慰謝料・賠償金

示談金を早く支払ってほしい!事故発生後、いつ支払われる?

示談金を早く支払ってほしい!事故発生後、いつ支払われる?

【この記事を読んでわかる事】

  • 交通事故における示談金とは具体的にどのような内容なのか
  • 示談金額が決定するまでの流れ
  • 加害者からの示談金はいつ頃支払われるのか

交通事故に遭ってしまった場合、入院や治療費、弁護士への依頼費用などさまざまなお金がかかってきます。

被害者としては、示談金でまかなえると考えている方も多いでしょう。

しかし、示談金がなかなか支払われないため、「いつになったら支払われるんだろう?」と疑問に思っている方も多いはずです。

そこで、今回は、示談金の基本や示談金が支払われるまでの流れ、そして示談金が支払われるまでの期間について解説いたします。

1.示談金について

まずは、示談金の中身について知っていきましょう。

示談金には何が含まれるのか、慰謝料とは何が違うのか、示談交渉で問題になるのはどのような点かについてご説明します。

(1) 示談金とは?

では、示談金とはどのようなものを指すのでしょうか。これに応えるためには、まず「示談とは何か」を理解しなければいけません。

①示談

示談とは、被害者・加害者両者の合意によって自主的に紛争を解決することを指します。簡単に言うと、「話し合いで解決しましょう」ということです。

交通事故だけでなく、さまざまな私人間の紛争で示談が行われています。

示談は、法律上は「和解」という言葉で表現されています。

民法695条には、「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。」と規定されており、当事者の互譲により話し合いをまとめて、紛争を解決することが和解であると記されています。

和解=示談を行った場合には、基本的には後から他の損害がわかったとしても、請求することができなくなってしまいます。

②示談金

次に、示談金についてです。

示談金とは、損害賠償金のことです。交通事故の場合、加害者によって引き起こされた交通事故が原因で、被害者にはケガや車両の損傷という損害が発生します。

そのため、被害者は不法行為に基づく損害賠償金を請求できることになるのです(民法709条、710条)。

損害賠償金には、治療費や慰謝料、修理費など交通事故で損害を被ったさまざまなものの金額が含まれています。

示談金は、当事者間の交渉で金額が決定します。

交通事故における紛争のほとんどは、この示談によって解決しています。9割以上は示談によって解決しているといっても過言ではないでしょう。

加害者・被害者が話し合い、加害者が被害者に交渉により決まった額のお金を支払うことにより、問題を解決することになります。まとめた内容については、示談書が作成されます。

このように、示談金とは、当事者間の交渉で合意した損害賠償金のことです。一度示談を行うと、追加請求などは基本的にはできません。

(2) 慰謝料=示談金ではない

では、慰謝料と示談金は違うものなのでしょうか。

よく、慰謝料と示談金とを混同されて使用されている方もいらっしゃいます。しかし、厳密には異なります。

具体的には、慰謝料は示談金の1つであるということです。示談金は、交通事故に関するすべての損害に関する金額の総称ですが、慰謝料はこのうちの一部でしかないということになります。

では、慰謝料はどのようなものなのでしょうか。

慰謝料とは、交通事故被害に遭ったこと、ケガを負ったこと等に対する精神的・肉体的空痛に対する償い金のことです。

修理費や治療費などは、かかったすべてを加害者が負担してくれますが、被害者が苦しんだ気持ちはここには含まれていません。

そこで、治療費や入院費、修理費などとは別に精神的苦痛に対する償い金を慰謝料として請求することができるようにしたのです。

慰謝料の額についても、示談交渉の一部として当事者間で金額の交渉が行われます。

修理費や治療費などは、かかった実費が損害賠償額の一部となるため、金額も把握しやすいですが、慰謝料額については曖昧です。

これについては、自賠責による基準や任意保険会社による基準、弁護士による基準などがあり、それぞれケガの程度等に合わせて金額の相場が決められています

当事者は、このような基準にもとづき、実際の金額を交渉していくのです。

慰謝料は、他の損害賠償金の項目と「金額を決める基準」という点で少し違いがあることも理解しておくと良いでしょう。

(3) 示談交渉で問題となる事情

示談金の交渉は、いくつかのポイントがあり、その点において当事者の主張が異なると、示談成立までの期間が長くなってしまうことがあります。

具体的には、①過失割合、②慰謝料額、③後遺障害等級、の3つの点においてよく問題となります。

①過失割合

過失割合とは、交通事故に対して当事者のそれぞれがどの程度の落ち度があるのかを割合にしたものです。「8:2」というように表現されます。

例えば、被害者は、加害者が一方的に交通事故を引き起こしたため、過失割合は10:0のはずであると主張する一方、加害者は被害者にも落ち度があったとして8:2であると主張することがあるのです。

このように、過失割合に争いがある場合は、交渉が難航します。

②慰謝料額

慰謝料額についても、被害者が納得しない場合示談はできません。加害者が任意保険会社に加入している場合、被害者は任意保険会社と交渉をすることになります。

保険会社は、会社独自の基準によって慰謝料を算出し、被害者に提案してきますが、これが「低すぎる」として納得できないケースがあるのです。

この場合は、金額面の交渉をしなければいけません。

交通事故で後遺障害が発生した場合、後遺障害等級というものを申請し、認めてもらうことになります。

しかし、被害者が望む等級が認定されない場合には、異議申し立てを行うなど、等級認定を争わなければいけない事態となるのです。

等級によって損害賠償金額が大きく変わるため、ここは被害者にとって譲れないポイントにもなってきます。

これら以外にも、加害者が任意保険に加入していない場合には、示談金額が低くなってしまう、実際に支払いが行われない等のトラブルもあります。

このように、示談交渉で問題となる事情には、ポイントがあります。

逆にいえば、この点をしっかり交渉していくことが、被害者として重要なことともいえます。

2.示談金の支払いまでの流れ

示談金の支払いまでの流れ

次に、交通事故発生から示談金が支払われるまで流れについてご説明いたします。

(1) 交通事故発生から治療、保険会社との交渉

まず、交通事故発生から保険会社との交渉までの流れを見ていきましょう。

①救急車、警察へ連絡

交通事故が発生した場合、最初に行うのは相手の身元確認と人命救助です。

お互いケガをしている場合には、周囲に助けを求め、救急車と警察に連絡してもらいます。自分でできそうな場合は、加害者を頼らず自ら警察や救急車に連絡をしましょう。

警察や救急車が到着するまでの時間は、ほんの数分程度です。10分もかからないうちに現場に到着します。

すぐに治療すべき重傷の方は救急車で運ばれますが、軽症の場合はその場で警察の事情徴収や実況見分に立ち会います。警察からは、事故の状況等を事細かに聞かれることになります。

軽い物損事故の場合は警察に連絡しない方もいらっしゃいますが、警察からもらえる事故証明を取得しないと保険金がおりません。そのため、警察には必ず連絡するようにしましょう。

【参考】裁判の証拠にもなる!交通事故の供述調書・実況見分書とは?

②保険会社へ連絡

警察への報告が落ち着いたら、それぞれ保険会社に連絡します。

加害者が任意保険会社に加入している場合には、今後のやりとりは主に保険会社の担当者と被害者のやりとりとなります。

被害者にも過失があった場合には、被害者の保険会社が代わりに交渉をしてくれる場合もあります。

③保険会社との交渉

保険会社とのやりとりでは、まずは治療する病院や連絡先を教えることになります。

一括対応といって、治療費等は直接保険会社から病院へ支払ってくれることも多いようです。その後は、保険金を受け取るためのいくつかの書類手続きを行います。

治療が長く続くと、保険会社の担当者から医療照会の依頼をされることがあります。その結果を踏まえて、治療費支給の打ち切りの交渉が始まります。

被害者が納得できない場合でも、打ち切りは行われるようです。

被害者としてできることは、弁護士を間にはさみ、打ち切りを防いでもらうことになります。

④後遺障害認定を申請

ケガが完治しない場合には、いったん治療を終了させ、後遺障害認定を受けることになります(症状固定)。

後遺障害認定を受けた時点で、治療の段階は終了することになります。

(2) 示談交渉、損害賠償額の確定、保険金の支払い

次に、示談交渉から保険金の支払いまでの流れをご説明します。

①示談交渉

ケガが完治し治療が終了した時点、あるいは後遺障害等級認定の等級が確定した時点で示談交渉を開始することになります。

示談交渉では、過失割合、慰謝料額等が話し合われます。

示談の内容、金額等にお互い折り合いをつけた時点で、示談は成立します。示談成立後は基本的に、新たな請求をすることができません。

そのため、示談交渉で金額に折り合いがつかない場合は、諦めずに交渉しましょう。

必要があれば弁護士に依頼して、増額を求めることもできます。

②示談金の支払い

示談成立後は、示談書が作成されます。示談書については「交通事故の示談書-損保会社から示談をしろと言われたらどうする?」で詳しく説明しています。

保険会社から免責証書というものが送られてくるため、この内容を確認した上で署名捺印し保険会社に返送することで指定口座に一括で示談金が振り込まれます。

このような流れで、交通事故発生から示談金支払いまでが進んでいきます。

もっとも、これは人身事故を想定した流れですので、物損の場合は下記を確認してみてください。

(3) 物損事故の場合は、すぐに示談交渉開始

では、物損事故の場合は、どのような流れで進んでいくのでしょうか。

軽い物損事故の場合は、人身事故のように、解決までに多くの時間を要しません。

治療という工程がないため、事故後すぐに示談交渉を開始することも可能です。

具体的には、下記のような過程を経て、示談支払いまでが行われます。

  1. 交通事故発生
  2. 警察に事故報告
  3. 加害者・加害者の保険会社との示談交渉開始
  4. 示談成立、示談金支払い

軽い事故の場合は、警察に報告もせず、当事者間でメモやメールのみのやりとりで修理費を支払い、終わらせることがあります。

しかし、これはあまりおすすめできません。なぜなら、後で痛みが発生し人身事故に切り替える、治療費を請求するということも考えられるからです。

軽い事故であったとしても、必ず警察に報告し、少しでも痛みがある場合は面倒がらずに警察に報告するようにしてください。

そして、保険会社に連絡するなど、適切な手順を踏んで交通事故の紛争を解決してください。

このように、物損事故の場合は、治療の工程がないためスムーズに示談成立まで進みます。

しかし、早く終わらせたい気持ちから「痛みを報告しない」ということはやめましょう。後でトラブルになります。

物損事故から人身事故へ切り替えたいという方は「物損事故から人身事故への切り替え注意点!手続方法・期限など」をご覧ください。

3.示談金はいつ支払われる?示談までにかかる期間

次に、示談までにかかる期間についてご説明します。

(1) 示談成立までにかかる期間は、内容によって異なる

①示談内容に争いがない場合

まず、示談の内容について当事者に争いがない場合には、3ヶ月以内に示談成立となることが多いでしょう。

ケガの度合いにもよりますが、治療が早く終わればその分交通事故の問題集結までの期間が短くなります。

ただし、早く終わらせるために「治療を継続しない」という選択はやめてください。

何度も言いますが、示談後は後で請求することが原則としてできないことを覚えておいてください。

②損害額や過失割合に争いがある場合

次に、損害額の点で当事者の折り合いがつかないケースです。

損害額のみが問題と成っている場合には、比較的早く決着がつくケースが多く、これも3ヶ月以内にまとまることが多いでしょう。

他方、過失割合に争いがある場合は、交渉が難航しがちです。

人身事故でなくとも、大きな物損事故であれば主張に食い違いが出ることも多々あり、時間がかかります。

3ヶ月以上かかることもあり、場合によっては裁判まで長引いてしまう可能性があります。裁判となる場合には、1年以上かかってしまうこともあります。

また、後遺障害認定等級について、被害者の希望した等級が認められなかった場合には、示談交渉も長引いてしまいます。

再申請などの手続きも必要なため、6ヶ月〜1年以上かかることもあります。

③示談成立から支払いまでの期間

示談が成立した後は、通常1-2週間程度で支払いとなります。

示談成立後は、書類手続きを行う必要があるため、このやりとりに1-2週間というイメージです。保険会社に書類を返送した後は、数日程度で振り込まれることもあります。

このように、争いの内容によって、示談成立までの期間は変わります。

弁護士に依頼するのか、ご自身で行うのかによっても期間はかわってくるため、一応の目安として理解するようにしてください。

(2) ケガが完治・症状固定しないと示談交渉が始められない

では、示談交渉について他に知っておくべきことはあるのでしょうか。

まず、大きなポイントとして、「示談交渉は治療が終了しないと始められない」ということを理解しておきましょう。

示談交渉は、交通事故に関する紛争を終局的に解決するための話し合いです。そのため、損害額が確定できない場合には、交渉を始められません。

例えば、治療が継続中という場合は、この先どのくらいの治療費がかかるのかわかりません。

そのため、確定的な損害額を見積もることは難しくなります。したがって、示談交渉は、治療終了後でないと始められないのです。

原則として、治療終了後ですが、ケガの状態によってはなかなか完治しないこともあります。治療を続けていてもこれ以上良くはならないと医師が診断することもあるでしょう。

この場合は、症状固定という診断が出されここから後遺障害等級認定の申請を行うことになります。

後遺障害等級の認定結果がでたら、示談交渉が始められます。

このように、示談交渉は、治療終了後でないと始められません。

焦って治療をやめてしまうのは絶対いけませんが、無理やり長引かせてもなかなか示談がまとまらず早期解決が望めないという結果になってしまいます。

(3) 死亡事故の場合は、49日の法要後から示談交渉を開始

では、死亡事故となってしまった場合は、いつから示談交渉を開始すれば良いのでしょうか。

残念ながら、死亡事故となってしまった場合には49日の法要後に示談交渉を開始するのが通常です。

死亡事故のケースの場合、遺族は入院・治療、そしてお葬式の準備などでしばらくは大変忙しくなってしまいます。また、感情面でも辛い気持ちがのしかってしまうため、すぐに示談交渉を開始することはできません。

交渉するためには、ある程度冷静になった後から始めることが必要です。

そのため、現実的に考えても、49日の法要後から示談交渉を始めるのがベストでしょう。

死亡事故の場合、遺族が加害者に対し損害賠償を請求できますが、誰でもできるわけではありません。民法886条以下で相続人として規定されている方のみが請求することができます。

配偶者、子、必ず請求することが可能ですが、親や兄弟は場合によっては請求できない場合もあります。

また、遺言がある場合にはそれに従います。詳しくは、弁護士までご相談ください。

このように、死亡事故の場合は49日の法要後から示談交渉を開始します。遺言がある場合や、相続人が誰になるのかなどよくわからない方は、弁護士に相談してみてください。

4.示談金について疑問がある場合は、弁護士に相談を

交通事故の被害に遭ってしまった場合、加害者からどのくらいの示談金を受け取れるのか気になる方も多いでしょう。また、いつ支払われるのかという点も重要です。

しかし、まずは治療に専念することが大切です。治療が終わらない限り、示談交渉を始めることはできませんし、交渉を始める体力・精神力も少しずつ回復させなければいけないためです。

示談交渉が進むにつれ、「示談金の金額が妥当なのかわからない」「慰謝料はアップできないの?」「逸失利益ってなに?」などさまざまな疑問が湧いてくる方もいらっしゃるでしょう。

このような疑問は、ぜひ弁護士に相談してください。

大まかな相場はインターネットで調べればわかるかもしれません。しかし、個別の案件において実際に示談金がいくらになるのか、相場がどれくらいになるのかは、事案を見てみないと判断できないことも多いのです。

弁護士に任せてしまえば、交渉ごとは自分で行わずに済みます。任意保険会社と素人の交渉という不利な前提も、変えることができます。

弁護士が代理交渉をすれば、弁護士基準で慰謝料を算出することができるため、慰謝料額の増額も望めます。

特に、大きな怪我で治療が大変だという方は、早めに弁護士に相談してください。後遺障害が残ってしまった場合にも、手続きを最後までサポートします。

適正な額の示談金を勝ち取るためにも、交通事故トラブルの解決は、泉総合法律事務所の弁護士にお任せください。

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