慰謝料・賠償金 [公開日][更新日]

交通事故の内容証明は自分で書ける?書き方と送り方を弁護士が解説

交通事故の加害者が任意保険会社に加入しておらず、直接交渉することに…。
最初は「治療費や慰謝料はきちんと払わせてもらいます」と言っていた加害者も、実際に損害賠償の話になると連絡が途絶え始めた…。

このようなケースは、残念ながら実在します。

任意保険会社に加入していない場合、加害者自身が損害賠償の支払いをせねばならず、しっかりと責任を取ってくれない場合もあります。

このようなケースでは、被害者が損をしてしまうことにもなりかねません。しかし、諦めずにご自身で損害賠償請求をすることも可能です。

個人間の交通事故の損害賠償請求で重要なのは、内容証明郵便を送付することです。

ここでは、加害者が示談交渉に応じない場合などに、内容証明郵便を送る方法を詳しくご説明します。
(※泉総合法律事務所では、被害者の方であっても、相手方の加害者が無保険であった場合はご相談をお受けいたしかねますので、何卒ご了承ください。)

1.損害賠償請求を内容証明郵便にするメリット

まず、内容証明郵便を利用するメリットをご紹介します。

(1) 交渉を始めるきっかけになる

加害者が任意保険加入者の場合は、通常、示談交渉は任意保険会社の担当者と行うことになります。
しかし、加害者が任意保険に未加入の場合、交渉は保険会社を通さずに個人間で行わなければなりません。

また、過失割合が10:0の場合は、事故に対する被害者の落ち度が全くないといえるため、被害者の加入する任意保険会社は対応してくれません。

これらの場合、被害者は、治療を行いながらも直接相手方と交渉をしなければなりません。
特に、加害者に誠意がない場合は、治療費や修理費、慰謝料などもなかなか支払われないため、困った事態になってしまいます。

そんなときにまず被害者ができることが、内容証明郵便の送付です。

内容証明郵便は、郵便局が受け取った日付や郵便物の内容を確認し、公的に証明することができる郵便のため、文書で損害賠償請求をする際に利用されています。

損害賠償の具体的内容を決めるため、まずは相手に本気の姿勢を見せることが大切です。正式な文書で損害賠償請求が届けば、相手方も「応じざるをえない」と感じる効果があります。

また、自分の主張をまとめて相手に提示できるため、自分のペースで交渉をスタートできるという利点もあるでしょう。

(2) 証拠力がある

通常の文書や電話などで「損害賠償を支払ってください」ということもできます。
しかし、あなたからの手紙だと分かると、加害者は見ずに捨ててしまう可能性があります。送付したのに相手方に「届いていない」といわれてしまえば、せっかく送った文書も無駄になってしまいます。

この点、内容証明郵便なら、示談に関する被害者の意思だけでなく、いつ通知したのかなどが記録されるため、裁判でも証拠として利用できるのです。

証拠力があるという意味では、内容証明郵便は有効な方法です。

(3) 確定日付が得られる

内容証明郵便を送付する際は、「損害賠償金を支払わない場合には訴訟を提起します」というような文言を入れるケースもあります。

このとき、到着後14日以内など具体的な支払猶予期間を設けるのが一般的です。

通常はいつ届いたのか送り手にはわかりませんが、内容証明郵便で配達証明を利用していれば、到着日もわかります。確定日付がわかれば、裁判でも利用できるというメリットがあるのです。

(4) 相手に対するプレッシャー

受け取った内容証明郵便の内容をみると、「法的措置をとる」と書いてあるため、加害者も何らかのアクションを取りたくなります。心理的にも「なんとかしなければ」というプレッシャーを与えることができます。

これまで対応しなかった加害者自ら連絡をしてくるかもしれません。

2.内容証明の送付が必要なケース

内容証明郵便が必要なケースとしては、以下のような場合が考えられます。

  • 加害者が示談交渉に応じない
  • 加害者と連絡がとれない
  • 示談交渉をスムーズに進めたい
  • 加害者が無保険(任意保険会社の保険に未加入)
  • 示談後に後遺症が発生した場合

加害者が示談交渉をなかなか始めない場合は、こちらから先手を切って内容証明郵便を送るという方法があります。
そうすることで、示談交渉がスムーズに開始され、早く問題を解決することが期待できます。

また、示談後に後遺症が発生した場合でも、内容証明郵便で送付することにより、いつから後遺障害に関する主張をしたのかが明らかとなり、証拠となります。

ちなみに、内容証明郵便の日付確認は、配達証明がないと利用できません。示談交渉の内容証明では配達証明も必須です。

3.内容証明の書き方と送り方

次に、実際の内容証明の書き方をご説明します。

(1) 内容証明に記載すべき内容

内容証明郵便を作成する際は、以下のルールを守るようにしましょう。

その1:本人、郵便局保管、加害者の同じ内容の3つの文書を用意

同じ内容のものを3つ用意してください。すべて郵便局に持っていきます。

複写でも大丈夫ですので、楽な方法を利用してください。

その2:1枚につき520文字まで

文字数は、上記の通り厳格に決まっています。1行の文字なども決まっていますが、内容証明郵便専用の紙が買えますので、それを利用すれば簡単です。

また、「」や、などは1文字として数えてください。

その3:訂正、挿入、契印などの体裁を守る

漢字やかな、数字、必要な場合の英字(固有名詞)以外は使用しないでください。絵文字はもちろん使えません。

枚数が多くなる場合は、つなぎ目に割印が必要です。訂正や挿入が必要な場合は、郵便規則を守って下さい。不安があれば郵便局で聞いてみましょう。

また、資料同封はできません。

その4:内容には、事故状況と損害賠償の内容を書くこと

内容に決まりはありません。しかし、事故状況と損害賠償の内容は必須です。

具体的には、事故の日時、場所、傷害の有無、過失内容、損害賠償の額、支払期日です。

 

以上が、記載方法となります。インターネット上に交通事故の示談書の見本がたくさんありますので、参考にしてみるのも良いでしょう。

(2) 交通事故の損害賠償請求|内容証明見本

損害賠償請求書

 

私は、平成30年4月8日15時30分頃、東京都○○区△△町2丁目交差点で、貴殿が運転する普通乗用自動車に追突されました。
この追突事故は貴殿の動静不注視により発生したものです。
この事故により私が所有する普通乗用自動車は破損し、頚椎捻挫という負傷で治療が必要となりました。下記のとおり合計金額2,600,000円の損害を被りました。

 

一、修理費 金300,000円
二、治療費(治療関係諸経費含む) 金800,000円
三、休車損害 金600,000円
四、慰謝料 金900,000円

 

貴殿には損害賠償の責任があります。
そこで、本書面到達後14日間以内に損害金全額2,600,000円をお支払いくださいますよう請求いたします。
もしこの期間内に支払いがない場合には、法的手段をとらざるを得ませんのでご了承ください。

(3) 内容証明郵便の出し方

内容証明郵便を出す際に確認しておくべきことは以下の3点です。

  • 場所:集配郵便局・支社が指定した郵便局で提出
  • 提出する物:内容文書、その謄本2通、封筒、郵便料金
  • 料金:1通あたり1,200円程度

内容証明郵便はどこでも出せるというわけではありません。あらかじめ最寄りの郵便局で、どこで出せるのか確認しておきましょう。

持っていくものは、文書3通と封筒になります。封筒には差出し人と受取人をあらかじめ書いておきましょう。
利用料金は、基本料金に一般書留の料金、内容証明の料金がかかるため、1通につき1,200円程度かかります。

注意点としては、必ず配達証明をつけること、そして文書以外の資料などは送付できないため同封しないことです。

4.内容証明郵便のデメリット

最後に、内容証明郵便のデメリットについて説明します。

内容証明郵便を送ることで被害者に大きなデメリットは考えられませんが、あるとすれば以下の3点です。

(1) 作成が面倒でお金がかかる

内容証明郵便にすればどんな文書でもOKというわけではありません。
損害賠償を請求するなら、きちんと体裁を整えて文書を作成し送付しなければいけません。これは作成者にとって面倒に感じられることもあります。

また、送付に多少の料金がかかるため、これもデメリットといえるかもしれません。

(2) 慰謝料などの相場がわからない

損害賠償を請求するということは、その額も明確に記載しなければいけません。

治療費や車の修理費などは、実際にかかった費用を記載すれば良いかもしれませんが、慰謝料は別途問題が残ります。実際にどれくらいが妥当な金額かわからない方も多いからです。

自分で勉強して、慰謝料を計算して金額を割り出すのは大変かもしれません。

(3) 送付=解決ではない

内容証明郵便を送ればすべて解決!というわけではありません。基本的には「交渉がスタートしたにすぎない」と考えましょう。

損害賠償金額をつきとめて相手に請求したからといって、すぐにお金が振り込まれるわけではないのです。

内容証明郵便による損害賠償請求は、相手方に被害者の意思表示を行う法的手段の1つにすぎず、法的拘束力はありません。実際に示談がまとまった場合や裁判が終結した場合に法的拘束力が得られます。

5.交通事故のお悩みは弁護士に相談を

交通事故の示談交渉に難航している場合、弁護士にお任せいただければ、被害者の方は安心して治療に専念していただけるはずです。

交通事故でお悩みの被害者の方は、是非一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。交通事故に強い泉総合法律事務所の弁護士が、事故解決に至るまで責任もってサポートさせていただきます。
(※泉総合法律事務所では、被害者の方であっても、相手方の加害者が無保険であった場合はご相談をお受けいたしかねますので、何卒ご了承ください。)

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