慰謝料・賠償金 [公開日]2022年1月12日

交通事故の被害者が慰謝料をもらえないケースはある?

交通事故の被害者になると、さまざまな不便を余儀なくされます。
これを金銭的に償うことが交通事故における慰謝料の意義となりますが、実際には、加害者側の保険会社が慰謝料の支払いを拒むケースや、支払額が思っているよりも少ないケースがよくあります。

慰謝料の支払いを満足に受けるには、弁護士に交渉を任せるべきと言えます。

今回は、交通事故被害で慰謝料がもらえないケース、減額されてしまうケースについて解説します。

1.交通事故における慰謝料の意義

まずは、交通事故における慰謝料の内容や意義、そして種類について簡単にご説明します。

(1) 交通事故における「慰謝料」とは?

交通事故で怪我をしてしまうと、通院・治療しなければならないだけでなく、これまで通りの日常生活を送ることが難しくなるケースもあります。
場合によっては、後遺症によりこれまでの仕事に従事できなくなるなど、日常生活が一変することもあります。

就業状況の変化、日常生活の変化、身体における被害などによって被害者が精神的苦痛を受けたケースで、これを金銭的に償うことが交通事故における慰謝料の意義となります。
すなわち慰謝料は、交通事故により、怪我や通院、入院等を余儀なくされたことの精神的苦痛に対する賠償金です。

交通事故にて人身事故被害に遭った場合には、原則としてこの慰謝料を加害者に請求することが可能です。
(自動車を運転する人は最低限でも自賠責保険、一般的には任意保険にも加入していますので、保険会社に慰謝料請求を行うことになります。)

また、交通事故には「示談金」という言葉もあります。
示談金は当該交通事故に関する全ての損害に対する損害金のうち、被害者と加害者が合意した金額のことを指します。これには、車の修理費や慰謝料も含まれます。
つまり、慰謝料は示談金のうちの1つの項目のことをいいます。

[参考記事]

交通事故時に加害者に請求できる損害項目・お金一覧

(2) 慰謝料の種類

交通事故の慰謝料には、3つの種類があります。

  • 傷害慰謝料(入通院慰謝料)
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

傷害慰謝料(入通院慰謝料)とは、交通事故で怪我をしたときに加害者に請求できる慰謝料です。
交通事故で怪我をした場合には通院や入院を余儀なくされますが、これをしなければいけなくなったことに対する慰謝料となります。

傷害慰謝料の金額は、怪我の程度や入通院の期間等によって判断されます。
完治しない場合には、医師が「これ以上治療を続けても改善しない」と判断する症状固定日までの期間の慰謝料を受け取ることになります。

治療を続けても完治せず、後遺症が残ると就業能力にも問題が発生するため、傷害部分とは別に後遺障害としてその精神的苦痛を賠償することが認められています。これを後遺障害慰謝料といいます。

後遺障害慰謝料は後遺障害認定を受ける必要があり、症状に応じた等級が認定された場合には、等級に応じて慰謝料額が決まります。

最後に、死亡慰謝料は、交通事故により被害者が亡くなってしまった場合に受け取れる慰謝料です。交通事故後に入院して亡くなった場合には、傷害慰謝料と死亡慰謝料の両方を請求できます。
(当然ですが、請求できるのは本人でなく被害者の両親、配偶者、子どもなどになります。)

交通事故被害で請求できる賠償金・慰謝料の種類とは?

[参考記事]

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2.慰謝料がもらえない・減額されるケース

さて、上記のような慰謝料がもらえないケースとしては、「物損事故の場合」と「時効成立の場合」が考えられます。
また、人身事故でも減額されてしまうケースもありますので、これらを見ていきましょう。

(1) 物損事故

先にお話ししましたが、交通事故に関する慰謝料は「交通事故による怪我に対する精神的苦痛を賠償するもの」です。
つまり、怪我をしていない場合は想定されておらず、物損事故の被害では慰謝料は受け取れないということになります。

もっとも、物損事故でも財産的被害に関しては損害が認められるため、車の修理費等の被害については賠償可能です。

また、例外的に物損であっても慰謝料が認められるケースもあります。例えば、同乗していたペットが亡くなった場合やマイホームが損傷した場合などです。
とは言え、慰謝料が認められるかどうかはケースバイケースとなりますので、慰謝料を実際に請求できるかは弁護士に相談すべきです。

また、事故当初は物損として届け出をしたものの、後からむち打ちなどの痛みが発生することがあります。この場合は人身事故への切り替えを行うことにより、慰謝料請求が可能になります。

[参考記事]

物損事故から人身事故への切り替え注意点!手続方法・期限など

(2) 時効が成立した

交通事故の慰謝料請求はいつまでもできるわけではありません。慰謝料請求には消滅時効というものがあり、一定期間請求しなかった場合には請求ができなくなってしまいます。

交通事故の場合の時効に関しては、以下の2つのケースを知っておく必要があります。

  • 自賠責の消滅時効:3年(※2010年3月31日以前の事故は2年)
  • 民法上の消滅時効:5年(※2020年4月1日より前の事故は3年)

加害者側の自賠責保険会社への請求の消滅時効は、傷害慰謝料に関しては事故日から3年、後遺障害は症状固定日(あるいは認定日)から3年、死亡慰謝料は死亡日から3年となっています。

民法上(加害者本人・任意保険会社への請求)の消滅時効は、被害者が交通事故による加害者及び損害を知った時から5年です(民法724条2号)。ひき逃げなどで加害者が判明しなかった場合は、不法行為の時から20年で消滅時効となります。
原則として人身事故の場合は、怪我が完治した日か症状固定と判断された日から時効が進行します。

交通事故の請求について、時効は存在しますか?(よくある質問)

このように説明すると「時効までは時間がある」と考えてしまいがちですが、実際には思っているより早く時間が経過するものです。
また、症状固定日に争いがあれば、起算日・時効の完成日も異なりますので、時効について心配な方は弁護士にご相談ください。

(3) 人身事故でも十分にもらえない(減額される)場合

人身事故の被害者なら、原則として慰謝料を請求することができます。
しかし、場合によっては思っているよりも金額が少なくなってしまうことも想定できます。

慰謝料を減額されてしまうケースとしては、以下が考えられるでしょう。

  • 医師の指示に従わずに通院した(通院をやめてしまった・整骨院に通ったなど)
  • 弁護士基準で計算していない
  • 後遺障害認定に失敗した(等級が低い、等級が認められない)

よくあるのは医師の指示に従わなかったというケースです。例えば、医師の同意を得ずに整骨院に通院してしまうと、その期間が治療期間として認められないことがあります。
事故後は必ず整形外科に行って医師の診断を受けること、そして整骨院に行く場合は医師に相談し許可を得ることが重要です。

また、忙しいことを理由に医師の指示通りに通院せず、通院回数が少ないケースもあります。慰謝料額は入通院の期間や回数をもとに算出されるため、通院回数が少なければその分慰謝料額も減ってしまいます

[参考記事]

交通事故のリハビリは毎日通院?|慰謝料と通院日数・頻度の関係

保険会社の提示する慰謝料額に不満を感じる方も非常に多いです。保険会社が提示する慰謝料額は、保険会社独自の基準により算出しているため、弁護士が算出する金額よりも少なくなってしまいます。

この場合は、弁護士に相談して示談交渉を代理してもらうことが重要です。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

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後遺障害が残ってしまった場合には、適切な等級を得ることが必要です。

先にご説明した通り、後遺障害慰謝料は後遺障害等級認定で等級が付与されない限り請求することができません。申請に関して準備不足があったりすると、等級が下がってしまったり、認定を受けられなかったりすることがあります。

そうすると後遺障害慰謝料の金額が低くなる、もしくは0になってしまうこともあり得ます。後遺障害認定に不安がある方は弁護士にご依頼ください。

[参考記事]

後遺障害等級とは?認定機関による認定方法とその流れ

3.正当な金額の慰謝料獲得には弁護士のサポートが必要

先にお話しした通り、保険会社が提示してくる金額は任意保険会社独自の基準によって算出された慰謝料額です。

慰謝料計算の基準としては、自賠責基準、任意保険会社基準、弁護士基準(裁判基準)の3つがあり、慰謝料額を高く算出するためには弁護士に依頼の上で弁護士基準を採用する必要があります。

また、相手方との示談の進め方によっては、最終的な賠償金額が少なくなってしまうこともありますので、示談交渉は慎重に進めていく必要があります。
しかし、交渉の相手である任意保険会社は示談交渉のプロですので、被害者だけでは圧倒的に不利です。

弁護士なら、被害者が受け取るべき適正な金額を主張することができます。

交通事故被害でお悩みの方、提示された賠償金額・慰謝料に納得できないという方は、示談に合意してしまう前に、泉総合法律事務所の無料相談をぜひご利用ください。

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