慰謝料・賠償金 [公開日]2020年5月27日

交通事故の後遺障害慰謝料の相場はいくら?

交通事故で後遺症が残ってしまったら、これまでの生活が一変します。働き方が変わってしまうことも多いため、できるだけの補償を受け取るべきです。

しかし、最終的にいくらの慰謝料がもらえるのだろうかと不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、交通事故で後遺症が残ってしまった方のために後遺障害慰謝料について解説します。

1.後遺障害慰謝料とは

交通事故で後遺症が残ってしまうと、治療費だけでなくリハビリ費用、これまでのように働けなくなった分の生活費などさまざまな費用がかかってきます。

これら全てを被害者が負担するのは不公平であるため、交通事故の補償においては後遺障害慰謝料という形で損害賠償請求をすることができます。

慰謝料という名前がついているため、「入通院慰謝料に含まれてしまうのでは?」と不安になる方がいますが、これとは異なります。
後遺障害が残ると、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料が受け取れるのです。

入通院慰謝料については、以下のコラムで詳しく説明しています。

[参考記事]

交通事故のリハビリは毎日通院?|慰謝料と通院日数・頻度の関係

「後遺障害」とは、交通事故の後遺症であり、後遺障害認定等級制度において法が規定する後遺障害の等級が付与された場合のものを指します。

交通事故の怪我が完治しなかった場合には、後遺障害認定というものに申請し、これの審査の結果1級から14級までのいずれかの等級が付与された場合に初めて後遺障害慰謝料が受け取れる仕組みとなっているのです。

後遺障害慰謝料に関しては、ご自身で請求する被害者請求を行うか、事前認定といって任意保険会社を通して後遺障害等級認定を申請する方法のどちらかを選択します。

【自賠責以外にも生命保険などから保障が受け取れる】
自動車事故に遭われた場合、自賠責保険や任意保険以外にも補償を受けることができる保険は多くあります。例えば、生命保険です。もしご家族が事故で亡くなった場合には、自賠責保険や任意保険だけでなく生命保険も請求できます。
これ以外にも団体傷害保険は、日常生活の怪我や交通事故による入院・通院・死亡等を補償する保険ですので、請求可能です。さらに、加入している内容によっては傷害保険や各種共済にも請求できる可能性があるため、ご自身が加入している保険を一度ご確認いただくことをおすすめいたします。
また生命保険を受け取ったからとって、自賠責保険や加害者の任意保険から受け取れる金額が少なくなる等はありません。あくまで自賠責保険、任意保険を軸に他の保険でプラスの補償を受けとれるということです。
ちなみに「自賠責保険に請求すれば生命保険や団体傷害保険にも請求可能?」と勘違いされている方もいますが、生命保険や団体傷害保険、その他の保険とは別の保険です。そのため請求の際は別々に行う必要があります。

2.後遺障害慰謝料の相場と計算方法

次に、後遺障害慰謝料を算出するための基準と、交通事故でよくあるむち打ちを例に後遺障害の相場をご説明いたします。

(1) 後遺障害慰謝料を算出するための3つの基準

後遺障害慰謝料を算出するためには、どんな複雑な計算方法を用いているのだろうかとイメージされる方も多いでしょう。

実際のところは、誰が見てもわかりやすい等級ごとに決められた慰謝料表があります。

もっとも、3つの基準表があるため、どれを見るかによって大きく後遺障害慰謝料は変わってきます。

ベースとなる基準としては、自賠責基準があります。自賠責保険が規定する基準であり、被害者が受け取れる最低限の後遺障害慰謝料を規定したものとなります。
この次に任意保険基準です。これは任意保険が独自に規定する表に従い算出するものです。これは公表されていませんが、通常自賠責基準より少し高い額が定められています。

最後に、裁判基準(弁護士基準)です。弁護士に依頼した場合や訴訟になった場合に適用される基準で、日弁連交通事故センターが発行する損害賠償額算定基準(通称、赤い本)を用いて計算する方法となります。
裁判基準は3つの基準の中でも一番高額な慰謝料が算出できます。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

参考に、自賠責基準の表を記載します。

(2) むちうちの場合の後遺障害慰謝料額の相場

交通事故ではむち打ちの症状を発症する方が非常に多いといわれています。軽い怪我と考えられがちですが、実際は後遺障害が残ってしまうこともあるのです。

[参考記事]

交通事故のむち打ち症で後遺障害認定を受ける方法

むち打ち症では、14級と12級を獲得するケースが多いため、この場合の慰謝料相場をご説明します。

まず、自賠責基準の場合は上記の表を見てもらうと分かる通り、14級で32万円、12級で93万円が請求できることがわかります。
しかし、自賠責基準は最低限度の補償と考えるべきなので、別の基準でも相場を見てみる必要があります。

一番高額である裁判基準ではどうなるかというと、14級で110万円、12級で290万円となります。

以上から、むち打ちの後遺障害慰謝料相場としては、32万円〜290万円という幅を持った数字になるでしょう。

(3) 後遺障害が残ったら逸失利益の請求も

後遺障害が残ってしまった場合は、逸失利益の請求も行うことができます。
逸失利益とは、交通事故がなければ得られたであろう収入のことを指します。

治療中に会社を休まなければいけなかった場合には休業損害が賠償されますが、症状固定以後は支払いの対象とはなりません。その代わりに、将来的な休業補償をするための補償が逸失利益となります。

上記で示した慰謝料相場に関しては、後遺障害慰謝料だけの金額です。これに加わり逸失利益も請求できるため、総合的にいくらもらえるのかを計算しておくと良いでしょう。

逸失利益の計算方法は、以下の通りです。

逸失利益 = 基礎収入額 × 労働能力喪失率 × 対象年数のライプニッツ係数

労働能力喪失率については、後遺障害慰謝料と同様に等級ごとに定めています(自賠責基準で14等級の場合は5%、12等級の場合は14%など)ので、どの等級を獲得するかが非常に重要となります。

後遺障害等級認定を申請する場合は、適正な等級を獲得できるように準備することが大切です。

[参考記事]

後遺障害・死亡事故で請求できる逸失利益の具体例と計算方法を解説

3.後遺障害慰謝料の金額が適切か確認する方法

後遺障害慰謝料について任意保険会社から提案を受け、金額を確認したものの「適切な金額かわからない」といったケースもあり得ます。

後遺障害慰謝料の金額が適切かわからない場合は、裁判基準と比較してみましょう。

裁判基準と比べて金額が少ないようであれば、弁護士に相談すべきです。というのも、弁護士が交渉することによって金額を大きく増額させることが可能なこともあるからです。

等級にもよりますが、場合によっては数十万円単位ではなく数百万円単位で損をしてしまう可能性もありますので、「少ないかも?」と思ったら、遠慮せずに弁護士へ相談しましょう。

ちなみに、最終的な損害賠償金の支払額は等級ごとに定められた金額とは異なることがあります。これは過失割合によって被害者の過失が認定されるケースがあるためです。

自分の弁護士基準による損害賠償額がいくらか知りたい場合は、自動計算機を是非ご利用ください。
交通事故の慰謝料相場計算機(自動計算シミュレーション)

4.後遺障害認定等級結果で「非該当」を受け取った場合

後遺障害等級認定を申請した結果、「非該当」という通知を受け取ることがあります。

これは、等級が付与されないという通知です。
非該当結果を受け取ると、後遺障害が認定されないため、後遺障害に関する補償が受け取れなくなってしまいます。後遺障害慰謝料も逸失利益も等級付与が前提となっているためです。

交通事故の後遺症が残ったのに等級が付与されなかった場合は、異議申立てを行うことができます。これにより再度審査をしてもらえるため、一度否定されても等級が付与される可能性が残るのです。

もっとも、初回の認定時には付さなかった新たな医証を添付する等して、申請内容を変えないと結果を変えることは難しいでしょう。

非該当となる理由はさまざまですが、適切な診断書や検査結果を添付していない可能性もあります。希望等級を獲得したい場合は、一度弁護士に確認してもらい、入念に書類準備を行い再度申請するべきです。

事前認定に対する異議申立てとは?|方法と注意点

[参考記事]

事前認定に対する異議申立てとは?|方法と注意点

一度非該当結果が出たからといって、諦めてはいけません。希望等級を獲得するためにも弁護士にご相談ください。

5.交通事故の後遺障害慰謝料請求は、弁護士に相談を

交通事故で後遺障害が残ったら、後遺障害等級認定を受けるべきです。これにより、初めて行為障害に関する慰謝料や逸失利益が受け取れます。

申請したものの、希望等級を獲得できない、非該当となった、という残念な結果を受け取った場合でもすぐに諦めてはいけません。
申請内容を確認した上で異議申立てをすれば、場合によっては希望等級獲得が叶うこともあります。

後遺障害慰謝料に納得できない方は、泉総合法律事務所にご相談ください。弁護士が適正金額の慰謝料を獲得するため、全力でサポートいたします。

ご依頼をお悩みの方も、一度ご相談ください。
初回のご相談は無料です。
まずはお気軽にお問い合わせください。
0120-260-105
【通話無料】電話でのご相談はこちら
平日 9:00〜21:00 / 土日祝 9:00〜19:00
お問い合わせは全国から受け付けております。