の基準となる金額で、最も高額となる算定基準です。

弁護士が介入しない示談交渉で保険会社から提示される損害賠償は、自賠責基準もしくは任意保険基準に基づいて算出されたものです。

そのため、十分な補償を得られないケースも少なくありません。

これらの算出基準について更に詳しく知りたいという方は「慰謝料が2倍、3倍、1000万円差!?弁護士基準と任意保険基準は大違い」をご覧ください。

(3) それぞれの基準ごとの損害賠償額の違い

死亡事故の場合の損害賠償額をそれぞれの算出基準ごとに比較すると、次の表のようにまとめることができます。

損害賠償の内容 自賠責基準 任意保険基準 裁判基準
積極損害 120万円が上限 実費額 実費額
葬儀代 60~100万円 150万円
本人の死亡慰謝料 一家の支柱 350万円(一律) 1700万円 2,800万円程度
母親・配偶者 1400万円 2,500万円程度
その他 1250~1450万円 2,000万円から2,500万円程度
遺族の死亡慰謝料 近親者・遺族| 550~750万円(請求権者の人数による) 本人の死亡慰謝料に含まれる
被扶養者 1人につき+200万円

なお、逸失利益については、次の計算式で計算します。

「基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数」

生活控除率は、自賠責基準によれば、単身者の場合には50%、被扶養者がいるときには、30~40%とされます。

ライプニッツ係数というのは、中間利息を控除するために用いる係数です。

逸失利益は、本来であれば時間の継続に応じて(月ごと、年ごと)に発生すべき金銭ですが、一時金(一括払い)で支払いを受けることが一般的です。そのため、中間利息を控除して賠償額を算出する必要があります。

したがって、ライプニッツ係数は、被害者が若いほど大きくなります。

逸失利益は、被害者の年齢・収入によってかなり異なります。

また、かなりの高額となるケースも少なくないため、遺族としては、今後の生活のためにも、しっかり対応し、適正な補償を受ける必要があります。

逸失利益の計算について、詳細は「後遺障害・死亡事故で請求できる逸失利益の具体例と計算方法を解説」をご覧ください。

3.死亡事故では過失割合が争点となりやすい

交通事故の多くは、当事者の双方に何かしらの過失があることが少なくありません。

被害者側にも一定の過失があるときには、損害賠償額の全額を加害者に負担させることは公平とは言えません。

そのため、当事者の過失の割合に応じて、損害賠償額を調整する必要があります。これを過失相殺と言います。

死亡事故において過失割合が争点となりやすい理由としては、次のような要因が考えられます。

  • 死亡事故の損害賠償は高額になること
  • 死亡事故では被害者が死亡していること
  • 遺族の処罰感情

(1) 死亡事故の損害賠償は高額になること

死亡事故では損害賠償額の合計が1億円を超えるケースも珍しくありません。

損害賠償額が多額になるほど、過失割合によって減額される金額も当然多くなります

たとえば、損害賠償額の合計が1億円となるケースでは、被害者の過失が10%となるだけで、損害賠償額が1,000万円も減ることになります。

そのために加害者(保険会社)側にとっては、過失割合は重大な関心事となることがあります。

(2) 死亡事故では被害者が死亡していること

2つ目の理由としては、死亡事故では被害者がすでに死亡していることが挙げられます。

被害者が死亡している(あるいは重傷のため証言できない)ケースでは、加害者側の証言のみに基づいて事故の状況が把握されることになります。

そのため、被害者にとって納得できない過失割合を保険会社から提示される場合も少なくありません。

(3) 遺族の処罰感情

また、大切な家族を失った悲しみと加害者に対する怒り(処罰感情)から、被害者側の過失を遺族が認めたくないということもありうるでしょう。

被害者がすでにこの世にいない死亡事故では、事故の状況を把握するための証拠を確保することが難しい場合も少なくありません。

証拠の確保は事故から時間が経過するほど困難になることが一般的です。

死亡事故に巻き込まれてしまったときには、できるだけ早い段階で弁護士に相談されることをおすすめします。

4.まとめ

死亡事故では損害賠償額が高額となるケースが少なくありません。それだけに、加害者側の保険会社との交渉は慎重に行うべきと言えるでしょう。

示談交渉のプロである保険会社との示談交渉では、遺族にとって十分とは言えない補償額を提示されることもあります。

また、大切な家族を失った悲しみと、葬儀などを執り行いながら示談交渉を行うことの精神的負担も計り知れません。

死亡事故のケースでは、1日も早く静かな生活を取り戻し、適正な補償を確保するためにも、できるだけ早い時期に交通事故に詳しい泉総合法律事務所の弁護士にご相談・ご依頼ください。

当事務所では、交通事故被害者の方の救済に力を入れております。また交通事故トラブルの知識や経験が豊富な弁護士も数多く在籍しておりますので、安心してお任せいただけたらと思います。

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