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交通事故の保険金がなかなか下りない。いつ支払われるの?

交通事故の保険金がなかなか下りない。いつ支払われるの?

【この記事を読んでわかる事】

  • 交通事故の保険金が支払われるまでの流れとは?
  • 適切な保険金を受け取るために被害者ができることとは?
  • 保険金は事故発生後いつ頃支払われる?金額の決まり方は?

交通事故被害に遭ってしまった後、治療費や入院費、車の修理代などさまざまなお金がかかり、頭を抱えてしまうことがあります。

保険金が入ると思って安心していたのに、なかなか振り込まれないと、不安になりますよね。

できれば保険金は、交通事故後すぐに受け取りたいものですが、実はすぐに支払われるものではありません。

実際、人身事故の場合、半年〜1年以上かかる場合もあるのです。

ただし、保険金請求までの準備をしっかりと行えば、支払いは早くなる可能性があります。

そこで今回は、保険金請求までの準備や保険金が支払われるまでの流れ、支払われるまでの期間についてご説明します。

1.保険金支払いまでの一般的な流れ

まずは、交通事故発生から保険金支払いまでの一般的な流れを見ていきましょう。

(1) 交通事故発生〜警察への報告

では、交通事故発生からどのような流れで進んでいくのでしょうか。

交通事故が発生しました。このとき、最初に行うべきは、負傷者を確認することです。

当事者の誰かが怪我を負っている場合は、すぐに救急車へ連絡しましょう。また、軽症であった場合でも、むちうちや頭をぶつけている場合はあとで痛みが発生したり悪化します。

あとで病院に通うことが必要になるため、少しでも痛みがある場合は救急車を呼んでください。身動きをとれない状況の場合は、声を出して周囲に助けを求めてください。

物損の場合や当事者どちらかが無傷の場合は、道路から危険物の撤去を行いましょう。二次災害を防ぐためです。

そして、警察へ連絡します。警察や救急車は、電話をして数分で到着します。

警察が来るまでの間にできれば被害者・加害者それぞれの連絡先を聞いておきましょう。保険の請求時や今後の捜査に役立つ可能性もあります。

また、余裕があれば、ぶつけられた車両の写真を撮っておく、事故の状況をメモに記しておくなどすると、証拠保全となり、事情聴取等に役立ちます。

警察が到着すると、各自に事情徴収が行われ実況見分が進んでいきます。

(2) 保険会社への連絡〜交渉まで

警察への報告がひと段落ついたら、次は保険会社に連絡します。

加害者が任意保険会社の保険に加入している場合は、加入中の保険会社に連絡します。

被害者は、その後の交渉を保険会社の担当員と行います。

被害者に過失があると考えられる場合は、被害者も保険会社へ連絡すれば、その後の手続きの説明があります。

保険会社への事故の報告も無事終わったあとは、警察に交通事故証明書を発行してもらいます。これを保険会社に渡すことで、保険金請求の準備が開始となります(交通事故証明書が全ての出発点!物損事故と人身事故の損害賠償請求)。

そして、事故に関しての損害賠償の話し合いを進めていくことになります。

人身事故の場合は、治療に専念することが先決となり、場合によっては保険会社から直接病院に治療代を支払ってもらえます(一括対応)。

(3) 示談交渉開始〜保険金の支払いまで

治療が終了、あるいは症状固定と医師に診断され後遺障害等級認定を受けたあとは、示談交渉が開始されます。

示談交渉では、損害内容を判断した上で、損害賠償金を決めていくことになります。

被害者は、任意保険会社の担当者に損害賠償金額を提案され、これに応じるかどうかを求められるでしょう。被害者にも過失があるとされる場合は、被害者の保険会社が交渉してくれます。

この時点で、損害額に納得ができない場合は弁護士に相談するのが賢明です。

過失割合や損害賠償額に折り合いがつかない場合は、調停やADR、裁判を行うことになります。

調停とは、裁判所の調停員を挟んで紛争を解決する方法です。公平な立場から、調停員が保険会社の担当者とやりとりを行い、解決策を提案してくれます。

ADRとは、裁判所外の紛争解決期間のことです。交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなどが交通事故を専門に取り扱い、問題解決をサポートしてくれます。ADRは機関に所属する弁護士が対応してくれるのがメリットです。

このような方法でも解決できなかった場合は、損害賠償請求訴訟に発展します。裁判で裁判官が、損害賠償に関する確定的な判断を行うことになり、裁判が集結した場合にはこの判断に従わなければいけません。

調停やADRは納得できない場合に次の手段がありますが、裁判所は交通事故トラブルを終局的に解決する場所となります。

裁判等で損害賠償額が確定した場合には、保険会社から無事損害賠償金が支払われます。

以上が、交通事故発生から保険金支払いまでの流れです。多くの工程があることから、人身事故の場合はとくに数ヶ月以上かかってしまうこともあります。

2.保険金の支払い義務

次は、誰が保険金を支払うのかということをご説明いたします。

(1) 加害者が加入している自動車保険会社が支払い義務を負う

では、交通事故時被害に遭った場合、直接被害者に支払いをするのは誰なのでしょうか。

交通事故被害に遭った場合、損害賠償や慰謝料の請求先としてまず頭に思い浮かぶのは、加害者です。

これは間違っていないのですが、実際の場合、多くは加害者の保険会社が支払うことになります。

加害者に直接請求をするのは、加害者が任意保険に加入していない場合や、自賠責では損害額に満たない場合です。

そのため、被害者として損害賠償を請求するのは第一次的に加害者の保険会社となります。

保険会社は、2種類あります。それは、強制加入の自賠責保険と、任意加入の任意保険会社の保険です。

そのため、どちらかの機関に請求することになりますが、多くのドライバーは任意保険会社に加入しているため、加害者の任意保険会社と示談交渉を行うのが一般的となります。

交通事故の被害者となった場合、被害者の加入する保険会社が示談交渉も対応してくれると考える方がいらっしゃいますが、これは間違いです。

被害者にも過失がある場合には、被害者の任意保険が関係してくるため、交渉に対応してくれますが、過失割合が0:10で一方的に加害者に非が場合には、対応してくれません。

ただし、搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険などの特約に加入している場合は、ケガに対する保険金がおります。

このように、基本的には、加害者の保険会社が損害賠償金(保険金)の支払い義務を負います。

(2) 自賠責保険は、最低限度の保障をしてくれる保険

では、自賠責保険とはどのような保険なのでしょうか。

先にご説明した通り、自賠責は強制加入の保険です。自動車や原付自転車、バイクなどを購入する際には必ず加入が義務付けられています。

これは、交通事故が万が一起きた時に、被害者に最低限の保障を実施するために設けられた制度です。

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法という法律によって制度化されており、安心して利用できる保険です。

自賠責の対象となるのは、人身事故のみです。物損事故には対応していません

なぜなら、人身事故で多大な被害を被った被害者を支援する制度であるためです。

自賠責保険の保障は、死亡事故の場合で最高3000万円、負傷事故の場合は最高120万円、後遺障害は東急別に75万円〜4000万円までとなっています。これは、被害者1人あたりに支払ってもらえる上限額となります。

自賠責は、被害者に対し最低限度の保障を行ってくれる制度です。必ずもらえるといった点では安心ですが、大きな交通事故では、この上減額以上の損害が発生することも多いため、自賠責では対応できないケースもあります。

この場合に、任意保険会社の保険金が必要となるのです。

このように、交通事故に遭った場合、まず下りる保険は自賠責です。これで足りない場合は、任意保険会社に支払ってもらうことになります。

(3) 任意保険の会社は自賠責保険で足りない分の補償

では、任意保険会社はどのような保険なのでしょうか。

自賠責保険が最低限度の保障をしてくれる保険であるなら、任意保険はプラスαの保障をしてくれる保険です。自賠責保険では足りない損害金を任意保険がまかなってくれます。

死亡事故になると1億の損害賠償金が必要になることもあるため、多くの方は任意保険に加入しています。

しかし、経済的に余裕がない方などの場合は、任意保険に加入していないケースもあります。この場合は、自賠責以上の損害額については、直接加害者に損害賠償請求をすることになります。

加害者に資力がある場合は問題ありませんが、経済的に困窮している場合や、支払えるだけの経済的余裕がない場合は、実際上自賠責以上の支払いは望めません。

このように、交通事故被害に遭った場合の損害賠償の請求先は、加害者、自賠責保険、任意保険会社の3つがありますが、基本的には、任意保険会社か自賠責保険のどちらかに保険金を請求することになります。

3.保険金請求の準備に必要なこと

保険金請求の準備に必要なこと

 

(1) まずは、しっかり治療を行うこと

まず、保険金請求の準備として必要なことは、治療をしっかりと行うことです。

というのも、保険金の請求をするためには、示談交渉が必要となりますが、この示談交渉は治療が終了しないと始められないからです。

なぜなら、治療が終了しないと損害額が確定せず、示談交渉の前提が明らかではないためです。

焦る気持ちは当然ですが、まずはしっかりと治療に専念することを心がけてください。

このような話をすると、「急いで治療を終了すべきだ」と勘違いされるかもしれませんが、そうではありません。急ぐと逆効果です。

なぜなら、本来適正にもらえるべき損害額がもらえなくなってしまう可能性があるためです。

早く保険金が欲しいからといって、自己判断で治療を終了した場合、あとで後遺傷害が発生しても新たに請求することはできません。示談成立は、原則として交通事故の終局的解決を図るものであるからです。

交通事故で被った損害は、治療費、入院費、通院交通費、休業損害、慰謝料などさまざまな項目があります。それぞれに対し適正な額をもらうためにも、しっかりと治療を行うことが大切です。

(2) 症状固定と治療の終了

治療に専念していても、なかなか完治しないケースもあります。

このような場合は、症状固定といって、治療を続けてもこれ以上良くならないという医師による診断が下されることになります。

治療が長引く場合には、保険会社の方から示談交渉を早く開始するため、治療費の支給の打ち切りを宣告されることもあります。

これを拒否することはできますが、最終的には保険会社の判断で打ち切られてしまうこともあります。

そのため、なかなか完治しない場合は、症状固定の時期の見極めが重要となります。

交通事故後、完治せず症状固定と診断されるまでの期間は一般的に6ヶ月程度といわれています。

半年間治療しても良くならない場合には、後遺障害等級認定を受け、後遺障害に基づく慰謝料請求をすることも検討しましょう。

もっとも、ケガの種類や病状によっては、もっと時間がかかってしまうこともあります。そのため、医師と相談しながら症状固定の時期を見極めていくことが必要です。

保険会社から示談を急がれたとしても、無理して症状固定とする必要はありません。

あくまで医師の診断を優先し、後遺障害認定請求をするまでは待つようにしましょう。

(3) 示談を成立させる

保険金を受け取るためには、示談の成立が必要不可欠です。

示談とは、損害賠償の支払によって交通事故の紛争を話しあいで解決する方法です。

示談の内容としては、損害賠償額の確定がメインとなります。法律上は、示談という言葉はなく、和解契約と呼ばれています。加害者・被害者の互譲により紛争を解決する手段として民法に規定されているものです。

和解契約の場合、一度成立すると確定的な効力が生じるため、原則として覆すことはできません。

つまり、一度示談をしてしまうと追加の請求は、基本的にできないということです。

そのため

  1. 後遺障害の慰謝料がもらえなくなってしまうため治療中に示談をしないこと
  2. 早く保険金が欲しいからといって、示談を急がないこと

が重要です。

治療終了後に膝下入りと損害項目ごとの額を確認し、適正な損害賠償額かどうかを判断することが大切です。

自分ではわからないという場合は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

もっとも、いつまで経っても示談が成立しないのも問題です。示談交渉が長くなると、精神的にも疲弊してしまいます。また、交通事故の損害賠償請求は原則として3年で時効となるため、治療あまり長引かせるのも良くありません。

以上から、示談交渉は治療終了後に行うこと、そして示談の金額に納得できない場合は諦めずに専門家である弁護士に相談してみてください。増額してもらえる可能性も十分にあります。

4.保険金支払請求と支払われるまでの期間

最後に、保険金支払請求についてご説明します。支払いまでにかかる期間も見ていきましょう。

(1) 任意保険会社から保険金が支払われるまでの期間

では、任意保険会社に保険金の請求をする場合、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。

①示談交渉の期間 3ヶ月〜1年以上

治療が終わった後(あるいは症状固定後)に示談交渉を開始しますが、特に損害額等に争いがない場合には、3ヶ月以内に示談が成立する可能性が高いでしょう。

また、損害額のみに争いがある場合も、3ヶ月以内が相場です。示談交渉が長引くのは、過失割合に争いがある場合です。

この場合は3ヶ月以上かかり、6ヶ月〜1年と裁判に発展してしまうケースもあります。

後遺障害認定等級を受ける場合も、等級に納得がいかない場合には、異議申し立てなどを行うため、6ヶ月〜1年以上かかるケースがあります。

②保険金の請求時期と支払までの期間 2ヶ月程度

被害者が任意保険会社に直接請求ができるのは、損害賠償額が確定したときとなります。

具体的には、示談成立時、調停成立時、裁判上の和解が成立したとき、判決確定時に直接請求が可能となります。

保険金請求を行うためには、書類を集める作業などが必要となるため、これに2週間〜1ヶ月程度かかります。

請求をした後は、任意保険会社から30日以内に保険金が支払われます。

示談成立となった場合には、すぐに支払ってもらえると思っている方も多いと思いますが、実際には、請求手続きが必要です。

示談までの期間、直接請求の準備期間、支払いまで期間、それぞれ時間がかかることを覚えておいてください。

(2) 自賠責による保険金の支払い

では、自賠責に保険請求する場合はどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

自賠責保険には、加害者請求と被害者請求という2つの請求があります。

①加害者請求

加害者請求(事前認定)は、加害者の任意保険会社が自賠責の保険金と任意保険の保険金を一括で支払う手続きです。

任意保険会社が手続きを行うため、自賠責からいおりる保険金は通常任意保険の保険金と一緒に支払われます。

したがって、加害者請求の場合は任意保険会社と同様に請求まで2週間から1ヶ月程度、支払いまで1ヶ月と考えられるため、2ヶ月以内には支払が行われます。

【参考】事前認定とは?後遺障害の被害者請求との違い、メリットなど

②被害者請求

被害者請求は、被害者から加害者の自賠責保険に対し支払い請求を行う手続きです。

加害者が任意保険に加入していない場合や、被害者の過失も大きいというケースで利用される手続きです。

被害者請求の場合、書類の申請に2週間〜1ヵ月程度、自賠責保険会社が必要書類をうけ保険金が支払われるのは1ヶ月程度という目安になります。

ただし、保険会社での調査に時間がかかる場合は、1ヶ月以上かかることもあるようです。

【参考】被害者請求とは?事前認定との違いと適切な後遺障害認定

(3) 自賠責保険には、内払金や仮渡金という前払い制度も

保険金は後払いのイメージが多いと思います。

しかし、場合によっては前払いも認められているのです。

前払いが認められているのは、自賠責保険です。被害者が自賠責保険に内払金や仮渡金を直接請求することができます。

内払い金は、治療費や休業補償が10万円以上かかった場合に、治療中でも受け取れるものです。

仮渡金は、傷害事故で40万円、死亡事故で290万円を限度に先に支払を行なってもらえる制度です。

事故の影響で仕事を休む必要がある、治療費を自分で立て替えているなどは、自分で自賠責保険に請求することも考えてみてください。

方法がわからない場合や手続きに不安がある場合は、専門家である弁護士にご相談ください。

5.保険金の悩み、示談交渉は弁護士にご相談を

保険金を早く支払って欲しい場合、まずは治療に専念することが必要です。なぜなら、治療が終わらないと示談交渉を始められないからです。

一方、無理に治療を継続することもよくありません。長期に治療が必要な場合、途中で保険会社から病院への支払いをストップすると言われることもあるためです。

そのため、適切な時期に治療を終了し、示談の段階へ進む必要があります。

示談交渉は、任意保険会社と被害者のやりとりとなります。任意保険会社の担当者は何度も交渉をまとめているプロです。

しかし、被害者は素人であり身体的にも精神的にも弱っている場合も多く、決して対等な関係とはいえません。

対等な交渉ではない場合、「保険金額が低くなってしまう」、「むやみに交渉が長引いてしまう」という結果を招きます。これは、被害者にとって望ましくない状況です。

そのため、示談交渉もプロにお任せすることがおすすめです。

弁護士であれば、任意保険会社の担当者との交渉もスムーズに行い、早期解決が望めます。また、慰謝料の項目など保険金の額に納得ができない場合も、弁護士基準で算定し保険会社に提案できます。

保険金の支払いは、示談成立が肝心です。交通事故の解決実績が豊富な弁護士が多数在籍する泉総合法律事務所にご相談いただければ、保険金の請求まで精通した弁護士が最後まで対応させていただきます。

初回相談は無料となっておりますので、是非一度ご相談ください。

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