慰謝料・賠償金 [公開日] [更新日]

交通事故での治療の受け方と注意すべきポイント

交通事故での治療の受け方と注意すべきポイント

交通事故の被害者は、ほとんどの方が、交通事故に遭うのも、交通事故で病院にかかるのも初めての経験でしょう。

そこで今回は、交通事故に遭ってしまった場合の治療の受け方や注意すべきポイントを解説します。

1.事故当日に診察を受ける

交通事故に遭遇してしまったら、必ずその日のうちに病院で診察を受けて下さい。
「身体に痛みがなく、何ともないから」、「少し腫れている程度で、たいしたことないから」、「忙しいから」などの理由で診察を後回しにしてはいけません。
すぐに受診すべき理由は主に二つです。

(1) 事故直後は自覚症状がない場合もある

ひとつめの理由は自覚症状との関係です。
交通事故で傷害をうけていても、事故直後に自覚症状が出ない場合は珍しくないのです。

たとえばむち打ち症は、「事故直後は無症状で、翌日から頸部痛を訴える例が多い」と指摘されています(※)。

痛みがなくても、事故の衝撃で身体はすでに変調をきたしている場合があります。自己判断はせず、極力事故当日中に医師の診察をうけることが必要です。

※「むち打ち損傷ハンドブック―頚椎捻挫から脳脊髄液減少症まで」第2版・東京医科大学整形外科講師遠藤健司編著・シュプリンガー・ジャパン株式会社発行13頁

(2) 事故直後に受診しないと因果関係を疑われる

もうひとつの理由は因果関係です。
事故より日数を経てから受診すると、その時点で症状が出ていても、それが交通事故によるものかを疑われてしまうのです。

事故と症状の因果関係を疑われると、治療費、休業損害、慰謝料などの損害の賠償を拒否されてしまう危険があります。
そのため、事故直後に受診することが必要です。

2.整形外科に行き、診断書を作成する

最初に受診するのは整形外科です。
交通事故に遭ったことを整形外科医に申告すると、医師は、患者の首、肩、腕などをゆっくりと動かしてみたり、指圧をしてみたりすることで、身体に異常が生じていないかをチェックしてくれます。
事故後、自分では痛みを感じていなかったのに、医師のチェックによって痛みが生じていることを自覚できるケースもあると報告されています(※)。
※前出「むち打ち損傷ハンドブック」31頁

この最初の診察の時点で、必ず診断書の作成を依頼しておいてください。
交通事故直後に診察を受けたうえでの医師の診断ですので、事故によって受傷した事実を端的に証明する証拠となるからです。

また診断書は、警察に人身事故としての事故証明書を発行してもらうためにも必要です。
そして、人身事故の事故証明書は、自賠責保険の補償金を請求する際に必要な書類です。
必ず診断書を入手しておいて下さい。

3.接骨院などは医師の指示を受けて行く

最初に診察を受け、診断書をもらった後は、症状に応じて通院することになります。
症状によっては、接骨院・整骨院・マッサージ・鍼灸院へ通う場合もあると思いますが、これらの医療機関以外への通院には注意が必要です。

接骨院などの費用は、その症状に対して「有効かつ相当な範囲内」で損害賠償の対象と認められます。
医師の指示に基づいて接骨院などに通院した場合は有効かつ相当と認められやすいのですが、医師の指示に基づかない場合は費用の賠償請求を否定されてしまうケースもあるのです。

したがって、接骨院などの利用は、自分だけで判断するのではなく、必ず医師に相談しましょう。医師が接骨院などの利用に理解を示してくれた場合は、「マッサージ施術を有効と認める」などと診断書にも記載してもらえば安心です。

4.整形外科への通院は継続する

接骨院などでの施術に効果が出てくると、それで満足してしまい、整形外科への通院をやめてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、これは損害賠償請求という観点からはおすすめできません。

接骨院などへの通院は続けていても、整形外科への通院を打ち切ってしまうと、その時点で治癒したものと判断されてしまいます。そうすると、痛みの症状が残っていても、後遺障害の存在を認定してもらえなくなる危険があるのです。

医師の指示のもとに接骨院などに通う場合でも、整形外科への通院は並行して行ってください。

5.通院は途中でやめない、中断しない

(1) 治癒または症状固定まで続けるべき

症状が軽くなってくると、事故が原因でたまっていた仕事や学業も忙しくなり、もう通院しなくてもいいやと思いがちです。
でも、それはおすすめできません。

交通事故でケガを負ったことに対する慰謝料、これを入通院慰謝料といいます。
その金額は、治療に必要だった期間の長さによります。入院していた期間、通院していた期間が長いほど慰謝料は高額となります。したがって、自分一人の判断で通院をやめてしまうと、本来もらえるはずであった正しい慰謝料を受け取れなくなってしまいます。

したがって、治癒または症状固定のときまで通院は続けるべきです。どの段階で、治癒または症状固定とするかは、担当医師が判断することですが、患者本人の意向も尊重してくれる医師は多いですから、よく相談することがおすすめです。

(2) 治療の中断・再開はNG

通院をしていたが、何ヶ月かすると面倒くさくなって通院をやめてしまったところ、また痛み出したので、頻繁に通院するようになったという方がおられます。

たしかに、通院を途中で中休みしてまた再開するというケースは良くあります。
しかし、これはおすすめできません。

なぜなら、この場合治療の必要性が疑われるからです。
傷害は治療を続けてゆけば、だんだんと通院の頻度が減少してゆくのが通常です。上のパターンでは、その通例から外れているため、慰謝料を増額したいがために通院を再開したと疑われ、事故とは因果関係がない通院と判断されてしまう危険があるのです。

そのように疑われると治療費の支払いを拒否されてしまったり、慰謝料が低額にとどまってしまったりという不利益を受けてしまいます。

したがって、通院を途中で中断することは、やむを得ない合理的な理由を示すことができる場合以外は、おすすめできません(例えば仕事で海外出張に行った等)。

6.治療費は加害者側保険会社に請求してもらう

(1) 病院から保険会社に直接に請求してもらえる

治療費の支払い方ですが、原則は、被害者が自分で病院に支払い、その金額を加害者側の保険会社に請求することになります。

しかし病院によっては加害者側の保険会社に直接に請求してくれる場合もあり、こちらがおすすめです。

病院で支払いを請求されたときは、交通事故の被害者なので加害者側の保険会社に直接に請求をしてほしいと病院にお願いしてみましょう。

(2) 争いがある場合、被害者請求をおこなう

もっとも事故の状況や過失割合について争いがある場合は、加害者側の保険会社が治療費の支払いに応じないケースがあります。
その場合は、被害者本人が治療費を支払い、その後、自賠責保険に賠償金の請求(被害者請求といいます)をすることになります。

この場合は、健康保険による治療も可能ですので、病院側に相談してください。

また、治療費などに充てるため、加害者の自賠責保険に対して、「仮渡金」を請求することもできます。
傷害の場合、程度に応じて5万円、20万円、40万円が請求できます。

(3) 被害者請求は弁護士に相談する

被害者請求を行うケースでは、同時に、後遺障害等級認定の申請も被害者側で行うことになります。これは被害者が自分で病院から医療記録やレントゲン画像などを受け取り、書類を作成して申請しなくてはなりません。また適正な等級認定を行ってもらうためには、医師に書いてもらう後遺障害診断書の内容などを工夫する必要があります。

専門知識がない方がやるとなれば、かなりの負担です。
自分でやらずに、交通事故問題に詳しい弁護士に相談、依頼しましょう。

7.ご相談は泉総合法律事務所に

以上の解説で、交通事故傷害の治療に関する注意点をかなり説明できたと思います。

ただ、読み終えた方の中には、実際自分が治療を受けるにあたって気になる点がまだまだ多く残っているかもしれません。現に治療中の方などは、「治療は続けたいけど保険会社から打ち切りの連絡がきた」「診断書を書いてもらったけど、内容がよく分からない」といった悩みもあるかと思います。

そんなときは、泉総合法律事務所にご相談ください。

泉総合法律事務所では、診断書での記載の仕方や保険会社とのやりとり、加害者との示談交渉まで、交通事故に強い弁護士が最初から最後までしっかりとサポート・対応しています。ご相談者様から寄せられるお悩みやご質問にも一つ一つ丁寧に対応しておりますので、交通事故傷害に関してお悩み事があれば是非ご相談ください。

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