自動車保険 [公開日]2018年5月15日[更新日]2020年6月19日

交通事故の保険金がなかなか下りない。いつ支払われるの?

自動車保険には、強制加入の自賠責保険と、自賠責保険の保険金額を超える損害をカバーする任意(損保ジャパン、ソニー損保など)の2つがあります。

通常は、任意保険会社がサービスとして自賠責保険への対応も行ってくれますから、被害者が自分で自賠責保険に請求しなくとも済みます(一括対応)。

このため、交通事故の被害者の多くは、任意保険会社との間だけで保険金を決めるための示談交渉を行うことになります。

人身事故に遭った場合、事故後にお金が必要になることは多いので、任意保険会社からの保険金がいつ自分に入るのか、非常に気になるところです。

しかし、実際に保険金はすぐに振り込まれるものではありません。

今回は、任意保険会社に対する保険金請求までの準備や保険金が支払われるまでの流れ、そして示談してから保険金が支払われるまでの日数についてご説明します。

1.保険金支払いまでの一般的な流れ

まず、交通事故発生から保険金支払いまでの一般的な流れを見ていきましょう。

(1) 交通事故発生

交通事故が発生したら、最初に行うべきは負傷者を確認し、すぐに救急車を呼ぶことです。
そして、警察へ連絡し、事情聴取と実況見分がひと段落ついたら、次は双方の保険会社に連絡します。

なお、余裕があれば、事故後に目撃者の確保、事故車両の写真を撮っておく、事故の状況をメモに記しておくなど証拠を確保しておくと、後の示談交渉時にも役立つこともあります。

(2) 交通事故証明書を発行

事故から一週間程度したら、自動車安全運転センターから交通事故証明書を発行してもらい、保険会社に提出します。

もっとも、加害者側に任意保険会社がついている場合は、通常、保険会社が取得してくれます。

(3) 示談交渉開始〜保険金の支払いまで

治療が終了、あるいは症状固定と医師に診断され後遺障害等級認定を受けたあとは、示談交渉が開始されます。つまり、示談交渉は、大部分の事件にとって一番最後の方に行われるもの、とご理解ください。

そして、示談交渉は、損害賠償金額(示談金)を話し合って決めるものです。

任意保険会社の担当者から金額を提案され、これに応じるかどうか判断を求められるでしょう。金額に納得ができない場合は弁護士に相談するのが賢明です。

なお、「大部分の事件にとって」というのは、話し合いである示談交渉でまとまらなければ、訴訟等になる事件もあるからです。とはいえ、訴訟になるのはごく一部のみですので、過度に心配なさらないでください。

【被害者の保険会社は原則として示談交渉をしてくれない】
交通事故の被害者となった場合、被害者の加入する保険会社が示談交渉も対応してくれると考える方がいらっしゃいますが、これは絶対ではありません。
被害者にも過失がある場合には、被害者の任意保険が負担する部分があるため当事者として交渉に対応してくれますが、過失割合が0:10で一方的に加害者に非がある場合には、弁護士法に違反するので対応してくれません。被害者自身が保険会社に対応する必要があるのです。
ただし、被害者自身が搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険などの特約に加入している場合は、示談交渉をしなくとも怪我に対する保険金はおります。ただし、これらのサービスは、加害者への損害賠償請求ではないので、それぞれの約款の規定に従って支払われることになり、後述の裁判基準での請求はできません。また、同様の理由により、弁護士保険特約も使えません。

2.保険金がおりるまでの期間・日数

保険金は、被害者と加害者側の双方が保険金(示談金)額について納得し、示談が成立した後に支払われます。

先に述べた通り、被害者のケガの治療が終わった後に示談交渉に移ります。ケガの後遺症が残った場合と、残らなかった場合とでは、若干流れが異なります。

ケガの後遺症が残らなかった場合、治療終了後、治療終了日までの診断書や診療報酬明細が保険会社の手元に届いてから、交渉が開始されます。

また、ケガの後遺症が残ってしまい、後遺障害認定等級を受ける場合には、申請してから結果が出るまで、少なくとも1ヶ月半~2か月程度かかります(等級に納得がいかない場合には異議申し立てなどを行えば、さらにかかります)。

後遺障害等級が決まらないと、損害額の計算ができませんから、その分、単に治療終了してそのまま示談交渉に移行した場合に比べると、示談成立までの期間が長引くことになります。

いずれにせよ、それぞれの場合で、必要な手続きが終わった後で、示談交渉が開始されます。

交渉が開始された後で、損保の提示する金額に対して、全く争いがない場合には、すぐに合意できます。示談書の送付がされたら、署名押印して返送することで、後述の通り、近い時点で振り込みがされることになるでしょう。

しかし、争いがある場合は、示談交渉は長引きます。

そもそも加害者側に賠償責任があるのかどうか、損害額はいくらが正しいのか、過失割合はどうかなど、争いの内容は様々です。当然に示談交渉にかかる期間も事案ごとに様々であって、目安となる期間を示すことなどできません。

示談交渉だけで1年を費やすケースもあれば、双方の主張額の隔たりが大きくても、被害者側の経済事情から早期に合意してしまうケースもあります。交渉ごとですから、あくまでも当事者次第なのです。

示談交渉により損害賠償額が確定したら、示談書や免責証書を作成して被害者が任意保険会社に交通事故の損害賠償請求として、保険金請求を行います。

任意保険会社は、多くの保険約款の基本条項によると、原則として請求を受けた日を含めて30日以内に保険金を支払う義務があります。通常は、1~2週間程度で保険金が振り込まれます。具体的な日付については、示談締結時に確認してみると良いでしょう。

【自賠責保険には、仮渡金という前払い制度も】
保険金は後払いのイメージが多いと思います。しかし、場合によっては前払いも認められています。自賠責保険では当座の費用を必要とする被害者を救済するために、簡素な手続で仮渡金を直接請求することができます。事故の影響で仕事を休む必要がある、治療費を自分で立て替えているなどの場合は、仮渡金を請求することも考えてみてください。
方法がわからない場合や手続きに不安がある場合は、専門家である弁護士にご相談ください。

3.保険金請求の準備に必要なこと

交通事故の事件の流れから、保険金が支払われる時期・免責証書などを送付してから実際に下りるまでの日数はお分かりいただけたかと思います。

しかし、保険金が正当な金額でないならば、被害回復をすることが難しくなります。そして、基本的には、その金額は事故直後からの治療中の行動によって決まってしまいます。

後から後悔しないためにも、正当な金額の保険金を請求するために、治療段階から準備すべきこと、気をつけるべきことを解説します。

(1) 治療をしっかりと行う

まず、治療をしっかりと行うことです。

入通院慰謝料は入通院期間に応じて算定されますが、あまりにも通院頻度が低すぎると、最悪事故による怪我ではないと因果関係を疑われたり、良くても慰謝料の金額を低く抑えられたりしてしまう場合があります。

また、合理的な理由もなく治療をせずに怪我を放置すると、後に後遺障害が残った場合などに、被害者に求められる損害の拡大を防止する義務に違反したとして、過失相殺によって賠償額を減額されてしまうこともあります。

(2) 治療費の打ち切り通告には慎重に対応する

治療が長引く場合には、任意保険会社から、治療費の支給の打ち切りを宣告されることもあります。

しかし、保険会社からの治療費支給が打ち切られても、それだけを理由として治療を終了(あるいは症状固定)とする必要はありません。

医学的観点から医師が継続した方がいいという場合には、健康保険を利用して治療費の負担を抑えながら、自費で通院することが可能です。
自分で負担した治療費は、それが必要かつ相当なものであれば、示談交渉の際に、任意保険会社に請求することができます。

(3) 示談内容を確認する

示談が成立すると確定的な法的効力が生じるため、原則として覆すことはできません。

つまり、一度示談をしてしまうと、追加の請求は基本的にできないということです。

そのため、保険会社から示談内容を提示されたら、損害項目ごとの額を確認し、示談書あるいは免責証書に署名押印する前に、適正な損害賠償額かどうかを厳密にチェックすることが大切です。

自分では何が適正かわからないという場合は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

4.保険金の支払いが遅い場合にできること

任意保険会社を通じて示談が成立したにもかかわらず、保険金が中々支払われないというケースは、ほとんど考えられません。

示談書を交わした場合は支払期限が明記されていますし、そもそも前述のとおり、約款上、原則として30日以内の支払が義務づけられているからです。

しかし、万一、支払が遅れた場合には、任意保険会社の担当者に理由や支払日などを確認しましょう。

5.保険金の悩み、示談交渉は弁護士にご相談を

任意保険会社の担当者は何度も交渉をまとめているプロです。被害者がケガをしている場合、被害者が死亡してしまい遺族が示談交渉を行うといった場合、身体的又は精神的に弱っていることも多く、決して対等な関係とはいえません。

このような場合、「保険金額が正当なものに比べて想像以上に低くなってしまう」、「実務のルールを念頭に置かない主張をすることで、むやみに交渉が長引いてしまう」という結果を招きます。これは、被害者にとって望ましくない状況です。

そのため、被害者の方も、示談交渉に精通した弁護士へ交渉をお任せすることがおすすめです。

弁護士であれば、任意保険会社の担当者との交渉もスムーズに行うことができ、早期解決が望めます。

また、示談書に書いてある慰謝料の項目など、保険金の額に納得ができない場合があると思いますが、弁護士は保険金の額を弁護士基準で算定し、保険会社に請求できます。

つまり、裁判でも用いられている計算方法・支払い基準を採用することで、任意保険会社の基準を元にした任意保険会社の提示に比べて、事案の内容により保険金の額が2倍、3倍と増額する可能性があるのです。

高額な保険金の支払いを求めるには治療中はもとより、示談交渉の段階からしっかりと対応することが肝心です。交通事故の解決実績が豊富な弁護士が多数在籍する泉総合法律事務所にご相談いただければ、弁護士が最後まで対応させていただきます。

初回相談は無料となっております。また、被害者の方が加入されている保険の弁護士費用特約の利用もできますので、是非一度ご相談ください。

ご依頼をお悩みの方も、一度ご相談ください。
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