慰謝料・賠償金 [公開日]2018年8月8日[更新日]2020年4月28日

軽い接触事故の示談交渉|事故直後に自分でしてはいけない理由

交通事故は、人によっては一生に一度あるかないかの出来事です。
ですから、ある日突然交通事故に遭ってしまった場合にはパニックになり、加害者側の言われるままに自己判断でその場で示談書にサインしてしまい、警察にも届けない、といったケースはよくあります。

しかし、いかなる場合も、事故直後に自分で示談に応じたり、人身扱いしないような処理をしたりしてはいけません。

今回は、交通事故直後に自分で示談してはいけない理由について、適切な示談のタイミングなどにも触れながら解説します。

1.軽い接触事故でも事故直後に自分で示談してはいけない理由

車をぶつけられただけであったり、目立った外傷もない軽い事故であったり、自転車との接触事故であったりする場合、「警察を呼ばなかった」「その場で加害者と示談の取り交わしをしてしまった」というケースがあります。
しかし、どれほど軽い接触事故でも、これは避けるべきです。

それは、以下の理由によります。

(1) 一度決まった示談は後から覆せない

事故直後に自分で示談してはいけない最大の理由は、一度示談すると、後からこれを覆すことは原則できなくなってしまうことです。

そもそも示談とは、被害者と加害者の間において、交通事故により生じた被害者の損害について、一定の額の賠償金の支払と、示談において決まった金額を超える賠償金を請求しないことを約束する和解です。

加害者に言われるままであったとしても、示談書にサインして示談が成立してしまえば、「本当は示談するつもりはなかった」「追加の賠償をしてほしい」などと後から主張しても、基本的に通りません。

後で泣き寝入りにならないように、示談は慎重に進める必要があるのです。

(2) 適正な賠償金を受け取れなくなる

交通事故直後に、加害者と現場において示談して案件を終わりにしてしまうと、事故を警察に報告する義務に違反することになるばかりでなく、交通事故証明書・実況見分調書などの、本来交通事故による損害賠償請求において必要となる基本資料は作成されません。

[参考記事]

交通事故の現場検証|すること・してはいけないこと・注意点は?

交通事故証明書がないと、加害者の保険会社から治療費の支払いを受けることはできなくなり、万が一後遺障害が残った場合でもその補償を受けることができません。

事故直後に加害者とその場で示談してしまうことにより、被害者は、事故による損害についての適正な賠償を受け取ることができなくなってしまうのです。

特に、自転車でぶつかっただけという事故では、その場で加害者との間の示談を成立させてしまうというケースが散見されますが、例え自転車の事故でも警察に届けないことは道路交通法上の義務違反になります。

(3) 事故直後に適正な賠償金を算定は不可能

交通事故による損害の賠償金は、事故直後においてすべて算定できるものではありません。

治療費・入通院慰謝料は、事故後に必要となった治療の期間に応じて変わりますし、休業の補償は事故後に怪我のため仕事を休んだ場合に発生します。

また、治療を終えて後遺障害が残った場合には、その後遺障害の内容により後遺障害慰謝料や逸失利益が算定されます。

このように、交通事故により生じた被害者の損害についての賠償金は、事故直後にはすべて算定できるものではないのです。

例えば、「30万円で示談してくれ」などと言われて、「怪我もなさそうだったので良いと思った」とその場で示談しても、後から痛みが出てきてむち打ちなどを発症した場合には、30万円を優に超える額の治療費がかかるかもしれません。

事故直後に適正な賠償金を受け取る内容の示談を成立させることは、そもそも不可能なのです。

当面のまとまった治療費がどうしても必要な場合などは、受け取る金額が「一時金」であることを明確にし、すべての損害が判明したら後日、請求できるようにしておくことが必須です。

【加害者が示談交渉を急ぐ理由】
交通事故においては、示談交渉を急ぐ加害者は非常に多いです。そもそも、なぜ加害者は示談交渉を急ぐのでしょうか。
その背景には、主に以下の2点を挙げることができます。
・免許停止・取消を避けたい
人身事故を起こした加害者は、交通違反の点数制度上、被害者の負傷の程度に応じて点数が加算され、結果、免許取消・停止といった行政処分を受ける可能性があります。被害者に人身事故の届出をさせないように、たとえば人身扱いにしないで物損として警察に届出してもらうようお願いするなどの説得を試みるのです。
・刑事事件で有利な事情が欲しい
人身事故を起こした場合には、先の行政処分とは別に刑事罰を科せられる可能性が出てきますが、被害者と示談していることは、加害者には有利な事情として考慮されます。
しかし、ご自身が適切な補償を受けるためにも、加害者に同情してその場で示談に同意するという対応は絶対に避けるべきです。

2.適切な示談のタイミング

交通事故による損害賠償の適切な示談のタイミングは、基本的には、治療終了(症状固定・これ以上治療を続けてもよくならない状態)時です。

ただし、以下の点に注意してください。

(1) 後遺障害の認定結果を待つ

交通事故による怪我の治療終了(症状固定)時に、怪我による後遺症が残っている場合には、後遺障害が認定される可能性もあります。

そのときには、原則、先に後遺障害の認定手続の結果を待ち、その結果を踏まえて保険会社と示談交渉を進めるようにしましょう。

[参考記事]

後遺障害等級とは?認定機関による認定方法とその流れ

(2) 怪我による損害の先行示談は控える

被害者自身が早期に賠償金を受け取りたい、あるいは、保険会社として早期に事案を解決したいとの意向から、後遺障害の認定可能性のある場合でも、先に「怪我による損害の部分についてだけ」示談を進めることがあります(これを傷害部分の先行示談といいます)。

しかし、もしこのような先行示談をする場合には、慎重に進めなければなりません。

なぜなら、先行示談の内容によっては、後遺障害部分の損害賠償請求に影響が及ぶ可能性があるからです。

例えば、後遺障害のないことを前提に示談した場合、将来後遺障害の認定を受けた場合でも、一度してしまった示談の内容を覆すことは困難であり、後遺障害部分の損害賠償を請求できなくなってしまいます。

何らかの事情があってどうしても先行示談をしなければならない場合には、本当にその内容で良いか弁護士に相談しましょう。くれぐれも「自分で示談しない」ということが大切です。

よって、交通事故の示談交渉は、事故直後や治療中・後遺障害認定結果待ちの段階に自分で行わず、治療が終わって怪我が完治した段階、もしくは後遺障害認定結果が出た段階で、その示談金額が正当なものかどうかをしっかりと考えながら行うことをお勧めします。

「今示談して良いのか不安だ」「適切な示談金額が分からない」「提示された示談金額に納得がいかない」という場合は、自分で判断せず、一度弁護士にご相談ください。

[参考記事]

交通事故の慰謝料問題を弁護士に依頼するメリット・デメリットを徹底比較

3.自分で示談はせず、泉総合法律事務所の弁護士に相談を

加害者、もしくは加害者側保険会社は、治療費や休業損害、慰謝料などの金額について強硬に交渉してきます。
専門用語も多くて話が十分理解できず、自分でもよく分からないうちに話をまとめられてしまうこともあるようです。

このような時は、焦るがまま一人で対応せずに、まずは『弁護士に相談します』と一言伝え、交通事故に強い弁護士に相談すべきです。

泉総合法律事務所は、交通事故案件の経験豊富な弁護士が数多く在籍し、解決事例も多数あります。

【参考】泉総合法律事務所の交通事故解決事例一覧はこちら

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初回のご相談は無料となっておりますので、交通事故の示談交渉でお悩みの際には、ぜひ一度ご連絡ください。

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